【番外編】 タピオカと共に
私の名前は高橋 彩花
20歳です。
今、異世界?惑星イスカンダールに来ました。
めんどくさいので異世界でいいでしょう。
先ほど、管理者とかいう胡散臭いオジサンに
異世界でみんなを幸せに導いてほしいと
お願いされて来ました。
私の生前の仕事「タピオカ屋」での仕事を見て
そう感じたみたいです。
確かに現在はタピオカブームが来ています。
よくテレビの取材でも扱われています。
女子高生や若いOLなどが自撮写真を
「インスタ」にUPしています。
私もしました・・・いっぱい
私はごく平凡な家庭で育ち、専門学校に
行きながら、タピオカ店でアルバイトを
していました。
そこでタピオカにハマりました。
絶対に流行る!!
安くて栄養価も高い!!
「第2のスタバだ!!」
私は両親には反対されましたが、専門学校を
中退して、とあるタピオカドリンクの
チェーン店に正社員として入社しました。
入社して半年後、、、
すぐに新店舗の店長を任されました。
私のいる東京ではタピオカ店は毎月の
ように色んな所で新規OPENするくらい
ブームが来ていました。
そんなある日、いつものように出社して
横断歩道を渡っている時に事故で
亡くなりました。
まだ先ほどまでは私が死んだことが
信じれていませんでした。
しかし、、、
今、家の周りを魔獣?魔物?に襲われています。
夢なら早く覚めてください。
お願いです・・・
あ、現実ですね。確かにモンスターは家の
中には入って来れません。
でも、マジで帰りたい。
「大丈夫、君ならできる」
と言った、あのくそオヤジ、
マジで殺します。
取り合えず、手帳に憎しみを込めて書きました。
私が死んだ時に、誰かに、私が殺意を抱いて
死んだことを証明するために。
また、誰かに殺されるかもしれないという事実を。
「殺す」「死ぬ」
ただそれだけを伝えたい・・・
これは呪いの手帳・・・
そう思って毎晩、書きました。
でも、泣いても、悔やんだも始まらない。
私は部屋にあった「木の棒」?を
両手に持ち、覚悟を決めました。
「ぶっ殺してやる」
そう呟いて、素振りをしました。
剣道なんてしたこはありません。
ただ、中学と高校の時に体育の授業で
軽くやったことを思い出しながら
無我夢中で振りました。
・・・・・・・・・・・・・・・
それから、いっぱい殺しました。
スライム?ウサギ?汚い小型の魔物?
とにかく家に近づいてくる、モンスターを
片っ端から、木の棒で殴りました。
どれくらい経ったのだろう?
レベルが上がっていました。
強くなってきている実感が湧いてきました。
苦労して殴っていたモンスター相手が
一撃で倒せるようになっています。
「これがレベルUPの効果なの?」
ちょっとだけ楽しくなってきました。
もう家の中から殴るのではなく、
家の外でモンスターを見かけると
追いかけて倒すのが・・・
だって今まで襲ってきてたモンスターが
私を見ると逃げるようになってきたから・・
あ、別に私は『サイコパス』ではありません。
ただ、強さが実感できるのが嬉しかったのです。
それにレベルが上がった時にスキルを
もらったからです。
新しいスキルは「乾燥タピオカ」です。
やっぱり・・・・
そうは思いましたが、この「タピオカ」は
私の大好物です。そして貴重な食料です。
スキルで出てくるタピオカは乾燥している
タピオカです。なので私はタピオカを
朝、水に漬けています。
夕方には良い感じになっています。
本当は水で茹でる方が早いのですが、
火がないので、この方法しかありません。
私はこの食感が大好きなのです。
貴重な栄養源です。本当はミルクティーが
あれば完璧なのですが、それでもこの世界に
来て、初めて生きる希望をもらった感じです。
・・・・・・・・・・・・・・・
もうすぐ、30日が経ちます。
この家から出て行かなければなりません。
この家の周りのモンスターはもう敵では
ありません。
後は、無事にこの森を出れるかどうかです。
前もって、保存食にタピオカを大量に用意
しています。2,3日は遭難しても大丈夫
だと思います。
明日は、昨日見つけた川を下って町を
探そうと思います。
新しいスキルも少し使えるようになりました。
多少は戦えると思います。
1ヵ月もこの森の中にいました。
早く町についてシャワー、お風呂に入りたい
です。ここでは体を水で少し濡らして
洗うだけです。
私は朝日が昇り始めると、玄関の扉を開けて
振り返らずに、北の森の中に入りました。
「絶対に生き残ってやる」
現世では20歳の女性が絶対に言わないと思います。




