008 現状把握
あ、俺は死んだんだ・・・少し脳がフリーズ
しかけたが、なんとか現状を把握しようと
考えた。
目の前にいる筋肉質、ギリシャ神話の神
ゼウスにそっくりにさんは「神」なのか・・?
まあ分からないことだらけだな
「あなたは神様?」っと言う問いかけに
「そうだよ、君たちの世界では神という
存在かな、まあ僕たちはこの世界の
管理者みたいなものだよ」
あっさり肯定されたよ・・・
「そうですか・・・なぜ俺はここにいるの
ですか?死んだらとりあえずここに来るって
流れなのですか?」
とりあえず質問してみた。
「いや、君は面白そうだから、『核』が
クリアされる前にここに連れてきたんだ」
「核??」
「まあ、君たちの世界では魂って言うのかな?
君が生命を受けてからの情報・記憶・感情など
のデータが保全されている物のことだよ」
「普通は生命が絶えるとこの『核』が天上界に
戻ってきて、一度きれいにクリアされるのだよ、
まあ君たち人間だけじゃなく、生命がある全ての
生き物の『核』をここで管理している場所
でもあるんだ。この天上界は」
「君たちが経験や体験、感情などの様々なデータは
天上界にて記録する、そして『核』をクリアして、
また次の生命に宿させているのだよ」
「君たちの世界では輪廻転生とも言うんじゃない?」
なるほど・・少し理解が出来てきた。俺は
死んだ後のクリアされていない『核』の状態って
ことか?
「じゃあ、天国や地獄は?」
俺は気になった質問をしてみた。
「そんなものはない・・ってか何それ」
ちょっと神?管理者は不機嫌そうに答えた。
「何、人生で言いことをしたら天国に行ける?
天国に行ったら、仕事もせずにのんびりと
暮らすことができる理想の環境生活???
・・・
あったら私が行きたいわ!
・・・
何?地獄?悪いことをしたら
鬼がその人間をずっと苦しめる?誰がその鬼を
管理するの?鬼だって疲れるだろ!」
って大きな声でまくし立てた。
ふーっと息を吐いて、管理者は
「この手の質問に何度同じことを言ったことか」
「ああ、なんかすみません」
「ちょっとお茶でも飲んで落ち着こうか?」
管理者様?はテーブルに置いてあったお茶を
見つめて言った。
椅子は1つしかないから、
「良かったらどうぞ」と勧めたが、管理者は
「ああ、いいよ、ちょっと持って来るから」
と言って、後ろにある扉の中に消えていった。
数秒後
「ああ、ごめんね」と言って、豪華な細工が
施された全面が金色の椅子を両手に抱えて
持ってきてテーブルの前に設置した。
「どう、この椅子、なんかそっちの世界の神様
がイメージして座っている椅子みたいでしょう」
と椅子の横に立ってドヤ顔する管理者様・・
「まあ、神様というより、石油王が座ってそうな
椅子に見えますけど・・」
「そうなのか?まあいいや、また作りなおしだな」
と小声でささやく管理者だった。
イメージのこだわりでもあるのかな?
2人が椅子に座り、管理者がお茶を入れたところで
「ところで、ここに来た理由を知りたいよね?」
「まあ、そうですね、まだ信じられていないが
一番、今聞きたいと思っていますよ」
「ちょっとお願い聞いてほしんだけど・・って
のがここに呼んだ理由かな」
何故か俺はいやーな予感がした・・・