104話「残響の世界」(完)
ヒビキの家の一室。
テレビからは淡々とニュースが流れていた。
テレビのアナウンサー
「では、次のニュースをお伝えします。
警察庁によりますと去年の失踪者は
10人と一昨年とほぼ横ばいで…」
ヒビキ「やっべー、やっべー!
また遅刻しちゃうよー!」
慌ててカバンを掴み、家を飛び出す。
◆待ち合わせ場所
ヒビキが駆けつけると、
キリヤ、ダイキ、イズナ、マシロが既に待っていた。
キリヤ「おせーぞ。10分遅刻だ。」
ダイキ「今日は大学サークルのみんなで
海水浴に行くって
言ったじゃないっスか!」
ヒビキ「ごめんごめん、寝坊しちゃってさ。」
イズナ「ま、私はやると思ったけどね。」
マシロ「こうゆうことも考えて
待ち合わせ時間、
少し早めにしときましたから
大丈夫ですよ。
それじゃ行きましょう。」
四人と一緒に歩き出すヒビキ。
◆移動中
ダイキ「でも、不思議っすね。」
キリヤ「何がだ?」
ダイキ「ここにいるみんなは
今年のサークルで
初めて顔合わせした面々ですけど、
なんだかなつかしい気がするっす!」
イズナ「あ、それ私も同じー。
なんだか前から知ってるような気が
してたんだよね。」
マシロ「…実は私も、
知り合ったばかりなのに
不思議ですね。」
一同はバス停に到着する。
マシロ「さて、海行きのバス停にも
着いたことですし、
ここでバスを待ちましょうか。」
ヒビキ「ああ。」
◆横断歩道
ふと視線を向けた先――
横断歩道を渡ろうとしている少女が、
車に気づかず飛び出していた。
ヒビキは反射的に走り出し、少女を抱えて引き寄せる。
ヒビキ「大丈夫か!ミオ!」
その少女はミオだった。
ミオ「え…ありがとうございます。
…でも、私の名前なぜ知っているの?」
ヒビキ「え、あ…
(なぜ俺はこの子の名前を
口にしたんだ。)」
ミオ「あの、どこかでお会いしたこと
ありましたっけ?」
ヒビキ「いえ…」
ミオ「ですよね。初対面ですよね。
…でも。
でも、助けてくださって
助けてくださって
本当にありがとうございました。」
ヒビキ「!!」
ミオは深く頭を下げ、笑顔で去っていった。
◆バスの到着
ちょうどその時、海行きのバスが停まる。
その車内には――
前の世界線で死んでいった仲間たちが、
全員乗っていた。
イズナ「おーい、バス来たよー。
もう行くよ~?」
窓から仲間たちがヒビキを見つめる。
イズナがヒビキの顔を覗き込む。
イズナ「!!!
ど、どうしたのあんた?」
ヒビキの頬を、涙が伝っていた。
ヒビキ「…わからない。
でも、なぜだか…
なぜだか涙が止まらないんだ。」
煽り:僕らはきっと出会うだろう、
残響の世界で
《残響の世界 完》
この作品を最後まで読んでいただきありがとうございます。
ここまで胃もたれしそうな戦いばかりで
日常回はほぼありませんでした。
それはこれらがすべてメインストーリーだったからです。
なので、完結はしましたが、余力がある時にでも
キャラの掘り下げ、サブストーリーを追加して行きたいと思います。
興味のあるかたは是非サブストーリーの方も読んでみてください。




