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元パチンコ店長の異世界奮闘記  作者: ナガタエモン
第2章 新たなる生活

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031 魔の森からの脱出

 もうすぐ暗くなる。もう少しこの手帳の続きを

 読みたいが「火」を付けて読むわけにはいかない。

 モンスターを脱出前日に呼ぼ寄せて、体力を

 消耗することはできない。

 俺は重要だと思う最後のページだけ読んだ。

 最後のページには


「わ・しは、・日ここ・・出・」


 文字が所々読めない、殴り書きで書いているのと

 おそらくインクが切れたのであろう。

 かろうじて読める部分だけを読むことにした。


 おそらくは・・・

「わたしは、今日ここから出る」であろう。


 次に分かりやすいのは


「・ピ・カだ・・戦・・・・で・る」


 これは・・・・・・

「・ピ・カ」


 ピカ、ピカ、


 ま・さ・か・・

「タピオカ、、、か?」

 おそらくタピオカさんだ!!

 それしかない!!

 8年前にこの世界に来た、最初の転移者の手帳だ!


「戦・・・・で・る」

「戦うことができる、、か?」


 俺は、俺は感動した!!!

 まさかタピオカを武器?に戦うことが出来たのか⁉

 マジか?どうやって?

 それにだ!確かに死んでいない!

 タピオカでこの魔の森を脱出していたんだ!

 やれば出来る。タピオカで脱出しているんだ。


 俺はそれよりも恵まれている。

 収納スキル・疲れるが強化スキルもある。

 金はかかるが玉も出せる。あまり使えないが

 パンチも打てる。


「よし、行ける」


 俺は明日の脱出に自信が沸いて来た。

 そしてありがとう「タピオカさん」

 いつかタピオカさんに会えたなら、お酒でも

 奢りたいと思った。


 もう完全に陽が落ちた。これ以上読むのは

 難しい。残りは明日以降読んで行こう。


 俺は大事にコインロッカーの中に手帳を閉まった。


 【異世界生活31日目】

 おはようございます。いよいよ最終日です。

 まだ外はかなり薄暗いですが、陽が昇ると

 同時に家を出ます。


 いよいよお別れか、、

 少し寂しい気もするが、もしかしたらいつか

 ここに来るかもしれない。

 もうその時は、加護が切れているが

 それでもこの場所は嫌いじゃない。


 俺は最後に忘れ物がないか、最終確認をした。


「1か月間ありがとう。」


 玄関前で振り返り、誰もいない家にお礼を言った。


 相棒のひのきの棒を片手に俺は玄関を開けた。

 外が徐々に明るくなり始めていた。


 真っすぐ北の方角に向けて歩き始めた。


 6日前の調査で北側は下り坂になっているのは

 把握していた、急ぎたい気持ちはあるが、まだ

 早朝で薄暗い中なので、慎重に木から木に進み、

 進む方向を必ず確認して進んで行った。


 陽が完全に昇り切った時、以前巨大カエルに

 出会った川に着いた。


 さて、いるか・・・・

 左右を見渡す・・・・


 いない。


 少しホッとした。最悪ここで3匹のカエルと

 戦闘も想定していたので、最悪は免れた。


 それでも油断は出来ない。カエルの習性を

 知らない俺は早めにこの場所を離れたいと

 考えている。


 まずは川下に向かって進むことに決めた。


 川の広さは5メートル、浅い川だが

 向こう岸には渡らずに歩いた。


 川下に沿ってしばらく歩いた。川の流れ

 ゆっくりで川岸でキャンプするには絶好

 の場所だな・・と思った。


「ん?」

 モンスターの声だ、金切り声が聞こえた。


 ここは狙われやすい、俺は川下から

 森の中に移動した。木の間を抜けながら

 声がした方に向かった。


「あれか、、、結構、多いな」

 川岸にゴブリンがいた。大量に・・・

 

 50匹近くはいるな。その半数は川に入り

 水を飲んでいる。半数は川岸でのんびりしている。


 まだゴブリンからはかなり距離があるので

 向こうは気づいていないと思う。


 個体に差はない。〇〇ゴブリンなどの

 特殊ゴブリンはおそらくいないと思う。


「殺るか」


 俺が進む川下にいる以上は近づけば

 気づかれるだろう。森の中で未知の

 モンスターよりはゴブリン50匹の方が

 倒しやすい。


 またレベル差で向こうが逃げる可能性もある。


 俺はゆっくり音が出ないように最新の注意を

 しながらゴブリンがいる方に移動した。

 

 ゴブリン達までおおよそ20メートルくらい

 に近づいた。


 まずは俺の姿を見て、ゴブリン達の反応を

 見よう!

 

 そう考え、俺が森から出ようとした瞬間!


 反対側の川岸から何かが跳んできた!


 奴だ。巨大カエルだ。しかも3匹。

 おそらく以前、出会った3匹。 


 3匹は即座に舌を伸ばし、ゴブリンを

 丸飲みしている。


 ゴブリン達はパニックだ。


 いきなり現れたカエルに対して、四方八方に

 逃げようと慌てている。そんなゴブリン達に

 対してカエル達は更に1匹ずつ丸飲みした。


「すげーな。」


 素直にそう思った。

 カエル達はまるで自分のエサのようにゴブリンを

 丸飲みしている。


 ゴブリンは半数はカエル達の餌になり、半数は

 森の中に逃げ込んだ。


 食事を終えたカエル達は、川の水を飲んでいる。


 その時!1匹のカエルと目が合った。


 俺は木の側に隠れて様子を見ていたが、

 完全に目が合っている。気付かれたな。


 俺は素直に川岸のカエルの前に姿を見せた。


 1匹はずっと俺を睨んでいる。


 おそらく6日前に睨み合ったカエルだろう。

 残り2匹もこっちを見ている。


 俺は戦う気はないが、それは向こう次第だ。


 長い・・・今回の睨み合いは・・・


 5分以上の睨み合いをしている時


「ゲコ」

 残りの2匹のうちのどちらかが鳴いた。

「ゲコッ」「ゲココ」

 するともう1匹が

「ゲロッ」「ゲロロロ」

 こちらを睨んでいるカエルが

「ゲココ」「ゲッコゲコゲコ」

 最初に鳴いたカエルが 


 何を言っているか分かる訳ではない。

 カエル語ってあるの??


 俺も「ゲコッ」って言った方が良い?


 ただ雰囲気は悪い方ではないと思う。


 どうしよう?


 敵ではないと伝えれば良いのだが・・・


 無駄に戦いたくはない。


 そうだ、食べ物を渡そう。そんなに知能が 

 低いとは思えない。食べ物を渡せば敵ではない

 ことは伝わるはずだ。


 カエルの好物はなんて知らないので、

 俺は冷蔵ロッカーにある食料から

 「干し肉」「野菜」「果物」を取り出した。


 戦う意思が無いことを示すためにひのきの棒を

 置いて、カエルの少し近くまで行き、食料を

 置いた。もちろん3匹からは目を離さず・・


 3匹は何が置かれているか気になっている。

 

 俺と睨み合っていた1匹が近づいて、匂いを

 嗅いでいる。そして舌を伸ばして干し肉を食べた。


 食べている姿を残り2匹は見ている。


「ゲコ」

 干し肉を食べた1匹が鳴くと、残り2匹が

 干し肉を食べた・・・


 俺はその食べている姿を黙って見ていた。


 干し肉を食べ終わった3匹がこっちを見ている。


 俺は、両手を上げて川下を下りたいと

 ジェスチャーで歩くポーズを示してみた。


「通じるか?」


 とにかく指を川下の方を指して、歩くポーズを

 繰り返した。


 ・・・・・・

 ・・・・・・


「ゲコ」

 睨み合っていたカエルが不意に鳴いた。

 そして振り返り、森の中に跳んで行った。

 

「すげー、飛距離」

 思わず言った。


「ゲコココ」

 最後に何か言われた。


 分からないが、恐らく敵意がある

 鳴き声ではない。


 おそらくだが・・・

「気を付けて行けよ」

「達者でな」

 みたいな感じに聞こえた。知らないけどね。

 

「ありがとう」

 俺はカエルたちに一礼をした。

 野菜や果物は食べないみたいだから回収した。

 まあ干し肉は全部無くなったが。


 俺は再び川下を下って行った。

 当面の危機は去った。


 何時間歩いただろう・・・


 陽が傾き始めた時についに見つけた。


 川に架かる「橋」を・・・


 この世界に来て初めて人に関われると感じた。

第2章はこれで終了です。

ここまでのお付き合い、ありがとうございます。

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