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無能転生者、何もせず遊んでたら異世界救ってました。  作者: 真理衣ごーるど
╰╮第9章:レオバルド獣王国編╭╯
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第80話:『獣王の牙、獣王に牙』

毎日18時投稿!・・・予定です(なるべくがんばります)

 勝者、ライガル。


 だが、見届けた使者――鷹獣人のファルクスはくちばしを食いしばり、悔しさを隠そうともしない。


「ふざけるな!こんな決闘など無効だ!」

「はぁ!?お前が決闘って言い出したんじゃねぇか!」

「うるさいうるさい!認めん!ワシは認めんぞ!」


 怒鳴り散らす声は怒りというより、どこか焦りのようなものを帯びていた。ワシじゃなくて鷹だろなんてツッコミは入れられそうにない。


 その時、場の空気を裂くように新たな足音が響いた。


「そこまでだ」


 現れたのは、銀灰の毛並みを持つ老いた狼獣人。黒い外套に獅子の紋章を刻んでいる。


「獣王国宰相、グラディウス様の名代である。陛下が謁見を許された」


 場内はざわめきに包まれ、アクスたちは獣王との謁見の間へと通される。


 ――そして。


 黄金の柱が立ち並ぶ広間、その玉座に座っていたのは、異形の存在だった。


 下半身は四足のライオン、筋骨隆々とした人間の胴体、そして頭はたてがみを誇る大ライオンそのもの。手の形は人間のようだが一回り大きく、爪は鉤状になっていて、前腕まで毛が生えている。


 その巨体から発せられる圧は、空気を重くするほどだった。


「獣王国国王、レオングラード・ヴァルザーク陛下の御前である!その場にて控えよ!」


 宰相グラディウスが荘厳に名を告げる。


 レオングラードは鋭い眼差しでアクスたちを見渡し、ふっと鼻を鳴らした。


「ふん・・・竜を従えていると聞いていたが、まだ赤子ではないか」


 その声は低く、玉座の間に反響した。


 パルマは震え、平伏の姿勢を取る。ライガルたちも形式的に跪いたが――アクスは立ったまま動かない。


「無礼者!早く控えぬか人間!」宰相グラディウスが即座に叱責する。


「俺はこの国の人間じゃない。従う義理はない」アクスは冷淡に一蹴する。


 その言葉に広間がざわめき、宰相が怒気を孕む。だが、レオングラードは豪快に笑った。


「ははは!面白い、中々の胆力だ。人間風情にしては骨がある」


 王は愉快そうに笑いながらも、金色の瞳でパルマを射抜いた。


「その美しき兎人の娘を我に差し出すのだ。我が愛人として迎えよう」


 獣王の突然の言葉にパルマの顔は蒼白に染まり、息を呑む。

 アクスは一歩前に出て問いかけた。


「一応聞くが・・・獣王さんよ、彼女を幸せにする気はあるのか?」


「貴様はここでは部外者だ。答える義理はない」レオングラードは冷淡に一蹴する。


 意外に頭の回る意趣返し、そして”この場では答えられない”という明確な回答に、アクスの胸に、怒りがじわりと広がった。


 ライガルが一歩前に出て獣王に報告する。


「恐れながら獣王様、先程使者が連れてきた最強の戦士長とやらと決闘し勝利しました。なのでこちらにはそのお話を断る権利があります」


「ライガルよ・・・貴様には期待していたんだがな、獣王の牙が獣王に牙を向けるとは皮肉な話だ」王はにやつきながら答える。


「この国のルールは弱肉強食のはず。こちらが使者の決闘に勝った以上そちらは諦めるべきだろ」アクスが反論。


「使者とは・・・こいつの事か?」


 兵士によって運び込まれたのは先程の使者と戦士長・・・の首。仰々しく皿に載せられ、まだ血が滴っている。


「こいつらが何かしたのか?報告は聞いていない、死人に口無し、決闘の勝敗など知らん!」そう言いながらも、口元は確実ににやけている。


 国の現状、兵士や王の態度を見てアクスは確信する。こんな奴の愛人なんて絶対ろくな扱いされない!偏見でも思い違いでも関係ない。


 パルマに判断を委ねる訳にもいかない。震えて平伏する彼女には断る権利も力もない。護衛を任された以上、ギルドに帰るまで必ず守り通す。


「こうなったら直接対決しか無いな」アクスは獣王に決闘を申し込む。


「クク・・・面白い、いいだろう。そういえば・・・」


 獣王は牙をむき出しにして怪しい笑みを浮かべながら承諾する。


「・・・まだ人間は食ったことが無かったなぁ!」


 宰相グラディウスが慌ただしく口を挟む。


「陛下、しかしこのような――」

「黙れ!」


 咆哮と共に空気が震え、宰相の言葉は掻き消された。

人物紹介:獣王国国王レオングラード・ヴァルザーク


 ライオンの特殊獣人、男、15歳(人間で30歳)


 下半身が四つ足のライオンで、ライオンの首の部分から人間の上半身が生え、頭はライオン、腕は人間とライオンのミックスのような珍しい形態。レオタウロスと名付けられた過去に前例のない希少種。その力は強大で、ライオンの戦闘力に加え、武器を扱う器用さ、頭の良さも兼ね備え、前王をあっさりと食い殺し国王の座を簒奪した。出自や家族関係は不明。


 奇形の為親に捨てられた孤児だったのではという噂はあるが、話に出した途端肉食といえど食刑にされそうなので、誰もこの話には触れない。草食獣人のハレムを築いているスキモノで、ハレムで何をしているかも明らかにされていない。


人物イメージ画像一覧はコチラ

https://ncode.syosetu.com/n1501lc/

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