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残響の世界  作者: maro
70/106

70話「家族」

アイゼル「さあ、本物の雪まつりを

     始めましょうか!

     どなたから氷像にしましょうかね。

     お、あなた良さそうですね!」


アイゼルがマシロを指差した瞬間――

マシロは完全に氷像となった。


アイゼル「はい、いっちょあがり!

     作品名は“天使の氷像”とでも

     名付けましょうかね。

     次はそこの

     ぼっちゃんにしますか。」


レン(最悪だ……

   さっきMPを使い切らなければ……)


レンもまた、瞬時に氷像となった。


アイゼルは次々とアクトメンバーを氷像へ変えていく。


ヒビキ(今回はゴウさんがいない……

    爆破で氷結を

    突破することはできない……

    でも考えるんだ!

    ここで負けたらミオを助けられない!

    最後の一瞬まで諦めるな!)


そして残ったのは、テツとヒビキの二人だけ。


アイゼル「さて、残すはあと二人。

     どちらを

     氷像にしましょうかねぇ。」


テツは俯いたまま、低くつぶやく。


テツ「……やるんなら、ワイからやれ。

   これ以上仲間が

   氷像になるところは見とうない。」


ヒビキ(テツさん……)


ヒビキがテツを見ると、59話の会話の記憶がよみがえる。


◆ヒビキの回想


シオリ『お父さんとお母さんが

    アビスに攫われてから……

    兄はずっと、男手ひとつで

    私達を守ってくれてます。

    でも……いつか帰ってこない日が

    来るんじゃないかって……

    怖くて怖くて……』


シオリ『こんなこと言うのも

    おこがましいですが……

    お兄ちゃんのこと、

    よろしくお願いします!』


回想が終わり、ヒビキは叫んだ。


ヒビキ「諦めるなあああああ!!!!!!」


テツ・アイゼル「!!!???」


ヒビキ「テツさんが死んだら

    家族はどうなる!!

    家で待ってるシオリさんは!!

    小さい兄弟たちはどうなる!!!

    最後まで諦めるなあああ!!!!」


その言葉がテツの胸に突き刺さる。


光の中で笑う家族の姿がフラッシュバックする。


テツ(そ、そうや……

   ワイには家で待っとる家族がおる……

   あいつらのために、絶対に……!

   絶対に死なれへん……!

   生きて……生きて家に帰るんや!)


アイゼルは呆れたように鼻で笑う。


アイゼル「急に大声で叫び出したかと思えば、

     何を言っているのです。

     家族などくだらない。

     まずはお前から――」


ヒビキへ手を向けた、その瞬間。


とん。


アイゼルの肩に、誰かの手が置かれた。


??「おい……」


低く、凄みのある声。


アイゼルが振り返ると――

そこには 全身の氷をテンションの熱で溶かしきったテツ が立っていた。


鬼のような形相。


テツ「家族、馬鹿にすんな。」


ズギャァァ!!


テツの鉄拳がアイゼルの顔面に直撃。


アイゼルはビルを貫通し、1kmほど吹っ飛ぶ。


アイゼル「が、がはああ!!」


殴られた顔の半分が溶け落ちる。


すぐに再生しながら、怒り狂うアイゼル。


アイゼル「よ、よくも私の顔を……!!

     き、貴様……許さんぞ……!!!

     死ねええええ!!!!」


アイゼルは巨大な氷塊となり、テツへ突進。


◆テツとヒビキ


テツは熱でヒビキの氷だけを溶かし、膝をつく。


テツ「くっ……今のでちょっと

   テンション使い過ぎたわ……」


ヒビキ「テツさん……」


ヒビキはひらめく。


ヒビキ(俺の進化能力で能力進化が

    できるなら……テツさんも!)


ヒビキはテツの肩に手を置く。


ヒビキ「能力進化――

    気分屋ムーディー!」


瞬間、テツの体に凄まじいテンションが流れ込む。


テツ(これが……ヒビキの能力か!

   すごい……テンションがみなぎる!

   これなら……!)


巨大氷塊となったアイゼルが迫る。


アイゼル「死ねええええ!!!!」


テツは拳を突き出す。


テツ「マグマ鉄拳!!」


ドゴォォォォォン!!!


テツの拳から、巨大な“マグマの拳”が発射される。


アイゼル「な……!! マグマだと!!!?」


マグマの拳がアイゼルを飲み込み――


アイゼル「うぎゃあああああ!!!!」


アイゼルは完全に消滅した。


テツは静かに呟く。


テツ「ヒビキ……大事なこと、思い出せたわ。

   ありがとな。」


ヒビキは笑顔でうなずいた。


煽り:アイゼルを突破したアクトチーム。

   このまま札幌を救えるのか――!?

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