000 いざ開店
「グランドオープンまであと3日!」
この看板を店舗の前に出す日が来たのだ、長かった・・・
この訳の分からない異世界に来て、早5年。ようやくここまでたどり着いた。
思い出すと涙が出る?いや出ない・・だってまだ1円?も儲けていないから
パチンコ店のグランドオープンは赤字が基本、全台下手をすれば大赤字を覚悟しなければならない。
機械代だってかなりの額がかかっている。設備代金、地代、人件費、税金などまだまだ
金はいくらあっても足りない。従業員の教育だってまだ完璧ではない。
それでも自分がここまでたどり着くには長ーい話になる、付き合ってくれるか?
俺の名は公希元・パチンコ店の店長をしていた。
そもそも異世界でパチンコ??俺もそう思う、でも娯楽が酒と娼館くらいしかないこの世界に
少しでも娯楽を提供しようと考えたのだ、人間の3大欲求「食欲」「性欲」「睡眠欲」
これはこの異世界でも何とかなりそうだけど、刺激が足りない、いや冒険者ギルドで依頼を受けて
魔物を狩れば刺激はあるかもしれないけど、あれは命がけだ。というか魔物を狩るには
武器、防具、魔法など様々必要だ、俺も出来ないことは無いがかなーり、めんどくさい。
グランドオープンの看板を設置しながらそんなことを考えていた・・まあこれからが本番だ