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4/13

その頃、京では

 武田信玄が亡くなる少し前、織田信長は上洛。目的は足利義昭との和睦。当初、将軍足利義昭は拒絶するも、信長は上京に兵を容れ焼討。御所周囲を砦で囲み、兵糧攻めにすると同時に天皇を動かし義昭に対し講和を斡旋。4月7日講和は成立。翌日、信長は足利義昭に会う事無く岐阜へと移動。武田信玄との決戦に備えたのでありました。

 4月27日。足利義昭は、京に居る織田信長の家臣に和平の順守を誓約させられたのでありました。


足利義昭「信長の野郎!……今に見ておれ。もうじき信玄が美濃に入る。奴の命もそれまでよ。後は私がここで信長追討の旗を掲げ、朝倉本願寺を動かし……織田の残党を各個撃破。武田を迎え入れる態勢を整える。その時……。」


 奴(織田信長)を何処に晒してやろうか……。


上野秀政(足利義昭家臣で、武田との連絡を担当)「将軍様。」

足利義昭「ん!?また信長が、ごちゃごちゃ言って来たのか!?」

上野秀政「いえ。違います。武田信玄より書状が届きました。」

足利義昭「おぉ!新たな成果が認められているのであろう。して内容は?」

上野秀政「……それが。」


 駒場。


跡部勝資「将軍様には真実をお伝えした方が宜しいかと。『病気』や『糧道の確保のため』と書いてしまいますと、却って期待を持たせてしまう事になってしまいます。その間、将軍様が信長に対しぞんざいな態度で接する恐れがあります。将軍様は現在、信長に守られています。我らが上洛しない以上、両者の関係をこれ以上悪化させるのは得策ではありません。」

馬場信春「将軍様の周りには、織田と繋がりがある者が多い。それらに知られる恐れは?」

跡部勝資「上野であれば問題ありません。それにいづれ御館様の死は世間に知られる事になります。ならばその情報をいち早く将軍様にお伝えする事が、今我らが出来る精一杯の奉公では無いかと。」

馬場信春「間に合えば良いのだが……。」


 京。


足利義昭「信玄が……死んだ……。」

上野秀政「無念であります。」

足利義昭「私はこれから……。」

上野秀政「将軍様は今し方、信長との関係継続を確認されたばかりであります。これを遵守していただければ。」

足利義昭「っうぐ!!」

上野秀政「将軍様が信長と相対さない限り、信長は将軍様を蔑ろにする事は出来ません。我らが動くのは、我らが信長に勝つ事が確実になった時であります。一時の感情に流されてはなりません。」


 駒場。


跡部勝資「我らと織田の関係を拗らせたそもそもの原因は将軍様。これにより我らは、我らと織田。どちらかが倒れるまで戦わなければならなくなりました。一方の将軍様は、信長に頭を下げて居さえすれば身の安全が保障されます。これぐらいの我慢はしていただかなければ困ります。」

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