91話「幻覚」
テツ「なんでや!?
なんで敵を攻撃しとったのに
ヒヨリになっとんねん!」
シノ「敵の能力だ。恐らくあたし等に
どっかのタイミングで
催眠をかけたんだ!」
レン「そんな!一体どのタイミングで!!」
ユウ「今はそんな場合じゃない!
敵は上空だ!次の攻撃が来るよ!!」
ユウの声に反応し、全員が上空を見上げる。
オルフェはすでに棘を放とうとしていた。
ナルミ(ま、まずい!)
「鏡結界!」
ナルミが鏡の結界を展開。
放たれた棘は結界に反射し、オルフェ自身へ跳ね返る。
オルフェは紙一重でそれを回避した。
オルフェ「私の棘を反射するとは、
やりますね。」
一旦攻撃を凌ぎ、西アクトは先ほどの謎を再び議論する。
レン「しかし、なぜでしょう。
さきほどユウさんだけは
催眠にかかってなさそうでしたが。」
シノ「そうだ。ユウだけかかってなかった。
そこにヒントがある。
ユウ、さっきあいつの翼が
怪しく光って棘飛ばされた時
あいつ見てたか?」
ユウ「いや、見てなかった!
漫画のほうに夢中だった!!」
シノ「まさかあの時……!」
パチパチパチ……
オルフェが拍手しながら降りてくる。
オルフェ「ご名答。正解したあなたに
特別に教えてあげましょう。
私のアビス能力は
完全催眠。
敵に催眠をかけたり、
操ったりできる能力です。
さきほど催眠にかかったのは
あなたがたが
私の翼の光を見たからです。」
シノ「やはりか!でも、いいのかよ?
ネタばらししちまってよ。
次はもう引っかからねーぜ?」
オルフェ「ええ、構いませんよ。」
オルフェは再び翼を広げる。
テツ「あかん!みんな、
あいつの翼を見るな!!」
全員が一斉に目を背ける。
その隙を突き、オルフェは高速移動でテツの背後へ。
オルフェ「いいのですか?
戦いの最中によそ見して。」
ズギャッ!
テツは壁まで吹き飛ばされた。
西アクトメンバー「!!!!!」
ナルミ「なるほど。翼の光を警戒して
目を背ければ攻撃が、
背けなければ
催眠にかかるってことか。」
レン「能力を知られてもマイナスにならない。
むしろ知られれば、相手の無防備を
誘発できるわけですね。」
シノ「クソみてーな二択だな!
いい性格してるぜ!」
オルフェは楽しげに笑う。
オルフェ「その通りです!
お分かりいただけましたか?
では、また行きますよ!」
再び翼を広げる――
しかし、今度は誰も目を背けない。
オルフェ(目を背けない?なぜだ?)
シノ「おいおい、その翼で光らせれんのか?」
オルフェは自分の翼を見る。
そこには――
蝙蝠の翼ではなく、ふわふわの“鶏の羽”が生えていた。
オルフェ「!!!!!!!
なんだこれは!いつの間に!?」
ナルミが筆を構えながら微笑む。
ナルミ「ピクチャーチェンジ。
君の翼は僕の能力で
光らない別物に
書き換えさせてもらったよ。」
オルフェ「貴様~!!
よくも私の美しい翼を!!!!」
怒りで顔を歪めたオルフェは、次の瞬間――
ナルミの背後へ瞬間移動した。
ナルミ(は、速い!!)
オルフェ「消えなさい!!」
エネルギー破が放たれ、ナルミの体が光に飲まれる。
ナルミはそのまま――消滅した。
西アクトメンバー「!!!!!」
レン「ナルミさん!!!
くそおおお!!なりきり戦士!!」
レンは戦士になり、オルフェへ斬りかかる。
だがオルフェは軽くかわし、
すれ違いざまに尻尾をレンの背中へ突き刺した。
レン「あっ……」
レンの瞳から光が消え、虚ろな表情になる。
オルフェ「洗脳完了。最初の命令です。
あいつを殺しなさい。」
指さされたのは――シノ。
レンは無表情のままシノへ襲いかかる。
シノ「野郎!!レンを洗脳しやがった!!」
シノは必死に攻撃を捌きながら叫ぶ。
シノ「や、やめろ!やめるんだ、レン!!」
オルフェは高笑いする。
オルフェ「はははは!どうですか?
お仲間を倒せますか?
その調子で殺してしまいな――」
その瞬間。
ドクン!!
オルフェの視界が突然歪んだ。
オルフェ「な、なんですか。これは……
うっ……!」
空中浮揚が維持できず、地面に落下。
四つん這いになり、激しく咳き込む。
オルフェ「ゴホッ!ゴホゴホッ!」
口元を押さえると――
手のひらが真っ赤に染まっていた。
オルフェ「こ、これは血……?
い、一体なぜ……?」
煽り:オルフェを突然襲った体調不良。
その原因は一体……!?




