030 脱出前日に
3匹のカエル・・か・・
1匹は俺を睨んでいる、残り2匹は
こちらには気づいているが、仕掛けてくる
感じではない。
睨み合うこと、数分・・・
反転して、森の中に戻っていった。
俺は握りしめていた、ひのきの棒の握力を
緩めた。
カエルの大きさは約1メートル、巨大カエルだ。
毒々しい色ではない。緑色の日本でもよく
見かけるアマガエルに似ていた。
向こうが戦う気が無い以上、こちらも戦う
ことはしない。
「無益な殺生はしない」
俺の大好きな剣士のセリフを呟いた。
本当は助かった!!と思っています。
家に帰ろう・・とりあえず収穫はあった。
家に着くころには夕方になっていた。
帰りは登りだから時間がかかったのだ。
家に戻り、夕食後に今後の方針を決めた。
東=オーク系魔獣?
西=ゴブリン・罠の可能性
南=崖・登ればある程度は周りの地域が把握
北=川、カエルは難敵だが、川沿いを行ける
今日の周辺捜索で分かったことだ。
散策ではなく捜索に格上げだ。
まあ答えは「北」だな、残りは危険だ。
問題はカエル・・・
カエルとの戦闘は避けたい。絶対に勝てない
とは思っていないが、カエル自体が嫌いだ。
戦わなくて良いようにすれば・・・
カエルは俺のレベルと同じくらいか
少し上だろう。
モンスターはレベル差があれば襲ってくるし、
逃げることだってある。
まあ、あと5日間で少しでもレベル上げをする。
そして今ある、食料を少しでも多く残して、
生存確率を上げること。
余った食料は冷蔵ロッカーに保存しておこう。
最初にもらった食料はまだ少し余裕がある。
問題だった「水」は川があるお陰で、
解決した。これが「北」に向かう大きな
理由の一つでもある。
明日からの5日間は最後の仕上げだ!
【異世界生活26~30日目】
おはようございます。
今日で30日目、ここでの生活の最終日です。
この5日間は疲れました。なるべく外で戦う
ことに慣れるために家の周りを散策して
いましたが、中々モンスターが来ません。
レベルが上がったおかげなのか、
探すのに苦労しました。結局、家の前に
果物や干し肉を置いて、戦う方法で
倒していきました。
レベルは昨日、ようやく12に上がりました。
新しいスキルはありません。
前回【コインロッカー】と【冷蔵コインロッカー】
という非常に使いやすい
スキルをもらっているので文句はありません。
さて、ここで戦うのも最後か・・・
朝食を軽く済ませて、いつも通り玄関前に
干し肉と果物と野菜を置いた。
ゴブリン・一角ウサギ・スライム、そして
今日は犬?も来ていた。
夕方までモンスター狩りを戦利品を回収した。
戦利品はコインロッカー、食料は夕食で食べる
もの以外は、全て冷蔵ロッカーに閉まった。
ここに来た時に身に着けていたスーツ類も
ロッカーに閉まった時・・・
「そういえば、タバコがあったな」
久しぶりにセカンドバックからタバコと
ライターを取り出した。まだ夕方だから
火をつけても大丈夫。
家の中は禁煙だな・・・ここに来た時に
初心者マニュアルを読み終わったら、
タバコを吸おうとしたけど、モンスターの
襲撃に会って吸えなかった・・・
家の外に出て、タバコに火をつけた。
煙の行方を見ながら、ここに来た時の
ことを考えた。
「最初、来たときはビビッて出れなかったな」
今はレベルも上がってるからモンスターも
近づかなくなっている。
家の周りをタバコを吸いながら感慨深く
歩いていた。ちょうど流し台の方にある
扉の所に来た時、
草の中に手帳らしいものを見かけた。
ピンク色の明らかに女性が使う感じの物だ。
「これは・・・」
俺のではない。周囲に人なんていないはずだ。
女性が使いそうなちょっと分厚い手帳・・
「俺より先に来た、転移者か?」
確か・・あの時、ゼウス様は誰かを・・
「思い出した。タピオカと高級生食パン」
どちらかの手帳か・・
俺がこの世界に来るときはまだ死んでいない
と言ってたしな。
「いつか出会えるかもしれない、とりあえず
俺のセカンドバックでロッカーに保管か、」
まあ、でも何かしらの情報があるかもしれない。
俺はタバコを消して、家の中に入った。
まだ夕方、明るいうちに読んでおこう。
・・・・・・・手帳を開く・・・・・・・
「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」
「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」
「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」
「死ぬ」「死ぬ」「死ぬ」「死ぬ」「死ぬ」
「死ぬ」「死ぬ」「死ぬ」「死ぬ」「死ぬ」
「死ぬ」「死ぬ」「死ぬ」「死ぬ」「死ぬ」
「殺す」「死ぬ」「殺す」「死ぬ」「殺す」
「死ぬ」「殺す」「死ぬ」「殺す」「死ぬ」
「殺す」「死ぬ」「殺す」「死ぬ」「殺す」
あのー、なんだろう・・・・
呪いの手帳ですか??
1ページ目から10ページ目まで
「殺す」と「死ぬ」しか書いてない。
しかもかなり汚い字?で、
やばいことになっているなぁ・・
精神的に追い詰められた感じが出てる
文字から「恨み」しか読み取れない。
まあ気持ちは分かる。
俺も最初はそうだったよ。
優しい気持ちで手帳の向こう側にいる人を
思い描いた・・・




