073 所持金では足りない
冒険者ギルドマスターであるロウケンの部屋
俺とロウケンは向かい合って座った。
「どうだ?なぜ大金がいるか?
話す気にはなったか?」
「まあ、別に隠すつもりはないのですが、、、」
俺は一呼吸置いて
「実は北西の人間が住む大陸に行こうと思いまして」
「北西の大陸??」
やっぱり驚いているな、
「ちょっと待て!今、、北西の大陸で戦争が起こる
可能性が高まっているのは知っているんだろう?」
「ええ、噂では戦争が起こるかもしれない?
とは聞きましたけど?」
「コウキが戦争しに行く訳じゃ・・・」
「んな訳ないでしょ!」
「そ、それならば、、いいが、、」
ロウケンは少し安心している、
俺をなんだと考えているの?
「しかし、この時期に北西か、、、
確かに乗船チケットも高いからな、
おそらく北西の貴族たちが買い占めているから
値段が高騰しているんだろうな」
「貴族が絡んでいるんですか?」
「そうだ、、
今から戦争が始まるなら、まずは物資の確保だ
船を持っている貴族ばかりじゃないからな。
自分の領地を守るために、値段を釣り上げてでも
商船を押さえているんだ。
そしてもう一つは自分たちの身内などを
他の大陸に避難させるためでもあるだろう」
ロウケンの予測だろうが、
おそらく当たっているんだろうな
「それで俺は金貨200枚必要になったんですか?」
「普段は金貨10枚くらいで、
良い部屋と食事付きで行けるからな」
「それじゃあ、金貨200枚だったら船を貸し切りで
行けるんじゃないんですか?」
「そうだろうな、今だと金貨200枚ぐらいでは
部屋は大部屋クラスじゃないか?」
「200枚も払ってですか??」
「俺に怒るな!まあ確かに高いが命あっての
値段ってところだろうな」
それもそうだな、
安全保障で金貨200枚なら、と理解する
「それで、なんでこの時期に北西に行くんだ?」
「それは、、まあ知り合いを探しに、、って
ところになりますかね」
「なんだ、家族とかじゃなく、、
知り合いを探しに北西に行くのか?」
北西の大陸に知り合い?
がいるかどうか、分からないけどな・・
「そうですね、
探してみないと分からないですが、、」
「まあ、お前さんの知り合いだからな、
色々と訳がありそうな感じはするが?」
そうです、訳アリです。
会ったこともない、
この世界に先に来た女性2人を
探していますので、、
せめて顔くらいが分かれば良いけどね
「俺も色々とあるんですよ、
そこは察してください」
「そうだな、
しかしなぁ、、、金貨200枚か、、
それで『ウッドアイズ』の狩りをするために
メリーから昇級やパーティーを組む
方法を聞いていたのか?」
「そういうことです、
なんとかなりませんか?」
「なんとかと言ってもな、金貨200枚を
俺の一存で貸すわけにもいかないし、
規則を破って青級のお前に『ウッドアイズ』
の狩りの許可を出せば他の奴らが
絶対に騒ぎ出すだろうし、、」
2人は天上を見上げて考える
金、金、金、金
なにかいい案は・・・
そうだ!!思いついた!
「この前の一件をニルヴァースのやつらに
損害賠償として金貨200枚払えって
どうですか?」
「いや、、それなら捕まった魔族と
店を壊された獣人の店に支払うだろう?」
「あっ、たしかに・・・」
「それにコウキはただ暴れただけだからな、
どちらかと言えば、コウキが団員を
怪我させたということでお前さんに
支払いが発生するかもしれんぞ?」
迂闊だった、そうだ、
俺は暴れただけだったな、、
「先程の俺が言ったことはご内密で、、」
ロウケンお代官様、、どうか、、
ニルヴァースの連中には内緒で、、
「分かっているさ」
「やっぱり、地道に稼ぐしかないか?」
考えをまとめよう、
俺は脳内で金の計算をする
俺も多少は貯えがある、
コインロッカーにはまだ魔の森で得た
アイテム品は残っている、
全部を売ればおそらく最低でも
金貨60枚くらいにはなると思う。
魔の森で戦ったボス犬の牙が
そこそこの金貨になれば
合計で100枚くらいになるかもしれない。
それでもまだ足りないなぁ、
北西の大陸に行っても生活費もかかるから
※お金の計算
俺の手持ち金貨 約20枚
コインロッカーの品で金貨 約60枚?
ボス犬の牙 金貨 約40枚?
トレントの枝4本 金貨 約10枚?
乗船チケット 金貨200枚
北西での生活費 金貨50枚
やはりあと最低でも金貨120枚は必要
「あと金貨120枚ですね、最低でも」
「なんだ、計算していたのか?」
「ギルダマスター、金貨120枚
青級の俺が手っ取り早く稼ぐ方法は?」
「そうだな、、コウキは狩ってきた品物は
高値で買い取れるとは思うが、、
青級で狩れるのは基本的には弱い
モンスターが多いからな、
ゴブリンや一角ウサギぐらいでは
量がかなり必要になる。
それにあまり多すぎると値段が落ちるからな」
「この前、俺が持ってきたトレントは?
金貨3枚で買い取ってくれると?」
そう、ウッドアイズはダメでもトレントなら
いけるかもしれない、、
「それがなぁ、コウキがトレントを発見した後に
紫級以上のパーティーがトレント狩りに
向かったが、1匹も出会わなかったと
報告を受けてな、、
俺は実物を見ているから、コウキを信用して
いるが、他のパーティーから
『トレントなんていないぞ!』とクレームが
きたくらいでな、」
「そうなんですか、、」
「それにトレントにしてもウッドアイズも
そうだが、滅多に出会う魔獣じゃないからな」
俺が薬草採取で出会ったのは運が
良かっただけなのか?
ただ、ロウケンの話を聞く限りでは
見つけていないのだろう。
「他に手段あります?」
「他に、他に、、
後は青級以上のパーティーに加わるか、
上級者と討伐依頼を一緒にして、
大物を狩るなど、があるが、、」
「それはメリーさんにも厳しいだろうと
言われましたよ」
「俺もそう思う、、」
うーーん、
やっぱり、、いい方法が思いつかない
誰か、、
ソロで紫級以上の知り合いでもいれば、
「紫級以上のソロで活動しているやつなんて」
俺がボソッと呟いた、
「ん、ま、待てよ、、たしか、、、」
ロウケンが顎に手を当てて考えている
「いや、確認しないとな、、」
独り言を呟いている
そして、、、
「コウキ、ちょっと俺は出てくる!
お前さんが泊っているのはアリーの宿だな?」
「はい、そうですけど、、」
「もしかしたら、、お前さんの期待に
応えれるかもしれん!」
「本当ですか!?」
俺はソファーから立ち上がる
「ああ!俺はこれからその件で出かけるから、
お前さんは宿でゆっくりしていてくれ」
「え?俺も一緒に、、、?」
「い、いや、コウキが来ると、、、
まあ良いから、期待しておけ!」
「良いんですか??」
「ああ、任せとけ!」
ロウケンはソファーを立ち上がり
出かける支度をしている
「では、お願いしますね」
俺はロウケンの背中に向かって言った
ロウケンは何故か気合が入っている、
大丈夫か??
そう思いながら俺はギルドマスターの部屋を出た
こうなったら任せるしかない。
腹を括っていよう。
そう思いながら階段を下りて行った。
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