101話「友」
ヒビキのスーツが変質し、フェンリルのような獣の形状へと変貌した。
その瞳には、もはや理性の光はない。
ヒビキ「グルルルル…」
獣のような咆哮とともに、ヒビキはゼビウスへ飛びかかった。
次の瞬間――
ズバァッ!!
ゼビウスの片腕が吹き飛んだ。
ゼビウス「なっ!この余の片腕を
吹き飛ばしただと!?」
ゼビウスはすぐに片腕を再生させるが、
ヒビキはすでに次の攻撃へ移っていた。
ゼビウスはギリギリでその突進を回避する。
ヒビキは獣のように低く唸り、ゼビウスを睨みつけた。
ヒビキ「グルルルル…」
ゼビウス(完全に余に対する
殺意のみで動いている。
そうか、わかったぞ。こいつ――
己の自我を代償に
アビスオーブとのシンクロを
禁忌のレベルまで
引き上げたのか。
余を倒せる強さに
到達するために…!
だが、私には未来視がある。
この力を使えば…)
ヒビキ「漸」
その一言とともに、無数の“斬”が高速でゼビウスを切り刻んだ。
ゼビウス「おおおお!!!!」
ゼビウス(こ、この速さ!
確かに未来視で未来の映像を
見ることはできる!
できるが――
“速すぎて目で追えない”!!)
さらにヒビキの一撃がゼビウスの足を吹き飛ばす。
ゼビウス「ぐはっ!」
すぐに再生するが、ゼビウスは焦りを隠せない。
ゼビウス(やられた部分の再生は可能。
だが、それにも限界がある。
…ならば!)
ゼビウスの身体が分裂し、複数の分身が生まれる。
ゼビウス「どうだ、分身してやったぞ。
自我の無い状態であれば
本物を見極めることもできまい!」
分身たちが一斉にヒビキへ襲いかかり、ヒビキはダメージを受ける。
ヒビキ「グウウウ…」
ヒビキ「滅」
その瞬間、ヒビキの周囲全方位へ“斬”が放たれた。
ゼビウス「全方位攻撃だと!?
余はを含めて
分身すべてを倒す気か!
その前にお前を倒す!」
ヒビキとゼビウスの攻撃が激突し、
爆発的な衝撃が部屋を揺らす。
結果――
ゼビウスはボロボロになり、
ヒビキも変身が解除され、その場に倒れ込んだ。
ゼビウス「ぐふっ、かなりダメージは
受けてしまったが、
余のほうが一枚
上手だったようだな。
もう体を動かす力も残っていまい。
これで死ね!」
倒れたヒビキへ向けて、ゼビウスが光線を放つ。
ヒビキ「終ですら倒せないなんて…。
…ダメだ。体がもう動かない。
ここまでか。」
その瞬間――
ダイキがヒビキを抱え、光線をギリギリで回避した。
ダイキ「大丈夫っすか!」
気づけば、ダイキだけでなくDチーム全員がヒビキの周囲に集まっていた。
ヒビキ「みんな、どうして戻って来たんだ。」
イズナ「何言ってんの。アビスゴーグルで
あんたのエネルギーが
弱くなったのがわかったから
助けに来たんじゃない。」
キリヤ「お前だけにいいかっこさせるかよ!
さあ、ここからが本番だ。
みんな行くぞ!」
煽り:戻って来たアクトメンバー。
ヒビキを助けることができるか――!




