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第90話:『鬼人島の島民、悪霊鬼の封印』

毎日18時投稿!・・・予定です(なるべくがんばります)

(囲まれてますね。たぶん・・・歓迎はされません)

(予想通り、だな)


 次の瞬間――


 音もなく数十の影が樹上や岩陰から飛び出した。角を持つ鬼人たちだ。彼らは一斉に武器を構え、アクスたちを取り囲む。


「止まれ、侵入者!」


 先頭の男が声を張り上げた。身に纏う装束は黒を基調とし、所々に銀糸が走っている。目立たず、しかし鋭い――まさに影の一族という印象だ。


 カグヤが一歩前に出ると、周囲がざわめいた。


「ま、まさか・・・!?」


「その姿・・・国母こくぼ様・・・!?」


 ざわめきが広がる。影護の鬼たちにはカグヤの面は割れているようだ。


「お久しぶりです、影護の戦士たち。我々は争いに来たのではありません」


 カグヤが穏やかな声で言うと、鬼人たちは一瞬だけ動きを止める。


「話がしたい。そちらの族長に会わせて欲しい」アクスが声をかける。


 先頭の男は目を細め、しばしアクスを値踏みするように見つめた。やがて低く唸るように言った。


「・・・族長はもういない」


 その言葉に、カグヤの肩がびくりと震えた。


「・・・いない?キジカ殿は――」


「案内してやる。話を聞きたいなら――付いて来い」


 森を進むと、鬼人島の奥に広がる石造りの集落が見えてきた。中央には朽ちかけたやしろが建っており、その前に集まっていた影護族たちが一斉に振り返る。角を持つ者たちの視線が、カグヤとアクスに注がれた。


「・・・国母様だ」


「本当に・・・」


 ざわめきが一層大きくなる。


「元々私は・・・いえ、私はもう国母ではありません。今はただの一人の剣士です」


 カグヤが静かにそう告げると、場の空気が少しだけ落ち着いた。


 彼らの長老格と思しき老人が前に進み出た。白髪を後ろで束ね、深い皺の刻まれた顔には厳しさと疲労が滲んでいる。


「遠き地より来た者よ・・・影護の里へよくぞいらした」


 囲炉裏を囲みながら、長老は語った――この島に起きた惨劇を。


 族長が夜行族やこうぞくから和解の申し出を受けた約定の場で暗殺されたこと。

 その混乱の中、夜行族が攻め込み、影護族が本島から追い出されたこと。

 封印の祠に近づけなくなり、封印の力が日に日に弱体化していること――。


 アクスは黙って聞いていたが、その内容は酷すぎるもので、彼の表情も徐々に険しくなっていった。


「今は夜光族などと名乗っているようですが、本来は夜行族・・・夜の誰も見ていないときに悪行を成す一族です。人々を護ると言いながら、裏では影護族を装って人を攫い食っているのです」


 長老の声は怒りと悲しみに震えていた。


「彼らは国から護衛料を受け取りながら、裏では人を食い恐怖を煽り、さらなる金を搾り取る。ただ、財と命を吸い上げるだけの害悪・・・!」


 その言葉に、カグヤは唇を強く噛みしめた。


「祠を奪還しようと関所まで攻め込んだこともあります。しかし夜行の狙いが見えたので退却しました。あれは・・・わざと我らに攻めさせ、人間の恐怖を煽るための策略だったのです」


「防衛戦に一度も姿を現さなかったのが何よりの証。奴らに国を護る意思などありません」


 囲炉裏の炎がパチパチと音を立て、橙の光が影護族たちの顔を照らす。その中で、長老は静かに、しかし重々しく言葉を紡いだ。


「・・・奴らの本当の狙いは、この島ではない。本島にある――〈封鬼ふうきほこら〉だ」


 その名が出た瞬間、場の空気がぴたりと凍りついた。影護族の若者たちでさえ、その言葉に背筋を伸ばし、表情を引き締める。


「封鬼の祠?」


 アクスが眉をひそめる。


「そこには、古の時代に我らの先祖が封じた〈悪霊鬼あくりょうき〉が眠っている。夜行族は、その封印を解き放ち――復活させようとしているのです」


 長老の声には恐怖と怒りが入り混じっていた。


「我ら影護族は、その祠の封印を代々護ってきた一族・・・影から国を護る、それが我らの名の由来。しかし、祠に近づけなくなって久しい。封印は日に日に弱まり、このままでは・・・」


「悪霊鬼が・・・復活する」


 カグヤの声が低く震えた。

影護族の歴史


かつて鬼人族は一つに纏まっていました。というより鬼人は鬼人なので、特に決め事等無くでも同種同士で仲良く暮らしていました。群れのトップはやはり獣人と同じく最も強い個体が率いるというものでしたが、特に国という概念は持っていません。鬼人島と呼ばれている島が発祥とされていますが、歴史を記した書物など無いので詳細は不明です。その鬼人島にとても強く気性が荒い個体が産まれ、島をめちゃくちゃにしだしたので、島の鬼人たちが総力を結集して討伐、隣の島(ジバン皇国)の山の中に封印しました。当時は島から厄介な存在を追い出したかった一心で隣島に封印してしまいましたが、ジバンにも生きる人たちがいる事を認識し、せめてもの誠意として、自らを影護の民と称し、封印した祠を鬼人たちが代々護って監視してきました。


人物イメージ画像一覧はコチラ

https://ncode.syosetu.com/n1501lc/

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