087 北西大陸の情報
「食べているか?」
デュランが隣に座り聞いて来た
「ええ、頂いています。
それと葡萄酒ありがとうございますね、
このお肉とよく合います」
「そうか、
秘蔵の葡萄酒を出した甲斐があったな」
やはり高いお酒なんだろうな?
お酒の価値なんて俺には分からないが
それでもこの葡萄酒は飲みやすくて美味い
「こんな良い肉を食べるなんて久しぶりだ!」
向こうでバイガクが叫んでいる
「でしょ?コウキはこれを置いて行こうと
していたんですよ、それを俺たちが持って帰ろう
って言ったんですよ!」
ブルードが誇らしげに言ってる、、
あれ?
でももったいないって言ったのはデュランだった
と思うけど?・・まあ、いいか
「このお酒とお肉は本当に美味しいですね、
こんなご馳走はプロストンの町の高級レストラン
でも中々頂けないですね」
ほろ酔い加減のマリーシャが言った
「まだまだ、肉はたくさんあるからな
いっぱい食べて飲んでくれ」
デュランもお酒を飲みながら上機嫌だ
「残った肉は干し肉にするんですか?」
俺がデュランに聞くと
「残ったらもらって良いのか?」
「ええ、是非もらってください、
じゃないと俺の冷蔵ロッカーが肉臭く
なりますからね」
「そ、そうか、、
おい、ブルード!
そっちの肉は全部食べるんじゃないぞ!」
「えっ?」
「残った肉は保存して使うからな、
そうすればまた、楽しめるからな」
「そうですね、、
まだまだたくさん残っているので
この1頭分の肉は保存しておきますね」
今回は俺の冷蔵ロッカーには4頭分くらいの
肉を詰め込んだ、
中のスペースを最大限に活用して、
上質なサーロインやカルビ的なところだけを
選んで入れた。
干し肉にしても良い味になるに違いないだろう
「今日はゆっくり泊っていってくれ、
泊る場所も前回の場所を用意しているからな」
「ありがとうございます、
マリーシャさんの場所も?」
「もちろんだ、
いい来客用のテントはたくさんあるからな」
「あの、、よろしいのでしょうか?
私は以前、、その『罪』を犯した身なのですが」
マリーシャが恐る恐るデュランに聞いた
「その件についてはもう良いですよ、
あなただって自分の仕事に誇りを持ってブルード
を拘束したと思っている、、、
それに俺たちの恩人であるコウキのために
プライドを捨てて頭を下げた姿を見た、、
これでもうあの一件については恨みっこなしだ」
デュランが笑顔でマリーシャに伝えた
「あ、ありがとうございます、、、」
マリーシャの目から大粒の涙が留め度もなく
雨のようにポロポロ落ちた
あ、俺も感動して泣きそう、、、
色々と誤解があったかもしれないけど、
良いところに着地できたと思った
「コウキ殿はこれからどうされるのですか?」
マグールが聞いて来たので
「そうですね、
とりあえずは今日狩った品を売って、
それを北西の大陸に行く旅費にするつもりです」
「人族が住む北西に行かれるのですね、
この時期にですか?」
戦争が近いことは魔族たちにも伝わって
いるのだろう、
マリーシャはそこまで驚いていないのは
冒険者ギルドマスターのロウケンから
聞いたからかもしれない
「まあ、すごく行きたい訳ではないんですが、、
ちょっと外せない用件が出来たので
無理してでもお金を稼いで行くつもり
なんですよ」
「そうか、、、」
デュランが残念そうに呟く
「なにか北西の大陸についての
最新の情報って分かりますか?」
俺は近くにいるデュラン・マリーシャ・マグール
に聞いてみた
「今の所はすぐに戦争が始まるって感じらしいが?」
マグールが答える
「ああ、特に神聖国は軍を国境近くまで進めている
らしいな」
デュランが答えた
「たしか、王国と帝国も神聖国の進行に合わせて
侵略を開始するみたいですね」
マリーシャが教えてくれる
「攻める場所は噂で聞いた『白い女王』の国ですか?」
俺が聞いてみると
「その辺りは情報が錯そうしているな、、
俺が聞いた話では共和国と白い女王の国が
同盟を組んだとかいう話を聞いたぞ」
デュランが答えると
「そうですね、、
共和国と王国は白い女王の国に近づいていると
いう噂を聞きます」
「ああ、それに帝国でも白い女王と国境が近い
貴族たちは傍観してどちらが勝つかを
見極めている感じだとも聞いた」
ええーっと、、、
複雑になりすぎて来た、、
俺の脳みそが処理できていない
「とりあえず、、神聖国が戦争の
やる気を出しているってことで
、、、良いですか?」
俺が聞くと
「そうだな、、戦争の元凶は間違いなく
神聖国だと思う」
「わ、私もそう思います」
「そうだな、、神聖国は我ら魔族や龍族
それにエルフがいる南西の大陸にも
侵略を仕掛けたことがあるからな」
「たちが悪い国ですね、、、」
「まあ、人族と彼らが崇める神を頂点とした
絶対主義だからな、
他の宗教、他の神を崇める我らを
異端者とみなしているからな」
昔の西欧で行われたキリスト教の
十字軍かよ、、、
「ならばやはり戦争を止めるなら
神聖国に行くしかないのかなぁ、、」
俺がボソッと呟くと
「それは止めとけ!」
「不味いですよ、異端者にされますぞ!」
「き、きけんです、、
お願いですから無理しないでください」
3人が俺の前に立って言ってる、、
余計なことを言っちゃたな、
「まあまあ、、
行く行かないは良いとして、、
神聖国に入国するのは難しいですか?」
「すまない、、俺は詳しくは分からないが」
デュランがマリーシャを見ている
「そうですね、、
簡単には入国は出来ないと思います」
「やっぱり、、」
「はい、地理的な問題です。
神聖国は内陸国で海に面していませんので
まず海からの不法入国は難しいです。
そして国の周囲には大きな川が囲んでおり
大きな橋を渡って入国しなければいけません。
また入国審査もかなり厳しく3日前から
書類を申請する必要があります。
また他の宗教を信仰しているとは書けば
絶対に入国はできないと思います」
「そんなに厳しい国なんですか?」
「そうですね、、
他の手段としては、国の特使とか、
商人として神聖国から呼ばれた場合などは
入国できるとは思います。
ニルヴァースのヴァイン隊長は、
龍族の代表として神聖国に入国したことは
あるはずです」
北西の大陸に行くのですら、大金が掛かり
そして北西の大陸に着いたとしても
神聖国に入国するのは難しい!
なんで俺がここまで
苦労しなきゃいけないんだよ
アカン、、段々腹が立ってきた
・・・・・・
落ち着け、
置いてある、肉とお酒を飲んで落ち着こう
「じゃあ、町の戻ったらヴァイン隊長に
神聖国の情報でも聞きに行こうと思うけど
、、、、
マリーシャさん、お願いできますか?」
「はい!町に戻り次第、確認してみます」
とりあえず、まだまだ情報が足りないな、
まだ宴は続きそうだし、、
この際だから分からないことは
もっと聞いておこう。
お酒が美味いので時間を気にせず楽しめるな




