朝起きたら美少女になってた
「う〜ん、今何時?」
まだ眠く重い眼を擦りながら起き上がる。
ふと、違和感を覚えた。
(なんかいつもより視点が低いような気がする)
取り敢えず気の所為だと思いつつ、そのままいつも通り洗面所へと顔を洗いに行く。
顔を洗ってタオルを取ろうと顔を上げると、そこには漫画やアニメでしか見たことのない美少女がいた。
銀髪ロングヘアの碧眼に、整った顔立ち。
鼻の線も細く、少し吊り目の俗に言うクール系美少女だった。
「えっ!?誰!?」
見たことのない美少女が鏡に映っていたので、つい驚いて呆けてしまった。寝起きのまだエンジンのかかっていない頭で取り敢えず一分程鏡に映る美少女と睨めっこしてみたが、一向に動く気配はない。
「・・いや、ホントに誰?」
覚えのない人物に思わず首を傾げる。
すると、鏡面に映る美少女も同様に首を傾げた。
「んっ!?もしかしてこれって俺!?」
恐る恐る震える手で自分の頬をつねる。しかし、帰ってきたのは頬の痛みだけだった。
「え・・・ホントにこの美少女が俺なの?」
あまりにも現実味がなくて暫く鏡の前で思考停止していると、パタパタと慌ただしい音が聞こえてきた。
「華恋ちゃん?朝からそんなに騒いで何してるの?」
やって来たのは、多分兄さん・・の筈・・。しかしそこに居たのは、兄さんをそのまま女性化させたような銀髪ボブカットで碧眼のボーイッシュなお姉さんだった。
「え・・兄、さん?いや、だれ・・?」
「兄さん?霞お姉ちゃんでしょ?どうしたの?今日の華恋ちゃんおかしいわよ?」
(・・霧矢兄さんの面影はある。でも、そもそも兄さんが姉さんになるなんてことがおかしい・・一体何がどうなってるんだ?というか華恋ってだれだよ・・いや・・もしかして・・)
「華恋?それってもしかして俺のこと?」
「そうよ?他に誰がいるの?・・ホントに大丈夫?なんだか今日の華恋ちゃんおかしいわよ?もしかして体調でも悪いの?」
(もう何が何だか分からない。どうなってるんだ?兄さんも何故か姉さんになってるし・・意味が分からない・・取り敢えず落ち着きたいから一旦部屋に戻ろう)
「少し体調悪いからもう一回寝てくるね・・」
そう言って俺は自室に戻ろうと踵を返す。
「大丈夫?学校にはお姉ちゃんが連絡しておくわよ。それと何か困ったことがあったらお姉ちゃんに連絡しなさい。それじゃ、お姉ちゃんは大学行ってくるわね」
自室に向かいながら手を振る。
「今日は安静にしてなさい」
「分かったよ」
兄さん・・いや姉さんは不安そうに大学に向かっていった。
どーも、作者です。私は元々読み専でしたが、TS誘い受け百合という性癖を満たすため書き始めました。垢BANされないことを切に祈ります。