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あなたのお名前は?5
『私は大好き、とよく呼ばれていました!』
そう発した彼女の顔はとても誇らしげで眩しすぎる。
思わず顔を覆うと
『あの……?』
と彼女が不思議そうな声をかけてきた。
と、尊い……。
何とか気を取り直して彼女に向き合う。
「そう呼ばれていたということは、愛されていた証拠ですね。」
この言葉に彼女はますます笑顔になった。
こっちもつられて笑顔になる。
だがしかし困った。
大好きと呼ばれていた記録はパッと見ただけだと分からない。
「承知しました。少しお時間いただきますが、橋口真奈さんのルリーブルを読み込んでみますね。」
「お願いします。」
彼女が頭を下げたのを確認し、私は改めてルリーブルに向き直った。