75話「葛藤」
ヒビキの放った無数の“漸”がアクトチームへ襲いかかる。
ヒヨリ「バ、バリア!!」
バリアに漸が次々と着弾。
ヒヨリ「ゴホッ!!」
衝撃でヒヨリが吐血する。
ヒヨリ(さっきより……遥かに強い……!
一発一発が……
なんて威力なの……!)
シノ「ヒヨリ、大丈夫か!?
おい、このままじゃ
ヒヨリが持たねえ!
全員で協力して、あいつを倒すぞ!!」
シノが動けるメンバーに呼びかける。
だが――
Dチームの脳裏に浮かぶのは、
ヒビキの笑顔、仲間としての思い出。
キリヤ「……ダメだ……
俺には……できない。」
イズナ「あたしも……」
マシロ「私も……」
シノ「ああ!? ふざけんなよ!!」
その瞬間――
巨大な騎士の両手がヒビキの体を掴んだ。
全員「!!!!」
吹き飛ばされていたダイキが、満身創痍で戻ってきていた。
ダイキ「ヒビキさん……お願いっス……
お願いですから……これ以上は……
これ以上はやめてください……!」
ヒビキ「――滅。」
無数の見えない刃が放たれ、
ダイキの両腕が細切れになる。
ダイキ「ぐあああああああ!!!!」
アクトメンバー全員「!!!!!!」
シノはキリヤの胸ぐらを掴み、顔を近づける。
シノ「おい、今の見たか?
あいつはもう
“仲間を攻撃する化け物”なんだよ。
いい加減、現実見ろ。」
キリヤを突き飛ばす。
シノ「もういい。お前らがやらねえなら、
あたしら西支部だけでやる。
行くぞ、レン、ナルミ。」
レン「仕方ありませんね。」
ナルミ「仲間割れは醜いからね。」
その時――
ヒビキの動きがピタリと止まる。
◆精神世界
人間の姿のヒビキが、
全身を闇に絡め取られたまま現実の映像を見せられている。
ヒビキ「やめろーー!!これ以上
みんなを傷つけるなーー!!」
クオン「やめろ……?
フフ……面白いことを言うな。
これは“お前が望んだ結果”だろう?
何をやめる必要がある?」
ヒビキ「違う!!
俺はこんなこと望んでない!!
ただ……みんなを守る力が
欲しかっただけだ!!」
クオン「代償も払わずに力だけ欲しい?
そんな都合のいい話があるか。
それに言ったはずだ。
“獣になる”と。」
クオンは冷たく笑う。
クオン「まあいい。いずれにせよ、
お前には何もできない。
仲間がやられる様を――
そこで見ていろ。」
ヒビキは必死に闇を振り払おうとする。
ヒビキ(くっ……俺が……
俺がなんとかしないと……!)
◆現実世界
シノ(ヒビキの動きが止まった……!?)
シノ「今だ! やるぞ、お前ら!!
装ッ! 大鎌!!」
レン「レベル3、
空想少年!
なりきり――戦士!」
ナルミ「レベル3、芸術家!
彫刻牢!!」
ナルミの彫刻牢がヒビキを包み込み、
顔だけ出した状態で完全拘束する。
シノとレンが一斉に襲いかかる。
――その時。
戦闘をサボってコンビニに行っていたユウが戻ってきた。
ユウ「いやー、ごめんごめん。
廃墟だらけでさー、
コンビニ行くのに時間かかっちゃった!
……って、えええええ!!?」
一瞬で状況を理解するユウ。
ユウ(ちょっと目を離した間に
ヒビキ君がアビス化して
仲間同士で戦ってる……
これって……俺が能力使うべき
ピンチなのかな……?)
ユウ「うーん……」
腕組みして考え――
パッと手を叩く。
ユウ「レガトゥスさんに電話して聞こ!」
レガトゥスに電話。
ユウ「……とかくかくしかじか、
こういう状況なんですよ。
これって俺が能力使うべき
ピンチですかね?」
レガトゥス「そうだね。
私がなんとかしようか。
5分後に君の能力で
ヒビキ君を西支部の
トレーニングルームへ
飛ばしてくれ。」
ユウ「5分後ですね、りょーかい!」
レガトゥスが移動を開始。
タク「どちらへ?」
レガトゥス「トレーニングルームだよ。
久々にちょっと運動してくる。」
◆5分後
シノ・レン・ナルミと交戦していたヒビキが――
突然、消えた。
シノ・レン・ナルミ「!!!!」
シノ(ヒビキが消えた!? 一体どこへ……)
◆西支部・トレーニングルーム
ヒビキが転移してくる。
そこには――
レガトゥスが静かに待っていた。
レガトゥス「やあ、ヒビキ君。
約束を破ってしまったのかい?
悲しいね。」
煽り:アビス化したヒビキと
対峙するレガトゥス。
彼を元に戻す術はあるのか――!?




