合い言葉の用意
「詐偽電話に騙されないように、合い言葉を決めたら良いんじゃないか?」
「騙されるも何も、即お金で解決しようとしなければ、騙されないのでは?」
「うんうん、電話で大金用意してくれなんて言わないよなぁ」
私の発案は、妻と息子に即却下された。確かに、お金を用意しなければ取られることもないだろう。
「親に一時的とはいえ借金を申し込むなら、直接言うよな」
「会社関係の借金なら、直接言われようが貸さないが?」
息子の仮想借金を、妻が即断っていた。交通費の立て替えじゃ有るまいし、勤め先の会社で動かす大金を一時的だとしても個人が立て替えるのはおかしい。と、妻は説明していた。確かに。
「君たちは騙されなさそうだよな。俺はそもそも貸す金がないけど」
「有名な詐偽には騙されないでしょ。新しいのはわからないけどね」
「有名な詐偽に騙されるのは、相当な情報弱者だよ。怖いのはリフォーム詐偽とか、俺も母も介入しない詐偽かな」
確かに。親名義の家のリフォームなら、妻も息子も意見すら聞かれないうちに親は騙されているかもしれない。
「じぃじもばあちゃんも騙されそうだよなぁ」(じぃじ=父方の祖父、ばあちゃん=母方の祖母)
「確かに」
息子と妻には、そう思えるらしい。
「そうか?」
「それぞれ前科有るし」
父だけではなく妻の母も、既にやらかしたことがあるらしい。意見を聞かない人に騙されないように注意するのって、無理のようだ。
「ところで合い言葉って、どんなのを想定していたの?」
「好きなキャラとか?」
「プリ○ュア全員答えるとか?」
「回答されても、正解を知らないけど?」
「そうだな」
「いや、俺も知らないよ?」
息子が慌てて否定していた。




