44話「天使」
目を潰されたヴェリシアは、怒りに震えながら笑った。
ヴェリシア「よくも……よくも
私の目を潰してくれたわね。
幻想世界の悪夢じゃ、
生ぬるかったみたいね。
なら――現実世界の“悪夢”を
見せてあげる。」
キリヤ「現実世界の悪夢……だと?」
ヴェリシアの身体が歪み、サキュバスの姿から
蛇髪を持つメドゥーサのような怪物へと変貌する。
キリヤチーム全員「!!!!」
ヴェリシア「――蛇包囲!」
壁の無数の穴から、黒い蛇が洪水のように溢れ出した。
四方八方から迫る蛇に対し、
キリヤチームは円陣を組んで迎撃する。
しかし――
ユウタの足に一匹が噛みついた。
ユウタ「痛っ……!」
ぞくっ。
次の瞬間、ユウタの全身が痙攣し、
そのまま崩れ落ちた。
キリヤチーム全員「!!!!」
ヴェリシア「あっはっはっ!
この蛇は“致死毒”持ちよ。
一度でも噛まれれば即死。
しかも倒しても倒しても――
この部屋の効果で
無限に湧いてくる!」
マシロ「そ、そんな……
一度噛まれたら死ぬなんて……」
マコト「無限に湧くなら……
召喚主のお前を倒すしかねぇ!」
マコトがサーベルを構え、ヴェリシアへ突撃する。
だが――
ヴェリシアの潰れた目から、光線が放たれた。
マコト「――っ!」
光線を浴びたマコトは、一瞬で石像へと変わった。
キリヤチーム全員「!!!!」
ヴェリシア「言い忘れてたけど……
私も黙って
見てるつもりはないわ。
石化光線、
どんどん撃つから覚悟してね?」
キリヤ(まずい……!
致死毒の蛇に、無限湧き……
さらに石化光線まで撃ってくる……
これじゃヴェリシアに
近づくことすら……!)
キリヤ「回天!」
エリカ「ネイルクロー・赤の爪!炎舞!」
マシロ「アローレイン!」
三人は範囲攻撃で蛇を必死に撃退するが、
数が多すぎて追いつかない。
円陣はどんどん狭まり、
ついに半径3mほどにまで縮んだ。
ヴェリシア「あははは!
追い詰められてるわねぇ!
その狭さで、
私の光線を避けられるかしら?」
石化光線が放たれ――
エリカに命中した。
エリカ「げっ……やばっ――」
そのまま石像へ。
陣形が崩れ、蛇が一斉に襲いかかる。
キリヤとマシロは思わず目をつぶった。
キリヤ「くそ……ここまでか……!」
マシロ「――いや!助けて、ユイナ!!」
マシロがアビスオーブに触れた瞬間、
精神世界へ飛ばされた。
◆精神世界
ユイナ「全部見てたわよ。
絶体絶命って感じね。
それで……なんでここに来たの?」
マシロ「あなたの力を借りに来たの。
みんなを救うために。」
ユイナ「みんなを救う?
ははっ、無理よ。
今の状況、見たでしょ?
覆せるわけない。」
マシロ「覆せる。
私が昔読んだ“聖書”に書いてあった
生物になれれば。」
ユイナはニヤリと笑う。
ユイナ「ふふ……ようやく気づいたのね。
あなたの能力に。
そう――あなたの能力は……」
◆現実世界
無数の蛇がキリヤとマシロに飛びかかる。
その瞬間――
マシロ「スーツレベル3――天使!」
マシロのスーツが光に包まれ、
純白の衣装と光輪、そして背中に巨大な光の翼が現れる。
光の翼が広がり、
そこから無数の光の粒子が放射された。
蛇の群れは触れた瞬間に浄化され、
一気に殲滅される。
キリヤ、ヴェリシア「!!!!!!」
空中に浮かぶマシロは、
まるで本物の天使のように輝いていた。
キリヤ「……あ、あれは……天使……?」
煽り:天使となったマシロ。
奇跡で戦況を覆せるのか!?




