62話「選別」
ゼビウスの選別部屋
ゼビウスは肘掛けに腕を預け、頬に拳を軽く当てながら椅子に座り、
手下のアビスが人間を連れてくるのを静かに待っていた。
しばらくすると、通路の暗闇から手下のアビスが一人の男を引きずってくる。
手下のアビス「ゼビウス様、
人間を攫ってきました。」
ゼビウス「うむ。最近はハンターも
強くなってきているからな
チェックは厳しくするぞ。」
攫われた男「ひ、ひい!お願いだ!
助けてくれ!」
暗闇と兜に隠れたゼビウスの目が、怪しく光る。
ゼビウス「能力透視」
ゼビウスの視界に文字が浮かぶ。
名前:タツオ
アビスエネルギー:5
能力:なし
ゼビウス「アビスエネルギー5。
無能のゴミか。
レアリティFだな。
――吸収。」
ゼビウスの胸の大きなアビスオーブが妖しく輝く。
攫われた男「わあああああああ!!!!」
男の体は光に包まれ、そのままオーブへ吸い込まれていった。
ゼビウス「次。」
次に、暗闇から別の手下が一人の女を連れてくる。
攫われた女「離して!お願い!
家で弟が待ってるの!」
再びゼビウスの目が光る。
ゼビウス「能力透視」
視界に文字が浮かぶ。
名前:エンコ
アビスエネルギー:9000
能力:あり
能力名:炎
ガバッ!
椅子に腰かけていたゼビウスが跳ね起きる。
ゼビウス「アビスエネルギー9000!
レアリティCのアタリだ!!
我が配下に加える!!」
胸のオーブが再び光り、女へ向けて光線を放つ。
攫われた女「きゃああああ!!!!」
光を浴びた女の姿がみるみる変わり、炎の精霊のような姿へと変貌する。
胸にはアビスオーブが埋め込まれていた。
変貌した女「フレイムスピリットと申します。
今後ともヨロシク……。」
ゼビウス「うむ。」
そこへ四天貴将のオルフェが現れる。
オルフェ「選別お疲れ様です。
少し休まれては?」
ゼビウス「いや、いい。
さきほど“人間ガチャ”で
Cを引き当てた。
今日は気分がいい。
この調子で続ける。」
オルフェ(ガ、ガチャ?
ゼビウス様、
一体どこでそんな俗な言葉を……)
オルフェ「さ、さようですか。
あまり無理をなさらずに。」
ゼビウス「しかし、ノクティアほどの
大当たりはまったく見かけんな。
あれはSSRの超大当たりレア。
遭遇した時は
狂喜乱舞ものであったが……」
オルフェ「…………。」
(だから一体どこで覚えたんですか!!!)
ゼビウス「それに、当たりを
引けなかったとしても
始末しなければ
ならぬ連中もいるからな……」
オルフェ「始末しなければいけない
連中……?」
ゼビウス「進化、武神、守護神、創造射手、
天使の能力を持つ者たちだ。
そいつらは1万2000年前、
余を封印しムー大陸を沈めた
人間達の末裔。
決して生かしてはおけぬ。
発見次第、必ず始末せよ。」
オルフェ「かしこまりました。」
ゼビウス「それで、お前はなぜここに来た?」
オルフェ「はい。次の作戦に必要となるものを
お借りしたく、馳せ参じました。」
ゼビウス「次の作戦で必要なもの……?」
場面は変わって、西アクトの寮
深夜。アクトメンバー全員が眠りについている。
ビー!ビー!
廊下に設置された警報が突然けたたましく鳴り響いた。
煽り:突然発動した敵出現アラーム。
次なる敵は一体……!?




