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元パチンコ店長の異世界奮闘記  作者: ナガタエモン
第1章 プロローグ
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003 2024年夏

 店長に就任して早16年も経過していた。

 20代で店長になった俺も気が付けば47歳に

 なっていた。俺も当時付き合っていた彼女と

 結婚して、子供も2人生まれていた。


 40歳になった時にマイホームを購入していたが、

 俺はほとんどマイホームには住んでいなかった。

 パチンコ店の店長は基本転勤が多く2~3年で

 転勤を繰り返していた。お盆・正月

 ゴールデンウィークなどに休みがあるわけでもなく、

 またパチンコ店では一番の稼ぎ時でもあるので

 ほとんど朝から閉店まで店舗にいた。


 子供の夏休み・冬休みに出かけることは不可能で

 かろうじて春休みだけ遊園地や温泉旅行に

 連れていくことができた。


 パチンコ業界は2004年~2009年までは

 絶好調だったが、法改正やなんやかんやで

 みるみるうちに業界は衰退していった。

 

 俺の会社は2006年くらいに当時の社長は

「100店舗を達成する」

 なんて息巻いていたが、2024年時点では13店舗

 しかなかった。それでも業界が衰退している割に

 は各店舗なんとか黒字を目指して奮闘していた。


 おかしくなってきたのは2022年頃

 当時の社長が自分の息子に社長を譲ろうと

 し始めた時からである。

 この息子が絵にかいたようなバカ息子であり、

 現場のことが分からないくせに、

 自分は将来の社長だからと

 いって営業にあれやこれやと口を出していった。


 それだけならば我慢もできるが、車は2000万円の

 キャデラック・自宅は会社の金で豪華な

 5LDKの家を会社の利益から購入して

 いる事実を知った。


 社長も70歳を過ぎて息子に社長を譲るのは

 分からないでもないが、

 会社の金を使い込んでいることを止めることも

 しないので会社の空気はかなりやばくなってきた。


 バカ息子に注意していた古株の幹部も次々に

 会社を去って行くのを目にしていった。

 そんな会社だから新卒もほとんど辞めていった。

 まあ俺も辞めていく若い人間を止めることを

 しなかった。だって若いうちに辞めないと俺みたいに

 再就職が難しい年齢になってからは大変だと

 思ったからだ。


 2020年のコロナ以降、俺の会社は13店舗中、

 5店舗は年間で業績が赤字になっていた。

 また残りの8店舗もその5店舗の

 赤字を少しカバーできるくらいの黒字であった。


 そんな中2024年春に当時の社長が社長を

 バカ息子にすると発表があり、

 正式に社長に就任した。そして翌月には

 俺がこの会社で唯一尊敬していた上司が

 社長(バカ息子)と喧嘩して会社を去っていった。


 俺も潮時か・・そう思った。

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