10話「3000」
ヒビキ「か、刀が伸びた!」
キリヤ「戻れ!」
キリヤの刀が元の長さに戻る。
キリヤ「それぞれの武器は、練度が上がると
その個性に応じた
“技”が使えるようになる。
俺の場合はさっきの技、
“刀伸”がそうだな。」
ヒビキ「技?それって
どうやって身につけるんですか?」
キリヤ「まず技のイメージを頭で描く。
そして、そのイメージに合わせて
体内の“オーラ”を武器に送り込む。
それが成功すれば、
技のイメージが具現化する。」
ヒビキ「オーラ……?」
キリヤ「人間の体に流れる
エネルギーのようなものだ。
オーラはコンディションや
感情で複雑に変化する。
まあ、それについては
今度詳しく教えてやろう。」
イズナ「装!」
イズナの武器“銃”が召喚される。
そのまま複数のアビスに向けて乱射し、次々と撃ち倒していく。
ヒビキ「イズナさん、強い……。
銃なんかも召喚できるんですね。
でも……あれ?
それなら警察が銃で
アビスを倒せばいいのでは?」
キリヤ「アビスは“アビスオーブから
召喚された武器”でしか倒せない。
近代兵器でダメージを与えても
再生されるだけだ。それに——」
イズナ「……ダメ!あのふとっちょには
銃が効かないの!支援お願い!」
キリヤ「銃も万能じゃない。
ヒビキ、助けてやれ。」
ヒビキ「はい!」
ヒビキはふとっちょアビスへ突撃し、
ダッシュ斬りで一刀両断。
アビスオーブが地面に落ちる。
キリヤ「時間はかかったが、
すべて討伐できたようだな。
各自、アビスオーブ回収!」
──30分後──
アビスゴーグルをつけたマシロが、回収したオーブを確認する。
マシロ「うーん……全部合わせて
100ってところかしら。」
ヒビキ(あれだけ倒しても100……?
5万貯めるには、一体どれだけ……)
キリヤ「ちなみにアビスの強さは、
“持っているアビスオーブの
エネルギー値”に比例する。
Dチームの担当は
俺が倒せる限界——
アビスエネルギー1000以下の
アビスだ。
それ以上の値を検知した場合は、
Bチーム、Cチームといった
上級チームに出動命令が下される。」
ヨコ「アクトの計らいで、
俺達は自分達が勝てる相手とだけ
戦えるんすよ。だから何も心配なんか
いらないんすよ。」
キリヤ「まあ、アクトのセンサーが
機能しない“フェイクアビス”は
例外だがな……」
????「ひょっ、ひょっ、ひょっ。
よくもやってくださったな。」
ゾクッ——。
キリヤに戦慄が走る。
Dチーム全員が振り返ると、
浜辺に麦わら帽をかぶり、釣り竿を持った老人が立っていた。
目は見えず、口元だけが不気味に笑っている。
ヨコ「なんだあ、このじじい?」
ヒビキ(あ、あれは!アサリの場所を教えてくれたおじいさん!)
ヒビキはその人物が1話で会った老人だと気づいた。
キリヤは冷や汗を流す。
キリヤ「待て。この感じ……
フェイクアビスだ。
全員、ゴーグルを装着しろ。」
ヨコ「え?こいつもアビスなんすか?
じゃあさっさと片づけて
帰りましょうぜ!」
ヨコは武器を召喚し、老人へ切りかかる。
キリヤ「逃げろおおおおおお!!!!!」
次の瞬間——
老人に切りかかったヨコの体が、バラバラに砕け散った。
全員「!!!!」
キリヤ「……そいつのアビスエネルギーは——
3000だ……」
煽り:規格外の脅威がDチームを襲う!




