71話「撒き餌」
アイゼルを倒した後、テツとヒビキはアクトメンバー全員の氷を溶かした。
幸い、全員無事。ダイキも鎧のおかげで無傷だった。
その後、アクトメンバーはダイキと協力し巨大アビスを撃破。
内部に捕らわれていた人々も全員救出した。
ダイキ「ふー、ようやく吸い込まれた人を
救助できたっスね。」
キリヤ「ああ。お前のおかげだよ。
さて、アビスもいなくなったし、
あとは拠点に戻るだけだな。」
戦いが終わり、アクトチームに安堵が広がる。
砂埃が舞い、砂煙が静かに消えていく。
ほんの束の間、戦場に静寂が訪れた。
――しかし。
ゾクッ。
アクトメンバー全員に、説明のつかない寒気が走る。
トウヤ「な、なんだ……この気配は……
眼鏡分析!」
左レンズが緑色に光り、空間解析が始まる。
次の瞬間――
解析画面が“上方向”を示した瞬間、
レンズが破損した。
トウヤ「なにかいる……!?
上かっ!」
アクトメンバー全員が空を仰ぐ。
――そこに“いた”。
空中に浮かび、腕を組んだまま微動だにしない男。
ヒビキ「なんだ、あいつは……?」
男はゆっくりと口を開く。
グラビ「俺は四天貴将の一人、グラビ。
アイゼルを倒すとはやるではないか、
ハンターの残党共。
俺の撒き餌に食いついた褒美だ。
死をくれてやろう。」
グラビは手をかざす。
グラビ「ふん。」
アクトメンバー全員「!!!!」
次の瞬間――
上空から“見えない圧力”が叩きつけられ、
全員が地面に押しつぶされた。
テツ(な、なんやこれは!)
キリヤ「か、体が動かない……!」
トウヤ(くっ……
四都市に現れたアビスの大群……
そして今の奴の言葉……
この戦いは、最初から四天貴将が
俺たちをおびき寄せるための
“撒き餌”だったか!)
エリカ「な、何の能力なのこれ……!」
エリカは震える手でオラクルフォンを取り出す。
エリカ「天啓! あいつの能力を教えて!」
グラビ(携帯……?)
グラビ「小賢しいことをするな。」
左手を軽く振る。
その動作だけで、エリカの横から凄まじい圧力が発生し――
エリカとオラクルフォンは吹き飛ばされた。
ダイキ「エリカさん!
うおおお!!!!」
ダイキは巨大な騎士へ変身し、グラビへ殴りかかる。
グラビ「ほう、動けるやつがいるとは
驚いたな。
だが、動けたところで無駄だ。」
バキィッ!!
ダイキの腕が上からの圧力で地面に叩きつけられ、肩が外れる。
ダイキ「ぐああああ!!!」
イズナ「ダイキ君!」
イズナとマシロが援護に入る。
イズナ「ディストラクションショット!」
マシロ「エンジェルフェザー!」
しかし――
どちらの攻撃も、見えない圧力に押し潰され、地面へ沈んだ。
マシロ「攻撃が……沈んだ……!?」
イズナ「い、一体なんなのこの力……!?」
◆エリカの絶望
吹き飛ばされたエリカは、ほふく前進でオラクルフォンへ向かう。
エリカ(あたしが頑張らなきゃ……!
みんなに敵の能力を
伝えなきゃ……!)
ようやくオラクルフォンに手が届く。
画面を覗き込んだ瞬間――
エリカの顔が青ざめ、手が震えた。
エリカ「う、嘘でしょ……
こ、こんなのどうやって……」
オラクルフォンの画面には、こう表示されていた。
「重力を自在に操る能力。危険度SS。」
煽り:天が告げる絶望の能力――!




