068 久しぶりの再会
長い夢から覚めた感じだ。
椅子に座っているのかな?
体が重い、
重い瞼を開けるとそこは・・・
見たことがある景色だ。
静かな水面、透き通るような青空
水面は浅い。
まさに世界の絶景「ウニユ塩湖」にいた
・・・・・あれ、?
俺はまた死んだのか?
たしか、、、
異世界に行って、
ナズモさんの店にいたような??
「死んではおらんよ」
「へ?」
テーブルの目の前に貫禄がある
筋肉質の中年男性、ギリシャ神話に出てくる
『神』だ。
「あれ?ゼウス様じゃないですか?」
俺は会ったことがある、俺を異世界に送った
張本人である
「あれ?じゃないんじゃ、、まったく、、」
「いや、でもなんで俺はここに?」
当たり前にそう思った。
「お主、、あの世界での儂からの
依頼をちゃんと覚えておるか?」
「ええっと、、たしか、あの世界の『幸福度』を
上げて来いと、、いう依頼だったと記憶
していますけど、、違いました?」
「いや、覚えておるんなら良いんじゃ、、」
そう言ってゼウスはお茶を飲んだ、
俺も目の前に置いているお茶を飲む
「お主が儂からの依頼をちゃんと覚えているか
心配になってな、久しぶりに様子を見たら
お主が現地の住民と争いを起こしているから」
「ああ、その件は申し訳ないです、
でも、あの世界が差別や戦争をしているのは
ゼウス様の管理不足も少しは問題が
あるんじゃないんですか?」
「まぁのう、、、
それを言われると返す言葉もないんじゃが、」
「だいたい、いきなり知らない世界に送られて
周りはモンスターだらけで生き残る方が
大変だったんですよ‼‼」
そうだ、魔の森の件については文句を言って
やろうと思っていたんだ。
「それは、、儂も苦渋の決断じゃったんだ。
でも加護を与えていたから、大丈夫だった
じゃろ?」
「それはそうですが、、、
俺より先に来た1人は相当、あなたのことを
恨んでいましたよ、おそらくタピオカの方
だと思いますが、」
「そうじゃろうな、、こうやってお主は
ここに儂が呼んだら来てくれたが、、」
「ゼウス様が呼んだらここに来れるんですか?」
「相手が儂に対して相当強い
拒否反応がなければじゃが、、」
「先に行った2人は相当に強い
拒否反応があると、、」
まぁ、分からなくもない、
俺は男だし、モンスターと戦うなんて
ちょっと面白い世界とは思ったが、
女性からしてみれば、いきなり魔の森に
行かされて、モンスターに襲われるなんて
地獄だろう、
風呂もなく、トイレも昭和より更に昔の
世界だったからなぁ
令和の世界を生きた女性には厳しすぎる
環境だろう、ゼウス様も恨まれて当然か、
「で、俺はなんで呼ばれたんですか?」
「ああ、、まずはお主が当初の目的を忘れて
おるんじゃないかと心配になっての、、」
「それは大丈夫ですよ、ただ今の世界では
まずは『衣食住の確保』が最優先ですよ。
じゃないと俺が死にますよ」
「それは分かっておる、、じゃが、、なるべく
急いで欲しいんじゃ」
「何かあるんですか?」
「お主たちがいる星の『幸福度』が更に下がって
おるんじゃ」
「あれ以上落ちるんですか?」
たしか地球が幸福度が100点で、
今の世界が5点だったよな、
「うむ、今は4点じゃ」
「あら、更に1点下がったんですね」
「そうなんじゃ、、」
「これ、って、0点になったら??」
「0点は今まで1度もない、、ただ創造神様
がどのような処分を下すか、、」
「創造神様?」
「ああ、この世界を作った創造神様」
「ゼウス様より立場が上??」
「当たり前じゃ!!全てを創造する神じゃ!」
そんな設定なの?
この世界って?
世界や宇宙、生命などを創造したとされる神
1度会ってみたいけど、、
俺じゃあ無理か
「その、創造神様がどうするか?」
「分からん、、」
「そんな、、」
「だからじゃ!まずはなんとか『幸福度』を
急いで上げて欲しいんじゃ」
「まあ、そうですね、何か具体的にどうすれば
良いとかありますか?」
俺が問い返すと、、
ゼウス様がしばらく沈黙する、
悩んでいるのか??
出した答えは、
「ない、、」
「ない、、って、、」
「とに、とにかくじゃな、、まずは戦争を
止めよう、、お主がいる中央大陸じゃなく
人族が住む北西の大陸が一番危ないようじゃ!」
出た!この無茶ぶり、、
戦争を止めるって、
俺、どこかの大統領じゃねーよ!
なんだ、関税でも掛けさせてくれるのか?
核爆弾のボタンとか持ってねえよ、
俺が持ってるのはパチンコ店のスキルだけ
しかも対して役に立たないよ、
「いやいやいやいや、、どうやって」
「そこはお主の知識と経験でじゃ」
「24年間、パチンコ店でしか
働いていませんよ!」
「と、とにかくじゃ、うまいこと、、
収めるんじゃ、、」
ゼウス様がそう言うと
俺の目の前がグルグルと、、、
回っている、、、
あれぇ、、意識が、、、、、
いや、、まだ、は、、な、し、が、、
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
「コ、、コウ、、コウキ、さ、、ん、、」
「、、コウキ、コウキ!!」
遠くから声が聞こえる、、
重い瞼がゆっくり開く
まだ目のピントがずれているが、、
「おい、コウキ、、、、」
「コウキさん、、??」
目の前には、
たしか、、
この丸い顔は、、
狸人族のナズモさんだ、
そして、もう1人は顔を布で覆っている
ええっと魔族のブルードだな、、
「ええーっと、、ここは、、
ナズモさんの店??」
俺は2人を見て呟いた、、
「やっと、起きたか、、、、
心配したぞ、、」
ブルードは安心している
「良かったーー、疲れているから
そーっとしておくつもりでしたが、
長い時間、椅子に座って動かないもの
ですから、心配しましたよ」
ナズモさんも心配してくれたみたいだ
「ああ、すみません、
ちょっと疲れたみたいで、寝ていた
みたいですね」
俺は椅子を立ち上がり、背筋を伸ばした
変な体制で寝ていたから、体が痛い
「まあ、俺たちのせいで疲れさせたからな、
ただ、ここで本格的に寝たらナズモが困るからな」
「いえいえ、私は構いませんよ」
結構な時間、寝ていたのか?
外はたしかに暗いな、
そういえば、
「ところで、回復薬は間に合いそうですか?」
「ええ、問題ありません。もともと質が良い
薬草なので、時間はそこまで掛かりません」
「お前が持ってきた薬草のお陰だ」
「そう言ってもらえると渡した甲斐があります」
明日の出航に間に合うのが確認できて良かった
それじゃあ俺も宿に戻るか、、
「じゃあ、俺はこの辺りで一度、宿に戻りますね」
「ああ、それが良いだろう、ゆっくり休みな」
「本当に今日はありがとうございます」
そう言って俺は宿に戻ろうと思ったが
振り返ってマグールに聞いた
「明日は、俺も港に行って出航を見ても
いいですか?」
「ああ、全然構わないぞ、恐らくデュランさんか
マグールさん、バイガクさんも来ると思うぞ」
「では必ず行きます、会えるのが楽しみです」
「分かった、俺からも伝えておくから」
俺はナズモさんの店を後にした。
宿への帰り道、、
ゼウス様から依頼された件を考える、、
戦争を止めるか、、、
現世でも止められないのに、、




