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残響の世界  作者: maro
55/106

55話「決意」

全員「元四天貴将!?」


ヒビキ「アビスの元幹部が……

    なぜ敵対組織であるアクトを

    創設したんですか?」


アサギリ「元々、彼は科学者だった。

     それがアビスに捕らえられ、

     “幹部”として改造されたらしい。

     記憶は断片的だが……

     多くの人間を攫ったことだけは

     覚えていたそうだ。

     その罪を償うために

     アクトを創設した。

     アビスと戦うスーツが作れたのも、

     彼がアビスオーブを集め、

     開発してくれたおかげだ。」


キリヤ「アクトの創設に……

    そんな秘話があったなんて。」


トウヤ「だが、疑問には思っていた。

    アビスは通常兵器では倒せない。

    倒すにはアビスオーブが必要。

    ならば、スーツもオーブも無い

    最初期に……

    誰がアビスを倒していたのかと。

    まさか、敵幹部だった人間が

    倒していたとは……」


ヒビキ「でも……どうして

    人間側についたんでしょう?

    今まで人間を攫っていたのに。」


アサギリ「彼は“洗脳状態”だったらしい。

     だが、何かのきっかけで

     一瞬だけ洗脳が解けた時、

     彼自身のアビス能力で

     洗脳を無効化した。

     そして――人間側についた。」


エリカ「なるほどね〜。」


アサギリ「だが、その経緯ゆえに……

     彼は国の上層部から

     信用されていない。

     “また敵になるかもしれない”

     からね。だから今も、結界で

     外出を封じられた西支部にいる。

     しかし――

     アビス本拠地へ行ける潜水艦を

     作れるのはもう彼しかいない。

     西支部へのアビスオーブの運搬、

     くれぐれも頼んだよ。」


ヒビキ「わかりました!」


キリヤは、部屋の後ろでうつむくマシロとダイキに気づく。


――出発前の夜。


アクト関係者施設。

Dチームが一室に集まっていた。


キリヤ「マシロ、ダイキ。デスパレス以来

    ずっと塞ぎ込んでいるが……

    大丈夫か?」


マシロ「……大丈夫じゃありません。」


ダイキ「俺達……

    助けようとしていた肉親を……

    自分の手で

    殺めてしまったんですよ!

    大丈夫なわけないッスよ!

    アビスの正体は人間。

    今後また戦うかもしれない。

    また同じことを

    してしまうかもしれない。

    それなのに……

    みんな戦えるんですか?

    戦えるわけないッスよ!」


ヒビキ、キリヤ、イズナ「…………」


重い沈黙が落ちる。


その中で、イズナが静かに口を開いた。


イズナ「私は戦う。

    死んでいった恋人のために。

    これ以上、犠牲者を出さないために。

    たとえ……その結果、

    新たな犠牲が出ても……私は戦う。」


キリヤ「……俺もだ。

    ここで戦いをやめたら……

    死んでいった親友に顔向けできない。

    この戦いを終わらせるために……

    俺も戦う。」


マシロ「……ヒビキ君はどうなの?

    攫われた恋人さんと

    戦うことになるかもしれない。

    いえ…… もう死んでしまって

    いるかもしれない。

    それでも……戦えるの?」


ヒビキ「……実は俺も、ずっと同じことを

    考えていました。

    ミオと戦うかもしれない。

    もう死んでいるかもしれない。

    でも……同時に今まで

    亡くなっていった人達のことも

    考えたんです。」


マシロ「亡くなっていった人……?」


ヒビキ「カマルさん、ゴウさん、ジョウさん、

    シンさん、シグマさん……

    今まで数えきれないほどの人が

    死んでいきました。

    今ここで戦いをやめたら……

    その人達の死が全部、無駄になると

    思ったんです。」


マシロ、ダイキ「………。」


ヒビキ「シグマさんからは

    遺志も託されました。

    これはもう、

    俺一人の戦いじゃなくなった。

    たとえミオと戦うことになっても……

    俺は戦います。

    そこに悲劇が待っていたとしても――

    前を向いて戦います。」


ダイキ「…………」


マシロ「……ちょっと席外すね。」


マシロは部屋を出て、遺体安置所へ向かった。

並べられた多くの遺体を見つめる。


マシロ(こんなに……多くの犠牲者が……)


マシロ「……決めた。私も戦う。

    こんな戦い……早く終わらせる!」


煽り:戦う覚悟を固めたDチーム。

   その決意は、もう揺るがない――。

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