093 上乗せ?
ロウケンの部屋の扉にノックの音が響いた
「入ってくれ」
「失礼します、お呼びだとお聞きしましたが?」
入って来たのは以前に俺が持ってきた
ゴブリンの魔石やスライムの核を買取査定
してくれた職員だった
名前は『ファール』さんだったかな
「ああ、良い物が手に入ってな」
そう言って、ロウケンは床に置いてある
ウッドタートルの甲羅を見せた
「これは・・・
まさかウッドタートルの甲羅ですか?」
「ああ、
今日この2人が討伐して
持って帰ってきた品物だ」
そう言って買取を査定する職員は俺を見ると
「ええーっと!あなたは以前、、、
たしかゴブリンの魔石やブラックハウンドの
牙を持ち込んだ方でしたよね!」
「はい、
あの時は高価な買取ありがとうございました
今回も良い品を持ってきましたよ」
俺は少し笑みを浮かべて返答すると
「いえいえ、あれはあれで、
私どもも結構な売買ができましたからww」
ファールもニヤニヤしている
「ウォッホッン」
ロウケンがわざとらしく咳払いをする
すると、ファールは俺の隣に
座っている人に気付く・・・
「あの、、赤級のマリーシャ嬢ですよね?」
「はい、そうですが、」
???
買取査定のファールさんは思考が停止している
「今、この2人はパーティを組んでいる
内緒だからな、、、
詳しいことはいずれ話すとして、
まずはこのウッドタートルの甲羅を査定
してくれ」
ロウケンが固まっているファールさんに
指示を出す
「わ、分かりました」
そう言ってファールはウッドタートルの
甲羅を持って部屋を出て行った
「査定って?偽物かを見るんですか?」
俺は討伐依頼だから、報酬の金貨8枚を
貰って終わりだと思っていたが
「まあな、
普通は討伐依頼で依頼されて品を納品
すれば終了だがな、
紫級クラス以上は一応は本物かどうかの
鑑定とあとは状態が良ければ上乗せで
報酬を渡すようになっているんだ」
「間違いなく本物です!」
マリーシャがちょっと強めに言う
「分かってはいるが、一応規則なんでな
俺も偽物だと思っていないが、鑑定書が
必要になる品だからな、
ちょっとだけ時間がかかるんだよ」
まあ、まだ時間はあるから良いが
まだ査定してもらわなければならない
ものがたくさんあるんだけどな、
しばらくロウケンと雑談をしていると
「お待たせしました」
ファールさんが入って来た
「結論から言うと、
本物で間違いありません。
状態も非常に良く追加で金貨2枚を
支払って問題ありません」
おお、追加報酬!
「良かった・・・
とりあえずは今回の依頼は達成ですよね」
俺がロウケンに聞くと
「ああ、討伐報酬の金貨8枚プラス、
追加報酬で金貨2枚だ、
今回の依頼はこれでOKだ!」
「ではこちらにサインをお願いします
それとこちらが報酬の金貨10枚です」
ファールさんから書類を渡されたので
「これは俺のサインで?」
「はい、
パーティーのリーダーがサインして終了です」
リーダーって俺?
俺がマリーシャの方を向くと
「はい、コウキ殿がリーダーで間違いありません
私はこのパーティーの一員です」
そうですか・・・
まあしょうがないか、
俺がサインを書くと
「ではこれで終了です、
ありがとうございました」
と言ってファールが退出しようとするので
「あのぉー、まだ買取査定してほしいものが
あるんですけど?良いですか?」
俺が聞いてみると
「まだ、あるのか?」
ロウケンが聞いて来た
「はい、これはまあオマケみたいなものでして」
「オマケ?」
「オマケ?」
ロウケンとファールが同時に言った
「そうです、
これは最初に討伐しただけであって
本命はまだあります」
「はい、ここからが本番だと思います」
マリーシャも頷いて言う
俺は立ち上がり、
コインロッカーを召喚した。
「実はですね、、
今回ウッドタートルの依頼の
他にもう一つあった討伐依頼
『ツインリザードの爪』も大量に回収して
きましたので」
そう言って俺はロッカーの一つから
ツインリザードの爪を4つほど出した
「こいつは、、、」
ロウケンが驚くと
「まさか、、、本物?」
ファールも驚く
怪しく青色に輝くツインリザードの爪を
ロウケンに渡した
「4つということはこれで1頭分か?」
「はい、ツインリザードは足が4本あるので
1頭から4つですね、
それがえーっとですね・・・・」
ゴクっと唾をのみ込む音が
ロウケンから聞こえる
「15頭分、ありますので」
「じゅ、、じゅうご、、」
「そんな、、」
もう驚いているのには飽きたな
驚いている2人は無視して
「すみませんが、マリーシャさん
手伝ってもらえますか?」
「かしこまりました」
そう言って俺はコインロッカーから
次々にツインリザードの爪を取り出していく
マリーシャは俺から受け取った
ツインリザードの爪を綺麗に並べてくれる
みるみるうちにロウケンの部屋の床に
ツインリザードの爪で埋め尽くされていく
我に返ったファールは
「すみません!
応援をもう一人だけ呼んできても
良いですか?」
「ああ、そうだな、、
さすがに一人では厳しいな、
誰か信用出来る奴を呼んできてくれ」
「分かりました!」
そう言ってファールは
ロウケンの部屋を飛び出して行った
「それにしても、、、
この数を2人で倒すとは、、、」
そうロウケンが呟くと
「違います!これはコウキ殿が1人で
倒したのです」
マリーシャがすぐに反応する
「マジでか!?」
「はい!マジです」
そんな2人のやり取りを無視して
俺はコインロッカーから
ツインリザードの爪を取り出していく
「1人で倒すって、、、
そんなにツインリザードがいたのか?」
「最初に見かけたのは3匹でしたが
その後、大量のツインリザードが
森の中から出てきました」
「それをコウキが1人で、、か?」
「そうです、私はその場を離れて
応援を呼びに行ってましたから、
コウキ殿1人で全部倒しています」
ロウケンはマリーシャが並べている
ツインリザードの爪を見ながら
「この数・・・たった1人でか、、、
龍族のヴァインでも厳しいだろうな
・・・・・
たしかツインリザードは思った以上に賢い、
知能が高いのは2つの頭があるからだ。
そして硬い鱗と素早い動きで獲物を水中に
誘い込み捕食する危険な魔獣だが、、、」
とりあえずコインロッカー中から
ツインリザードの爪を全部取り出した
「色々と言いたいことは分かりますが、
とりあえずは査定をお願いします」
俺がそう言うと
「ああ、分かっている
偽物とは全く思っていない、
ただお前さんはいつも俺の想像の上を
行くようなことをするな」
「わ、私だってこんなことになると
思っていませんでした。
ウッドタートルの討伐だけだと
当初は思っていましたから」
俺は2人から叱られているのかな?
それはなんか申し訳ないと思います。




