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周辺事情

馬場信春「勝頼様に当主への就任をお願いしたのは、先程述べた理由だけではありません。周囲の状況が、信勝様の自立まで待つ事が出来ないのが大きな要因となっています。」

内藤昌豊「比較的安定しているのは関東であります。北条氏政との同盟により、駿河の国東部と甲斐全域の安全が確保されています。」

高坂昌信「しかしこの関東にありましても上野には不安定要素があります。これは私が管轄する信濃北部も同様であります。その原因となっているのが上杉謙信。上杉とは長年に渡り対立。現在も関係は冷え切った状況にあります。ただこの10年。問題は発生していません。その要因となっているのが……。」

馬場信春「越中の一向宗の活用であります。彼らを動かす事により、謙信の目を北陸に向けさせる事が出来ています。これは此度の上洛戦でも大きな効果を発揮しました。」

高坂昌信「私や真田信綱がここに居る事が出来ているのがその証拠であります。」

山県昌景「で問題となりますのが、織田徳川であります。先程、跡部殿が述べましたように我らと織田との関係は修復不可能な状況にあります。ただ、今決戦するのは得策ではありません。信長が待ち構える美濃中部は織田の本拠。我らの想定を超える備えが施されていると見て間違いありません。そして何より懸念すべき材料があります。それは……。」


 鉄砲と弾薬の備蓄量の差。


山県昌景「兵の運用には鉄砲と弾薬は不可欠であります。しかしその鉄砲と弾薬を手に入れるのが難しい状況にあります。その原因となっているのが。」


 織田信長による経済封鎖。


山県昌景「向こう有利な地でのいくさは避けるべきと考えています。一方の徳川についてでありますが、戦局はこちら優位で推移しています。ただそれが可能となっているのは山岳地帯と海に限られ、街道筋の拠点は徳川が押さえています。(武田水軍を率いる)小浜景隆が三河湾にまでの進出を果たしていますが、堀江に宇津山。吉田や田原と言いました徳川の補給拠点を、我ら陸の部隊が確保する事が出来ていません。」

武田勝頼「街道筋を抑えるには?」

山県昌景「数年単位の攻城戦を覚悟しなければならないかと存じます。」

武田勝頼「徳川と織田は同盟関係。浜松にも……。」

山県昌景「佐久間信盛が入っていました。佐久間が連れて来たのが3000でありましたので、戦局を大きく揺るがすものにはなりませんでしたが、そこに……。」


 今、美濃に居る織田信長の主力部隊がやって来たら……。


武田勝頼「鉄砲の差に苦しめられる事になる?」

山県昌景「勝頼様の仰る通りであります。」

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