37話「試練」
◆凍りついた都市・ビルの屋上
シンは火炎放射器を肩に担ぎ、
下で戦うヒビキたちを無言で見下ろしていた。
シン「…………
今回は僕の出番は無し、か。」
火炎放射器を軽く持ち上げ、
そのまま背を向けて立ち去る。
◆別の場所・建物の影
壁に張り付くようにして、
“カメラの頭部”を持つアビスがヒビキたちの戦いを録画している。
そこへネイロスのテレパシーが飛ぶ。
ネイロス(キシシシシ……
今の戦い、記録したか?)
カメラアビス(はい、ネイロス様。
しかと記録いたしました。)
ネイロス(キシシシシ……ご苦労。
では、また別の刺客を送ろう。
次の戦いも――
余さず記録するのだ。)
カメラアビス(はい、ネイロス様。)
◆2日後・Dチームトレーニングルーム
Dチーム全員が目を閉じ、座禅を組んでいる。
その様子をゴウが腕組みしながら壁にもたれて見守っていた。
そこへアカリが入ってくる。
アカリ「おっすー!……って、あれ?
みんな何してんの?」
ゴウ「この間のフェイクアビス戦で
力不足を痛感したらしい。
全員レベル3になるために
精神世界の修行中よ。」
アカリ「ふーん。みんな努力家じゃん。
デスパレス出現までに
間に合うかしら?」
ゴウ「さあな。精神世界は
“自分の能力を想像して戦う場所”だ。
自分の持ち味に気づけなきゃ――
いつまで経っても
レベル2のままだろう。」
◆ヒビキの精神世界
そこは白い空間。
クオンが“ミオの姿”で立っている。
ヒビキ「ハァ……ハァ……」
クオン(ミオの姿)「もうおしまいですか?」
ヒビキ(くそっ……!
わざわざミオの姿になりやがって……
俺に精神的ダメージを
与えるつもりか……!?)
クオン「私はあなたを映す鏡。
この姿は――
あなたが囚われているものを
反映しています。
さあ、試練の続きです。
あなたの能力……
“本当の武器”は何です?」
ヒビキ「俺の能力は……
武器に属性を宿すことだ!」
ヒビキは雷を帯びた剣を召喚し、
クオンへ斬りかかる。
しかし――
クオンは残像となり、背後へ回り込む。
クオン「違います。
それはあなたの能力ではありません。
今までの戦いを思い出してください。
あなたの持ち味は何だったのか。
あなたの“武器”は――何です?」
ヒビキ「俺の……武器……?
俺の武器って……
一体……なんだ……?」
煽り:迷えるヒビキ。決戦の日までに
レベル3へ到達できるのか――!?




