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元パチンコ店長の異世界奮闘記  作者: ナガタエモン
第3章 交易都市

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035 迷い人

 おはようございます。

 俺は魔族の集落にあるテントで朝を迎えました。

 昨日からここでお世話になっています。

 本当は野宿も覚悟していたので、ベッドで

 眠れるとは思っていませんでした。


 昨日、魔の森からの脱出は無事にできました。


 これからのことは今日、魔族のリーダー

 デュランさんとの話を聞いてから

 考えようと思います。


 俺はテントを出た。

 まだ早朝なので少し薄暗い。

 ただ気温はそこまで低くないので寒くない。


 外では何名かの魔族が荷物を運んでいる。

 大きな荷車に穀物類の袋を積み込んでいた。

 これからどこかに運ぶのかな?


 俺が見ているのに気付いたのか?

 一人の魔族がリーダーがいる方の

 テントに向かって行った。


 こちらに誰か来る・・・マグールさんだ。

 頭に1本の角が生えている。

 俺を昨日、このテントに案内してくれた魔族だ。


「おはようございます。」

「おはようございます。

 昨日はゆっくり眠れましたか?」

「はい、おかげさまでゆっくり休むことが

 できました。」

「それは良かった、ところで朝食を

 一緒にいかがですか?」

「よろしいのですか?」

「はい、デュランもぜひ一緒にと言っております」

「それではよろしくお願いします」


 そう言って俺はマグールと一緒に、昨日

 訪れたデュランのテントに向かった。


 テントの中に入ると、リーダーのデュランと

 バイガクが椅子に座っていた。


「おはよう、コウキ、昨日はゆっくり

 休めたか?」

「はい、昨日は本当にお世話になりました。

 おかげでゆっくり休めました。」

「そうか、それは良かった」


 本当にやさしい魔族に出会えて良かったと

 俺も思った。


「まずは、朝食にしよう」

「ありがとうございます」

「こちらに、どうぞ」

 マグールが俺の席を教えてくれた。

 もうすでに席には朝食のパンと干し肉

 暖かいスープが用意してあった。


 俺も先に出しておこう・・・

 昨日も見せたし、問題はないだろう。


「私も果物を出すので、ぜひ召し上がって下さい」


 そう言って俺は、冷蔵ロッカーを召喚して

 中から日本でいう「バナナ」を取り出した。

 バナナは一房で4本付いていた。ちょうど

 人数分である。


「これは?」

 デュランは初めて見るようだ。


「これは、バナナという果物です。甘くて

 栄養があります」

「こうやって皮を剥いて、中身を食べます」

 俺はバナナの皮を剥いて見せた。

「なるほどな、また珍しいものをありがとう」

「いえ、こちらこそお世話になっているので

 全然問題ありません」


 3人の魔族はバナナを真っ先に食べた。

 本当はデザート的なので、朝食後に渡した方が

 良かったかな?まあ、喜んでくれているから

 問題ないだろう。


「うまい!」

「これは、、、甘い」

「何とも言えない、食感だ」

 3人は感想を率直に言った。


「昨日の果実といい、今日のこれはバナナと言ったか?

 本当に美味しかった」


「昨日の果実は、「リンゴ」と言います。

 まあ私だけが「リンゴ」と「バナナ」と言ってる

 かもしれませんが。」


「これは人族では知られていないのか?」


「いえ、この果実は、、、そうですね。私が

 持ち込んだものですので、その他で

 作っているかは、、分からないんです」


 そう、俺は異世界から転移した人間。

 まだこの世界のことを知らない。


「まあ、色々コウキにもあるんだな」

 デュランはそう言ってくれた。


 朝食のパン、干し肉は美味しかった。

 スープは野菜も入っていて、体が温まった。


 朝食終了後

「これからコウキはどうするんだ?」

 デュランが聞いて来た。

「そうですね。この辺りの地理が分からないの

 ですが、まずは町を目指して行こうと思います」

 俺は町に目指すことを伝えると


「なら、この街道を北に進めば良い、10キロくらい

 先に大きな港町がある」


 やっぱり!あった。港町が。


「俺たちも、今日その港町に行く予定だ。一緒に

 行くか?」

「よろしいのですか?」

「構わない、まあ町の入口前では

 分かれた方が良いが・・・」


「???」


 俺が不思議そうな顔をしたら、


「ああ、そうか、まったく事情を知らないのだな」

 デュランは俺の顔を見て察した。


 何か揉めている感じだけは昨日の会話から

 推測はできる。ただ何故そうなったのか?

 原因は全く分からばい。


 まあ事情を聴く前に、なぜ俺がそういう情報を

 知らないのかを伝えた方が良いだろう。


「はい。実は、、、、私はこの街道の先にある

 川の上流に住んでいました。」


「待て、待て、待て、この先の川の上流だと、、

 まさか、、、あの森の中にいたのか?」

 デュランは慌てて聞き直した。


「そうです。魔の森と言われてるんですか?

 その中にある家で生活をしていました」


「、、、なぜ、、、いや、、でも、、、」

 デュランは明らかに動揺している。


 まあ、しょうがない。だって魔の森って

 ネーミングだもんなぁ・・


「私も理由が思い出せないんです。・・・

 気が付いたらその森の中にある家にいて、

 まあそこでしばらく生活をしていました」


「幼い時の記憶や家族のこともか?」


「はい、どこから来たのか?なぜここにいる

 のかは分かりません。ただ自分が持っている

 スキルなどを使ってモンスターを狩って

 生活をしていました。それに記憶がないと

 いっても食べ物や狩猟の仕方などは断片的に

 覚えていました」


 ちょっと嘘を言ってるので心が痛いが、


 昨日は「修行していたこと」にしようと

 思っていたが、これだと家族のことや

 出身地などを伝える必要がある。

 

 信憑性が高いのは分からないと伝えること

 だと思った。


 もし、他の転移者と出会えれば、もうちょっと

 良い伝え方も変わるかもしれないが・・・


「そこで、魔物を倒してレベルを上げて

 その特殊な魔術を習得したのか?」


「はい、そして魔の森から昨日抜け出して

 ここにたどり着きました。」


「にわかには信じがたいが・・・」

 それまで黙って聞いていたマグールが言った。


「しかし、この能力は・・・」

 バイガクも驚愕していた。


 デュランは俺の話を腕を組んで聞いていた。

 

 そして・・


「神隠しか、または、迷い人か・・・」


 そう言った。


「神隠し・迷い人?」

 俺は聞き返した。


「ああ、俺も伝承でしか知らないが、、、、

 一度聞いたことがある。

 ダンジョン内での転移系のトラップを踏んで

 迷い込んだとか、どこかで転移の魔法が失敗

 して飛ばされたとかな、

 または違う世界からこの世界に

 神隠しで現れたなど、、、

 それを総じて、『迷い人』というのだ」


 まあ、結構当たりに近いな、


 この場ではそれで行こう。俺は『迷い人』で

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