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残響の世界  作者: maro
42/106

42話「命爆」

巨大化したバルザムを殴り飛ばしたダイキは、

そのまま巨大な盾を全面に押し出し、

バルザムを壁へと押しつけた。


バルザム「がはっ……!こ、この小僧……

     壁に押しつけおって……

     動けぬ!」


ダイキ「トウヤさん、今のうちっス!

    こいつに勝てる作戦を

    考えてください!

    それまで俺が食い止めるっス!」


トウヤ「わ、わかった!」


バルザム「おのれぇ……!その盾ごと

     吹き飛ばしてくれるわ!」


腹の口からビームが放たれる。


しかし、ダイキの巨大な盾はほとんど溶けない。


トウヤはその光景を見て、ある言葉を思い出す。


バルザム『クックック……この部屋は

     “お前らを殺すため”に

     作られた部屋。

     ここにいる限り、

     俺は――無限に再生する。』


トウヤ(……その全容、暴いてやる!)


トウヤ「眼鏡分析グラスアナライズ!」


左レンズが緑色に輝き、部屋全体の構造を解析し始める。


トウヤ(……!!

    天井から“見えない光線”が

    降り注いでいる……

    これが奴の再生源……!

    そして頭の口と

    腹の口を使った呼吸法……

    この情報があれば――)


トウヤ「みんな、集まってくれ!」


ゴウとイズナが駆け寄る。


トウヤは二人に作戦を説明した。


トウヤ「どうだ、二人とも……できるか?」


イズナ「うん。さっき1/3は壊せたし……

    デストロイショットなら、

    もう一度いける……!」


トウヤ「ゴウさんは……?」


ゴウ「…………」


沈黙。


トウヤ「ゴウさん?」


ゴウ「……ああ、悪ぃ悪ぃ。

   もう、それしかねぇって感じだな。

   乗ったぜ、その作戦!」


トウヤ「よし……問題は、

    どうやってダイキ君に

    作戦を伝えるかだが……」


イズナ「それなら私に考えがあるわ。」


イズナは再びランチャーを構える。


イズナ「ダイキ! トウヤさんの作戦よ!

    受け取って!

    メッセンジャーショット!」


発射された弾がダイキの足に命中し、

作戦内容が一瞬で脳内に流れ込む。


ダイキ「わかりました!

    俺が盾を引いたら、

    作戦を開始してくださいっス!」


ダイキは盾を引き、バルザムを解放する。


バルザム「!?

     急に……なんだ……!」


ボガァン!!


イズナのデストロイショットが直撃し、

バルザムの顔が吹き飛ぶ。


顔を失ったため、ビームは止まり、

腹の口で喋り始める。


バルザム「ぐああああ!!

     だが、こんなもの……

     無限の再生力があれば――」


しかし、再生が遅い。


バルザム(……な、なんだ……?

     顔の再生が……遅い……!?)


原因はダイキだった。


ダイキはバルザムの上に盾をかざし、

天井からの再生光線を遮断していた。


頭の無いバルザムは呼吸ができず、代わりに腹の口で荒く息をする。


バルザム「はぁ……はぁ……!」


トウヤはゴウを抱え、叫ぶ。


トウヤ「行くぞ、ゴウさん!!」


ゴウ「おう!!」


トウヤはジェット噴射でバルザムの腹の口へ飛び込み、ゴウをその中へ放り込んだ。


バルザム「むがっ!?

     な、何を入れた……貴様ら……!」


体内からゴウの声が響く。


ゴウ「お前は“外側”から

   浴びた光線で再生してる。

   なら――それを遮って、

   “内側”から木っ端みじんにしたら

   どうなるかな?」


バルザム「!!!!!

     ま、まさか……お前……!」


ゴウ「ああ、そのまさかだ。」


ゴウ(……ただし、

   その規模の爆発を起こすには……

   俺の命を

   燃料にする必要があるがな……)


ゴウ(きっと、この代償を言ったら……

   みんな止めただろ?……

   だから……どうしても

   言えなくてな……)


ゴウ「――さよならも言わずに逝く俺を……

   許してくれよ。

   命爆めいばく!!!!」


ボガァァァァァァン!!!!


バルザムの巨体が、内側から完全に破裂した。


肉片が散り、壁が揺れ、広間は静寂に包まれる。


イズナは上空を見上げる。


しかし――

どこにもゴウの姿はない。


イズナ「……あれ……?ゴウさん……?」


煽り:バルザムと共に散ったゴウ。

   その別れは無言のままに――

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