061 最短です
「あれ?せっかく青級に昇級したのに、白級の
依頼書を持ってきたのですか?」
受付に行くとメリーさんが戻ってきていた。
「ええ、ちょうど毒消し草の依頼をしたかった
ので、、」
「そうなんですか、、?でもギルドとしても
毒消し草と薬草の依頼は助かります」
「じゃあWIN、WINですね」
「ウ、ウィン?」
「ああ、気にしないでください、それじゃあ
行ってきますので」
WIN,WINなんて分からないよな、、
「あ!これを」
そうだ、新しい身分証をもらっていなかった
「これで青級です」
冒険者の身分証が青になっている、ちょっと
かっこよくなっているな
「ありがとうございます、それじゃあ」
「はい、気を付けてくださいね」
今日は午前中には毒消し草の採取を
終わらせたいな、午後は「ビーグルの店」
に行って、スリングショットの確認と
ナズモさんの店に行って、毒消し草を
渡さないとな、
冒険者ギルドの図鑑で毒消し草の特徴を
頭の中に記憶した。
絵を見ると現世でも見たことがあった
花の色は赤く、ほぼ彼岸花だ。
これなら間違えないだろう、
毒消し草の群生地は・・・南西の森か、
必要な情報を得たので、冒険者ギルドを出た。
少し急いで町の門に向かった、
いつもの用に門番に挨拶をして町の外に出た。
まずは南側の斜面を登りそれから、街道を外れて
森の中を捜索だな、
南側に向かうだけなら、魔族の集積地にも
寄りたかったが、そこまで行かないみたいだ。
小高い丘を登り、下にはプロストンの町が見える
そういえば初めてこの町を見たのが、この丘だった
南の伸びる街道を歩いていく、
そろそろ街道を逸れて、森の中を探すか、
モンスターの気配はないな、、
西側に向かって歩き始めた。
特徴のある赤い花を探して歩く、、、、
結構、森の奥まで来た感じだ。
まあ、魔の森ほどモンスターはいないらしい
周辺を見渡す、
南側を見ると木が少ないな、
少し上り坂だが、おそらく草や花が生えるのは
この上だろう、
上っていくと、そこは平原になっていた。
「あれだな」
見つけた、赤い花だから分かりやすい、
薬草の時と同じで固まって生えていた。
50本近くは咲いている。
これなら早く帰れるな、
毒消し草を丁寧に抜いていった。
依頼で20本はカバンに詰め込み
残り30~40本はコインロッカーに入れた。
「よし、これで帰れる」
思った以上に早く済んだ。
俺は来た道を戻る、
前回みたいに「トレント」とは
出会いたくはないなぁ、
そんなことを考えていたが、無事に
街道まで戻れた。
何も変わったことは無く、気が付いたら
町の門まで帰って来た
「どうした、忘れ物か?」
あまりの速さに今朝、挨拶した門番が聞いて来た
「いえ、毒消し草を見つけたので戻ってきました」
「スゲーな!こんなに早く帰って来るとはな」
一応、カバンの中に入れていた毒消し草を見せた
「じゃあ、早く冒険者ギルドに行かないとな、
こんなに早く達成したなら、今日はもう1件
行けるんじゃないか?」
「今日はこれで終わりですよ」
「なんだ⁈遊びに行くのか?」
「まあそんなところですね」
「ブワッハッハッハ、若けえのはそうでなきゃ!」
否定するのも面倒くさいので適当に返事した
町の中に入り、冒険者ギルドに向かった
冒険者ギルドに向かう途中、いい匂いがする
各店舗が昼飯の準備をしているのかな?
そんな店を横目に冒険者ギルドに着いた、
ギルド内は朝の混雑が一段落した感じだ。
受付ではメリーさんたち、受付嬢の何名かが
お茶を飲んでくつろいでいた。
「すみませーん」
俺が声をかけた、
「はーい、、ってコウキさん!」
「はい、終わりました」
「終わったって、、、もう見つけたんですか‼」
「ええ、まあ」
「早すぎでしょう!」
「運が良かったですかねぇ」
そう言って俺はカバンの中から毒消し草を出した
「す、凄いですね、依頼は20本ですね、
確認しますので少しお待ちくださいね」
そう言って受付の奥に入っていった。
くつろいでお茶を飲んでいる時に
何か悪いことしたな、、
「凄いわね、さすが最短で青級になる人ね」
「ええ、南側の森って結構、モンスターがいて
大変なのに」
「毒消し草ってそんなに簡単に見つからないのに」
何か受付嬢たちがチラチラ俺の方を見ながら
話をしている。
現世ではモテたことが皆無なので照れるな、、
照れを隠すためにも、すました顔で受付で
待っていると
「お待たせしました。確認終了しました。
無事に依頼達成です」
メリーさんが報酬の銀貨2枚を渡してくれた
「ありがとうございます」
受け取ったお金をカバンに入れた。
「今日はどうされますか?まだ早いので
また依頼を受けるのですか?」
「いやいや、今日はもういいです。それに
ちょっと予定がありますので、」
「そうですか、、」
ん、なんか残念そうだな、
「じゃあ、コウキさん、今度、、」
「はい?」
と、その時、、
「メリーさーん、すみませーーん!」
受付嬢がメリーさんを呼ぶ声がした
「はーい!」
メリーさんは振り返って返事をした
「では、また明日」
「あ、、、、」
「はい?」
「いえ、、、ではまた明日」
俺は当初の予定通り、「ビーグルの店」に
行くことにした。
冒険者ギルドから東側に向かう
途中、色々な店を外から見て周った。
ビーグルの店はギルドから10分くらいで着いた
店は営業しているみたいだ。
「すみませーん」
俺は店のドアを開けた。
「あいよ、、ってお前さんか!」
「ええ、あれから進捗はどうかなって?」
「ああ、そうだな2~3日たったか」
「はい、スリングショットは出来そうですか?」
「あれから色々考えたんだがな、、」
あ、その様子だと厳しい感じかな
「やっぱり無理でしかたか?」
「馬鹿野郎!無理じゃんえよ!」
「え?出来るんですか?」
「ああ、ただ材料がな、、」
そう言うとビーグルは店の奥に行った。
「お前さんの要望通り作ってはみたが、、」
おおぉ、確かに出来ている。
鉄の棒が「Y」になっている。
「Y」の先には紐が付いているが、
「ここまでは出来たが、これだと玉を
飛ばす力がない、伸縮する布が紐が
必要なのだがな、」
「そうですね、、」
「色々試してはみたがな、、これといった
素材が無くてな、、スライムの皮なども
試しにやってみたが、強度が弱い」
「そう、、ですか、、」
「素材に心当たりはあるんだがな」
「あるんですか?」
「ああ、一番良いのはドラゴンの皮だな」
あああ、それは、、
異世界でドラゴンは定番だけど、、
「そんなことをしたら龍族全部を敵にまわす
ことになる」
「でしょうね、、」
「そこでワイバーンだな」
「ワイバーンって?」
「ドラゴンの種族の一部だが知能が低く、
龍族は身内とは考えていないから、
討伐しても問題はない」
「ならその素材が、、」
「だが、恐ろしく強い、しかも群れを形成
しているから討伐は厳しい、
おそらく「金級」のパーティーじゃないと
無理だな、」
「まあ、厳しそうですね」
「それに、ワイバーンの素材なんて金貨100枚は
超えるだろう、お前さんそんなにお金が
あるか?」
「ありません、、」
やっぱりお金は大事ですね。




