104 昼食は人気店でした
草原地帯を歩いているが何も起きない・・・
以前は大ネズミがいたんだけどなぁ、
遭遇しないのは、マリーシャから言わせると
俺のせいらしいけど・・・
そんなに強くなった手ごたえはないんだけどね
しばらく歩くと草原が少なくなってきた。
草木がなくなった先には砂利と赤土が見えている
「もうすぐですね、
この先に以前、龍族が作った廃墟の町があります」
「龍族が作った町だったんですか?」
「はい、
町というよりは補給基地のような感じですけど」
「その辺りに討伐対象のブロックゴーレムが
いるんですか?」
マリーシャは少し考えて
「そうですね、
ブロックゴーレムは町の近くにある岩の中
に化けて襲ってきます」
「岩に化けて?」
「はい、擬態しています、
なので見分け方が少し難しいですね」
擬態って・・・たしか生物が生存戦略として、
姿・形・色・においなどを周囲の環境や他の生物に
似せることで、敵から身を隠したり獲物を
おびき寄せたりする現象だったよな、
でも岩だよね・・・
これも異世界あるあるなのか、、、
「この先に大きな岩がたくさんあります。
おそらく龍族が町を作るために持ってきた
岩だと思います。その中にブロックゴーレムは
擬態しています」
なるほど、、、
龍族が町を作るために運んできた
石材の中に化けている
草原地帯を抜けた俺たちは先に進むと
遠くに建物があるのが見えて来た
「あれが、廃墟の町ですか」
俺がマリーシャに聞くと
「そうです、あれが昔、龍族が作った町です」
遠くから見ても大きな町だったことが分かる
プロストンの町ほどではないが岩づくりの町だ、
すでに廃墟になってからかなり時間が
経っているのが分かる
そして町の近くには大きな岩、小さな岩が
所々に放置されている、
中には岩が綺麗な四角になっている物もある
町の外で岩を削り、建物の材料にしていた
ことが分かった
「どうしますか?
すぐにブロックゴーレムを探しましょうか?」
マリーシャが聞いてきたので
「いえ、一回休みましょうか?
もうお昼ですので」
「分かりました」
ちょうど座れる石があったので
そこで休憩をとることにした。
「あの、すみません、
急いで来たので、食事するものが
何もないです」
マリーシャが頭を下げるので
「いえいえ、謝らないで下さい。
昼ごはんは俺が用意していますので
大丈夫ですよ」
そう言って俺はコインロッカーを
召喚して、先ほど購入したサンドウィッチと
ミルクティーを取り出した
「私の分も用意してくれたんですか?」
「当たり前ですよ、
自分の分だけ買うなんてできないですよ、
遠慮せずに一緒に食べましょう」
そう言ってマリーシャに昼ごはんを渡した
「ありがとうございます」
マリーシャが嬉しそうに受け取ってくれる
「本当に気にしないでくださいね、
パーティーを組んでいるんですから、お互いで
足りない所を補完するのは当たり前です」
一口サンドウィッチを食べる、
これは美味い!
さすが昼には売り切れると店員が言ってたのは
間違いないだろう!
マリーシャもサンドウィッチを食べると
「これは、、、、」
「美味しいでしょう?」
俺が聞くと
「中央通りのパン屋さんですね、
たしか、、店の名前は『小麦と肉』ですね」
凄い!一口食べただけで分かるとは、
やはりこのエルフ嬢、ただ物ではない!
「凄いですね、
俺はたまたま入った店で買ったんですよ、
店名を見ていないので分からないですけど、
おそらく合ってると思いますよ」
「間違いないと思います。このお茶の水筒を
貰えるのはプロストンの町では
そこしかないはずですから」
マリーシャは自信をもって答えた
サンドウィッチは卵と葉の野菜
それに薄い肉をたくさん挟んだものだ
シンプルだが美味い、
肉がミルフィーユになっているので
ボリュームもある
そしてこのお茶だ、
少し甘いミルクティーの味に似ている
以前マリーシャにもらった紅茶に近いと思う
「このお茶は私が普段飲んでいるお茶と一緒です。
おそらく牛の乳が入って甘くなっていますが
お茶の苦味も少なくてとても美味しいです」
「良かったです、
俺がたまたま入ったパン屋でしたが
店選びは間違いなかったみたいですね。
店員さんもお昼には人気のサンドウィッチは
売り切れると言ってたので美味しいとは
思っていましたけど」
「はい!完璧です、
コウキ殿が入ったパン屋さんは、
値が張りますけど、冒険者たちにも
大人気です、
特に階級が高い冒険者たちは
大量に買って依頼に行きますよ」
俺たちは楽しく昼ごはんを食べ終えた
・・・・・
それでは仕事に戻りますか、
一応は討伐依頼を引き受けている
討伐できなければ罰金が待っているのだ、
お金はまだ持っているが、罰金は嫌だ!
「ここからどうしたら良いと思いますか?」
ここは冒険者としての経験がある
マリーシャに聞いた方が早い
「そうですね、
もう少し近づかないと分からないですけど、
あの岩の中に擬態している魔物なので、
安全面を考えて少し離れた所から『投てき攻撃』を
行うのが良いと思います」
「分かりました、
では動きがあったら教えてください。
俺はスリングショットを構えて進みますので」
そう言って俺は大きな岩が積まれている場所に
向かって歩き始めた、
マリーシャは俺の後ろを歩き、側面と背後を
警戒してもらっている
前方には2~4メートル近くの大きな岩が
たくさんある、
この中にブロックゴーレムは擬態しているらしい
「ブロックゴーレムは群れを組む習性はない
はずです。
各々のテリトリーで獲物を狩っている魔物です。
だから複数で襲われる危険は少ないと思います」
なるほどな、
たしかにゴーレムが群れを組んでいるとは
俺も思えないな、
ゴーレムと言えば単体のボスキャラという
イメージを持っている
岩が多くある近くまで来た。
ここまでは魔物の気配を感じないな、
俺は【サンド】からパチンコ玉を取り出した、
本当なら投げた方が早いとは思うが威力が違う、
まずはショットガンのようにパチンコ玉が
飛び散るイメージでスリングショットを
放ってみよう
「1回、ここから攻撃してみますね」
俺がマリーシャの方に向いて言った
マリーシャは黙って頷いた。
俺は10玉ほど挟んでゴムを引いた
まずは正面にある岩に向かって放った!
おお!!!!
俺が投げるより、やっぱり威力が違う!
パチンコ玉は岩に弾かれずに、
全弾が見事に貫通していた。
まあそんなに硬い岩じゃないかもしれないけどね
「すごい・・・」
後ろで見ていたマリーシャが呟いた
しかし、岩には反応がないな、
当たったのはおそらく3個の岩だ
「当たった3個の岩はブロックゴーレムでは
なさそうですね」
俺がマリーシャに聞くと
「おそらく、、そうだと思います」
すると俺が一番当てた正面の岩が崩れていった、
俺の前にはまだまだ岩がたくさんある、
ならば片っ端から打ってやる
俺はもう一度【サンド】を召喚して
パチンコ玉を握りしめた。




