表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能転生者、何もせず遊んでたら異世界救ってました。  作者: 真理衣ごーるど
╰╮第6章:ドラヴァルト王族編╭╯
42/96

第42話:『ダークエルフの生態、ハーフエルフの性能』

毎日18時投稿!・・・予定です(なるべくがんばります)

 謁見を終え、控室で一息ついていると、扉が軽く叩かれた。


 現れたのは王城の執事長だ。何が起きても眉一つ動かさず全く動じないあの執事長だ。


「アクス様、鋼鉄の誓いの皆様。両殿下がお待ちです。どうぞ王室サロンへ」

「え!サロン?・・・行く!」メリルがはしゃいでいる、その目は期待でキラキラと輝いていた。


 案内された先は、さすが王城というべき豪奢な空間だった。陽光が差し込む大窓、深紅の絨毯、銀器と陶器がきらめくテーブル。そこに座していたのは、王子アルディスと王女ルーシェだった。


「ようこそ、こちらへどうぞ」


 アルディスが立ち上がり、椅子を勧める。テーブルの上には香り高い紅茶・・・だけではなかった。琥珀色の酒と、香ばしい干し肉、そして唐辛子をまぶした豆菓子まで並んでいる。ザンガの目がキラリと光る。


「おいおい・・・少しはわかってきたじゃねぇか、王子さんよぉ!」


 ザンガが笑いながらグラスを掲げる。アルディスは耳まで赤くなっていた。

 酒と茶を楽しんだあと、アルディスとルーシェは改まった様子で頭を下げた。


「師匠、先ほどの子爵の非礼、改めて謝罪します」

「本当に申し訳ありませんでした」

「いやいや、むしろ助かったよ。かばってくれてありがとうな。二人共かっこよかったぞ」


 アクスの言葉に、二人は同時に視線を逸らし、にやける顔を堪えながら頬を赤くした。


「とはいえ、あの言いがかり、少しモヤっとするな・・・何かすげー睨んでたし」アクスは肩をすくめる。

「がっはっは、心配ねぇさ旦那」ザンガが豪快に笑う。

「冒険者は噂好きだ。特にAランク絡みとなりゃ尚更だ。今回の件はこのザンガがギルドの酒場で尾ヒレつきで広めてやる、あの子爵の依頼は激減するだろうよ。冒険者を敵に回すと怖ぇんだぜ?」


 弟二人も「任せとけ」と乗り気だ。そういう事では無いと思うんだが・・・まぁいいか。


「そういえば、獣人たちはどうなったんだ?」アクスの問いに、ルーシェが答える。

「彼らは獣人さんの中でも、その・・・いわゆる”狩られる側”の種族ですので、獣人国から逃れてきたそうです。なので国に送る事は出来ませんが・・・王都は人手不足。種族ごとの特性を活かせば重宝される人材となるでしょう」

「奴らは人間より鼻が利く、耳が良い、目が良い、足が速い、ってな、種族ごとの特性があるんだ。それにこう言っちゃあ何だが奴隷の環境を逞しく生き延びてんだ、根性はあるだろ。むしろ引く手数多だよ」


ザンガがうなずく。


「その他の亜人さんも、王都で職を探すか、見込みのある方々は冒険者になる予定です。皆様々な理由で国を追われた者たちです。冒険者であれば受け入れは問題ないかと。少々失礼な言い回しになってしまいますが…」アルディスの声に、わずかな申し訳無さが混じっていた。


「・・・そうだ、中にダークエルフもいたな」アクスが重い空気を変えるように話題を逸らす。

「はい。エルフとの関係が不明だったので保護した際は王都に連れてきましたが、今回の訪問でエルフとの関係は少々冷ややかありますが、表立った敵対はしていないと判明しました。今後森国との国交が安定すれば、ダークエルフ送還の仲介をお願い出来るかもしれません。現状では彼らの生態は不明な点が多く、拠点の場所どころか実在するかも定かではないのです」ルーシェが肩を落とす。


「まさに影みたいな連中だな!なんてな!」少し酔ったザンガがおちゃらける。高い酒だからって飲み過ぎだ。結構度数高いぞこれ。


 ・・・話が一段落し、自然に解散の空気になる。


 メリルとヒュメルを馬車に乗せ、王城を後にする。鋼鉄の誓いは王都がホームなのでここでお別れ、王都を出て、転移でアークに帰還した。


 帰還すると、ノアが笑顔で出迎えてくれた。

 アクスはメリルとヒュメルにノアを紹介する。そのままアークの説明と案内をノアに一任する。そしていつもの中央ラウンジのソファに腰掛けた。


(・・・やっと全部終わった。長くて面倒だったが、まぁ楽しかったな)


 とはいえ、今回もアクスはほとんど何もしていない。ノアの助言どおり動き、喋り、移動はチャリオと雷牙、カグヤが戦い、アクスはそこに居ただけ。あとは周りが勝手に動いただけだ。


 旅の思い出を反芻はんばくしていると、影猫と雷牙、そしてエルフ少女たちが群がってくる。美従士たちは壁際で静かに控えている。順番に撫でていると、メリルとヒュメルが戻ってきた。皆を紹介し、「お前たちと同じ境遇の子だ」と告げると、少女たちは笑顔で抱き合って迎え入れた。ヒュメルはハーフエルフだが、エルフ少女たちは特に気にしていない様子だ。

 ヒュメルは緊張した面持ちで、少し顔を赤らめている。


(そういえば、この中で男子は俺以外初めてか・・・ん、雷牙はどっちだ?・・・フェンリルはまぁいいか)


「アクス様、ヒュメルの能力についてご報告がございます」ノアの表情が少し強張っている。

「なんだ、なんか変なことでもあったか?」アクスは少し緊張しながら報告を聞く。

「変、というより・・・驚くべきことですね。ヒュメル、あなた、スキルを持っています」


 ノアは落ち着いた声で説明を始めた。スキルは本来、人間と一部のドワーフにしか宿らない。獣人はスキルが無い代わりに身体能力が高く、エルフは魔法適性が高い。竜人は全部高い。人間は各種族のステータスの低いとこ取りといった感じで最弱だが、スキルが輝く分野では無類の力を発揮する。戦闘系に限らず、建築、農業、裁縫、鍛冶・・・あらゆる分野にスキルが存在し、それぞれが自分の得意分野を極めた結果、ヒト種では最弱の人間が最も文化を発展させる事ができている。


「スキル持ちかよ、すごいじゃないか! それで、どんなスキルだ?」

「ヒュメルのスキルは――戦闘系です」

「おぉ戦闘系・・・高性能ハイスペックだな!」


 ヒュメルは状況を理解できずぽかんと口を開けたままだ。


「簡単に言うと、君は戦いの場で常人離れした力を引き出せる素質を持っています。それに加えて――エルフ同様魔法適性も高い」ノアは未知の存在に少し興奮気味だ。


「・・・おいおい、それって人間とエルフのいいとこ取りじゃないか」アクスが口笛を吹く。


「え・・・俺、そんなすごいの?」ヒュメルは困惑しながらもアクスに期待の目を向ける、

「すごいどころじゃない。いつか最強の冒険者・・・お前が冒険者になるかどうかは自由だが、とにかく、間違いなく将来有能になるぞ!」

「そうか・・・うん、おれ頑張る!頑張って強くなって・・・そして最強の冒険者になる!」


 ノアは柔らかく微笑み、アクスに視線を向けた。


「では、今後はしばらく美従士たちの手が空いている時間に、交代で彼の戦闘訓練を担当させます」

「お、そりゃ贅沢だな。素敵なお姉様達に――好きなだけしごいてもらえ!」

「・・・やっぱり、ちょっと怖いかも」ヒュメルは苦笑いを浮かべた。だがその瞳には、ほんの少しだけ期待の色が宿っていた。


 一方、メリルはまだ4歳。今はただのびのびと育て、今の他の少女たちと同じくらいの年になったら教育を始めればいい。10人の少女が11人になったところで大差ない、アークは今日も平和だ。


 8日後、チャリオと共にエリシュナに帰ってきた。早速ギルドに行き達成報告する。


「アクスさんすごすぎですぅー。もうSランクになってもおかしくないですぅ~」


 パルマは冒険者を持ち上げるのがうまい。いつも元気なので報告に行くのは少し楽しみだ・・・もう少し声を小さくしてくれるとありがたいのだが。


「あぁ、あとちょっと報告したいことが」

「ますたーですね?アクスさんが来たら通すように言われてるですぅ~」何だ、この察しの良いガルドは・・・なんか見透かされているようでむかつく。

「おう、やっと帰って来たな、アクス」パルマもそうだがガルドも大概声が大きい。

「あぁ、ちょっと報告したいことがあってね」アクスは席ににすわり早々に話題に入る。


 状況をかいつまんで説明する。王女と王子の護衛任務は完了、名誉騎士爵位を貰った、エルフとハーフエルフの子どもを預かり拠点で仲間が育てている、そして・・・


「ハーフエルフの子どもを鑑定したら、戦闘スキル持ちだった」

「へぇ~戦闘スキルねぇ・・・は?スキル?ハーフエルフにか???」

「あぁ、俺もびっくりした。しかもエルフ同様魔法適性も高い」

「・・・おいおい、それって人間とエルフのいいとこ取りじゃねぇか」ガルドが口笛を吹く。

「(俺と全く同じ反応すんなよ)・・・で、今回連れてきたハーフエルフは3人、残り2人は王都で面倒見てもらっている。その2人も鑑定したら何か出るかもなって話だ」

「なるほどな・・・わかった!ギルドから王城に報告しよう」


 これでハーフエルフのお株が上がり、より重宝される事だろう。アクスは一息ついて、テーブルに置かれたお茶に手を伸ばす。その時、ノアから念話が届いた。


(アクス様、緊急のお知らせです。セレフィナ王妃が・・・暗殺されました)


 ・・・は?

 ヒュメルの適正武器はナックル、スキルは身体操作です。身体操作は強化、回復、反応上昇、など物理的なバフを体にかけ、脳の司令以上に想い描いた体の動きが可能になります。その分負荷も高いですが、超回復により使えば使うほど強くなります。加えて魔力の強化も行えるので、最終的にはバッキバキのグラップr……じゃなかった魔法闘士として大成します。


 若いうちから才能に気づき、完璧な栄養管理と、強者による指南、本人の目的もやる気もはっきりしている状態なんて、まさに英才教育を受けた天才!ヒュメルの今後が楽しみですね!


 ……いーや王妃様!!!?


人物イメージ画像一覧はコチラ

https://ncode.syosetu.com/n1501lc/

当作品を閲覧頂きありがとうございます。宜しければ


・☆評価

・ご感想(一言でも嬉しいです)

・グッドリアクション

・ブックマーク追加


の4つをご協力お願い致します。m(_ _)m

皆様の反応が今後の執筆活動の励みになります。


引き続き次回作もお楽しみ下さい♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ