53話「遺言」
ヒビキ達を乗せた潜水艦が、アクト本拠地へ到着した。
そこは――
壁はひび割れ、天井には大穴が空き、
建物全体が今にも崩れ落ちそうなほどの壊滅状態だった。
ヒビキ「シグマさん!!」
司令官室を探すが、シグマの姿はない。
Dチームは急いで本拠地の奥へ進み、
普段は立ち入り禁止の“最深部”へと辿り着いた。
そこで――ようやくシグマを見つけた。
シグマは腹に大穴を開け、血まみれのまま壁にもたれかかっていた。
その周囲には、Sチーム全員の亡骸が横たわっている。
ヒビキ「シグマさん!!」
ヒビキが駆け寄ると、シグマはかすかに目を開けた。
シグマ「ヒ……ヒビキ君か……
四天貴将が……
本拠地に攻めて来た……
我々幹部は応戦したが……
敗北した……」
ヒビキ「しゃべらないでください!」
シグマ「ヒビキ君……あとは……
君達だけが……希望だ……
私が死んだら……
参謀のアサギリに会え……
これからすべきことは……
彼が教えてくれる……」
ヒビキ「シグマさん!!」
シグマ「最後に……四天貴将の一人に……
気をつけろ……
奴の能力は……ま……き……
…………」
そのまま、シグマの身体から力が抜けた。
ヒビキ「シグマさぁぁぁぁん!!!!」
ヒビキはシグマの亡骸を抱きしめ、声を張り上げた。
――場面は変わり、アビス本拠地。
倒されたはずの四天貴将――
グラビ、マグナ、オルフェ、そしてノクティアが歩いていた。
グラビ「やばい連中だったが……
なんとか勝てたな。」
マグナ「ああ。すべては
ノクティアの能力のおかげだ。
彼女がいなければ、
我々は全滅していた。」
オルフェ「しかし、ハンター共は倒し、
アビスオーブも回収しましたが……
裏切り者のレガトゥスは
見つかりませんでしたね。」
マグナ「本拠地を隅々まで探したが……
奴はいなかった。
奴め、一体どこにいる……?」
――場面はアサギリの執務室。
電話が鳴る。
アサギリ「はい、アサギリです。
……え、シグマさんが……?
……わかりました。
君達に会いましょう。
……場所は――そこで。」
電話を切ったアサギリは、棚の写真立てに目を向ける。
そこには、シグマとアサギリが肩を並べて笑っている一枚のツーショット写真が飾られていた。
アサギリ「シグマさん……
遺言通り、彼らに
アクトの真実を話しますね。」
煽り:アサギリが語るアクトの真実とは――




