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第71話:『最強格の種族、魔晶石の行方』

毎日18時投稿!・・・予定です(なるべくがんばります)

「お前たちは弱くなんかない。その肌を見ろよ。闇に最適化して、むしろ進化したんじゃないか?」


 一同が互いの肌を見合い、ざわめく。


「・・・何だ、この黒さは」

「闇そのもののようだ・・・」


 ノアが解析結果を告げる。


(闇の魔力を過剰に取り込んだ結果、肉体が適応しました。魔力量はハイエルフ並、身体能力は獣人並、筋力はドワーフ並。総合的には最強クラスの戦闘種族です)


 アクスは魔道具で鑑定した風を装い、ノアの解析結果を長老に伝える。


「更に深い闇のエルフ・・・ダークネスエルフ、なんてどうだ?」


 アクスが笑って提案すると、歓声が広場を埋め尽くした。


 この瞬間、アルセイデアに新しい最強格の人種族<ダークネスエルフ>が誕生した。しかしこの事は世間には一切公表されず。彼らはこれからも影の存在として文字通り暗躍する事になる。


「こんな見た目になった我らを受け入れてくれるのか?」

「見た目は関係ないよ。あんなうまい燻製肉つくる奴らが悪いやつな訳がない。それに一緒に酒を酌み交わしたらみんな仲間さ!」


 これまでずっと自分たちは世間から嫌われ迫害されていると思い続けていた。外との交流を心では望みながら、見た目と力の劣等感から外に踏み出す勇気もない。そんな自分らを、目の前の青年は認め、受け入れ、仲間だと言ってくれた。こんなに嬉しいことはない。


 心に響いたダークエルフたちは頭を垂れる。


 長老が安堵の表情を浮かべたその時、黒かった長老の肌色がみるみる薄くなり、元の褐色に戻っていく。


「これは・・・皆の者、心を静めめ力を抜くのじゃ」


 長老の言葉に、ダークネスエルフ達は目を閉じ胸に手を当て、心を静める。皆の肌色も戻っていく。


「一時的なものだったか、悪いな、ぬか喜びさせちまった」アクスは頭をかく。

「いや、そうではないぞアクス殿」


 長老は魔力を練り、腕に力を込める。肌がみるみる黒くなり、腕だけがダークネスエルフの見た目になった。


「見た目と力は自在に操れるようじゃ。これで普段は普通のダークエルフとして目立たず行動できるぞい」細身の老体にムッキムキの黒腕、違和感しか無い。


 他のダークネスエルフ達も部分的に肌を黒くして遊んでいる。見た目問題と上位種バレ問題は

 大丈夫そうだ。


「ところで・・・」ふと、アクスは重要なことを思い出した。

「・・・魔晶石、どこいった?」


 広間の奥――長老の座の後ろに鎮座していたはずの、あの巨大な闇の魔晶石。

 闇の魔力の源泉を吸い続け、日ごとに大きくなっていたという一族の秘宝。


 だが、どこを探しても影も形もない。


「・・・おい、起きろミサンド」アクスはクライムサミットの霧を解除させ、詰問する。

「な、なんだいアクス・・・さん」

「魔晶石は?」

「え、あれ? どこいっ・・・いや、知らないさね! なんでアタシに聞くんだい!」


 ミサンドは手元に証拠がないのをいいことに、露骨に目を逸らしてとぼけだした。


「いーや、ワシは見たぞ!」長老が声を上げる。

「お主らが夜中に魔晶石を盗み出したのをな!」

「ハッ! 寝ぼけて夢でも見たんじゃないかい? 寝言は寝て言いなよ耄碌もうろくジジイが!」


 クライムサミットの面々も口を揃えて知らぬ存ぜぬを貫く。場は再び険悪に包まれ――。


「・・・ガルルゥ」


 その瞬間。広場の入り口に、黒き影が立ち現れた。


「ひ・・・」


 アンネスが悲鳴を漏らす。


 姿を現したのは――影猫の五十倍はあろうかという巨獣。

 漆黒の毛並み、光のない金色の双眸そうぼう

 もはや子猫というより大虎。威圧感は魔人以上だ。


「・・・な、なんだい、あれ・・・!」


 ミサンドが膝を震わせ、へたり込む。


「う、嘘でしょ・・・あのバカ猫の・・・親玉?☆」

「おっ、おっきぃ・・・」


 以前、惨めに敗れた影猫の“さらに上位存在”が現れたようにしか見えない。


「ひっ・・・ご、ごめんなさい! 許してぇ!」


 クライムサミットは青ざめ、全員土下座。


 そして――。


 ダークエルフの民たちも、一斉に跪いた。


「おお・・・闇の王よ!」

「我らを・・・導き給え!」


 忠誠は完全に影猫に向けられていた。


「んん!? なんで影猫に忠誠!?何がおきた!?」


 アクスのツッコミなど誰も聞いちゃいない。


 ノアから念話が飛ぶ(アクス様、ご報告が2つございます)


 1つ目は魔界の源泉から魔力を根こそぎ吸い取り、ゲートを閉じたとの事。魔界の誰かの所有物な気もするが、どうせ魔人共はろくな事には使わないだろうし、今回の迷惑料という事で良しとしよう。


 2つ目は里の集落に黒猫が複数おり、一族のシンボルとして愛でられていたそう。たしかに全身真っ黒な生物といえば黒猫くらいしか思いつかない。その黒猫が一族のピンチにより覚醒し、里を救った・・・と勘違いしているようだ。よし、黙っておこう。


 巨影猫は「ガルル・・・・」と威厳いげんまといひと鳴きし、満足げにアクスの足元へちょこんと座り込む。


「おぉ・・・何と、アクス殿の配下であったか」


 長老は深々と頭を垂れた。


「ならば我らも、アクス殿、いやアクス様の配下となろう」

「え?・・・あ、あぁ・・・」


(また配下が増えた・・・今度は部族ごとだよ・・・)


 アクスは頭を抱えた。


 崩れた洞窟の瓦礫を片付ける大人たちの隣で、子供たちが笑いながら走り回る。


 リオルがダークエルフの子供と取っ組み合って転げ回り、ルーシェが両手を広げて「こっちですよー」とはしゃいで逃げる。雷牙も子犬の姿で混ざり、ワンワンと吠えながら追い駆け回る。


 笑い声が里に戻った。


 闇の民の居場所に、ようやく光が差し込んだのだ。


「ところで・・・」アクスは、まだ気がかりを忘れていなかった。

「結局、魔晶石ってどうなったんだ?」


 その時――。


「・・・がるぅ」


 足元の影猫が、満足そうに喉を鳴らした。口元から、かすかに黒い魔力の残滓が漏れている。


「・・・まさか・・・食ったのか・・・?」

「がるー♪」


 とても可愛い声で鳴き、しっぽをぱたんと揺らす影猫。


「・・・おまえかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 アクスの叫びは、里に響き渡った。


 それを合図に、また子供たちの笑い声が弾けた。


 ――こうして、ダークエルフ達は壊滅の危機から救われ、彼らはアクスと共に歩む新たな道を選んだのだった。

人種族の強さランキング


個体差もありますが、おおよその目安として強い順にこんな感じです。

ノア(神の創造物)

人化した竜(厳密には人ではない、ミレイユ等)

天使、天人(ヴァネッサ、カグヤ)※エマも人ではないがこの辺

ハイエルフ(森の中)

竜人(竜の割合100%、ガルザ―等)

魔人(序列によって力が大きく変化。詳細不明)

ダークネスエルフ(闇の中ならガルザ―以外の竜人より強い) New!

ハイエルフ(森以外)

ハーフエルフ(戦闘スキル持ち)

エルフ(森の中)

ドワーフ(戦闘スキル持ち)

人間(戦闘スキル持ち)

肉食獣人

竜人(竜の割合10%、ちょっと強い人間)

エルフ(森以外)

蜥蜴人

ダークエルフ

草食獣人

ハーフエルフ(戦闘スキルなし)

ドワーフ(戦闘スキルなし)

人間(戦闘スキルなし)


 アクスとノアの存在により、最強の存在の上に最弱の主を置くことで、絶対的だったヒエラルキーがループするようになりました。まさにトランプのジョーカー!


人物イメージ画像一覧はコチラ

https://ncode.syosetu.com/n1501lc/

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引き続き次回作もお楽しみ下さい♪

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