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残響の世界  作者: maro
81/105

81話「痛恨」

レガルディアの放った封印の球体が、ゼビウスの全身を包み込んだ。


ゼビウス「こ、こんなもの!!」


ドン! ドン!


内部から叩きつけるが、球体は微動だにしない。


ゼビウス「ならば――これならどうだ!!」

     目からビームを放つ。

     しかし光線は壁に吸収され、

     消えた。


ゼビウス「!!!!」


レガルディアが静かに口を開く。


レガルディア「無駄です。その封印は

       “あなた一人だけを

       閉じ込める”という制約と、

       私の寿命を代償に

       強化された封印。

       他の者は通過できますが――

       あなた自身は、

       どんな技を使っても

       外へ出られません。」


ゼビウス「な……に……!?

     どんな技を使っても……

     出られないだと……!」


レガルディアは倒れたヒビリオンの腕を肩に担ぎ、歩き出す。


その背に、ゼビウスが叫ぶ。


ゼビウス「余をこのまま放置して

     去るつもりか!?

     甘いぞ!配下を見つけ次第、

     命令して封印を解かせ――」


ドガァァァン!!!


城全体が揺れた。


レガルディア「ええ。あなたなら

       そう言うと思いました。

       だから――

       城の周囲を爆破し、地盤ごと

       海に沈めることにしたのです。

       二度と封印が

       解かれないようにね。」


ゼビウス「な、なんだと……!?」


レガルディア「誰もいない海の底で、

       城と共に永遠の時を

       お過ごしください。

       では――さようなら。」


冷たい声を残し、レガルディアは王の間を去る。


ゼビウス「この裏切り者がァ!!

     貴様に……いや、

     貴様を含めた人間全員に!!

     いつか必ず復讐してやる!!!

     必ずなァァァ!!!」


――その叫びから10分後。


巨大な地震が起こり、

ムー帝国の城は地盤ごと海へ沈んだ。


城はそのまま、マリアナ海溝の深淵へと落ちていく。


◆深海の闇


ゼビウス(余が……親衛隊3人に

     出撃命令を下さなければ……

     こんなことにはならなかった……

     親衛隊さえ城に残っていれば、

     不意打ちなど見抜けた……

     なんたる痛恨……)


周囲は完全な闇。


動けない。


声も届かない。


一人だけの孤独。


ゼビウス(……これは……拷問に近いな……)


封印の外は永遠に沈む黒い海。


光は一切届かず、呼吸音だけが虚しく響く。


暗闇……後悔……孤独……憎悪……


暗闇……後悔……孤独……憎悪……


それが何千回、何万回と頭の中で反芻される。


ゼビウス(ダメだ……耐えられん!!

     出たい!!

     今すぐここから出たい!!!)


必死に内側から押し広げようとするが、球体はびくともしない。


ゼビウス(うおおおおおおおお!!!!!)


もがき続ける。


ただひたすらに。


――そして1年後。


ゼビウス(……僅かに……

     空間が広がっている……?)


封印の内部は、ゼビウスのオーラ圧力により

1年で半径5cmだけ広がっていた。


ゼビウス(1年で5cm……

     10年で50cm……

     気が遠くなる……

     だが――進んだ。

     “永遠”という牢獄に、

     確かな亀裂が入った。

     余は続けるぞ……!

     うおおおおおおおお!!)


100年が経ち――


1000年が経ち――


そして12000年後。


封印の球体は半径600mにまで拡張され、

城全体を覆う巨大な空間となっていた。


さらにゼビウスは、封印内部を光で照らし、侵入物を探知する術まで身につけていた。


照らされた光の中、城の入り口に立つゼビウス。


ゼビウス(……これで地獄からは脱出した。

     だが、この封印そのものを

     どう破るか……

     このまま拡張し続けるのは

     非現実的。

     となれば――“あの術”で

     過去をやり直すしかないが、

     それには莫大なエネルギーが

     必要だ……

     どう集める……?)


その時、光に誘われて一匹の深海魚が封印内へ入ってきた。


ゼビウス「魚……?

     こんな深海に珍しいな。

     余は食事を必要とせん。

     安心しろ、食ったりはせんぞ。」


だが、ふと閃く。


ゼビウス(……待て。魚も“生物”だ。

     ならば――あれが使える。

     試す価値はある。)


ゼビウスは魚を掴み、命じた。


ゼビウス「余の配下になれ!」

     胸のアビスオーブが光り、

     魚は半魚人へと変貌する。


半魚人「サハギンと申します。

    今後ともヨロシク。」


ゼビウスは歓喜した。


ゼビウス「はははは!!

     思った通りだ!!

     こいつを使えば人間を攫い、

     エネルギーを集められる!!

     人間共――覚悟しておけ!!」


ゼビウスの回想終了


◆現代・アビス拠点


ゼビウス「……作戦遂行中の

     四天貴将を全員、城に戻せ。」


アビス兵「は?」


ゼビウス「聞こえなかったか。

     全員だ。今すぐ戻せ!!」


アビス兵「は、はあ!!」


ゼビウスは王座に座り、片手で頭を押さえる。


ゼビウス(あの時のようにはいかせぬ……

     あれだけは……二度と……)


煽り:12000年の痛恨が導いた“全員召集”。

   ゼビウスの判断は吉と出るか、

   凶と出るか――

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