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足をはやめる


 神官のセイテツと違い、大臣が仕立てる役神は、八百万の神たちのように、小さなモノだ。

 木の匙がそのまま人型になったそれは、スザクが経をうたっているところへと駆け込んでくると、甲高い声で『たすけろ』と騒いだ。



「―ヒョウセツが、前の月にみた、どうにも気になるがあると言っていただろう?」

 そういえばそんなこともあった気がする。


 壱から四の宮の大臣たちが集まって、月に一度、三月みつき後の卦をみる。


「試しに再度、水を張ってみたらしい」

 ほお、あの面倒くさがりな男がめずらしいと感心したセイテツの息があがりはじめている。いつのまにやら、ほとんど駆け足になっていた。


「水が濁ったと」

「・・・そりゃまた。邪魔が入ったか」


 水に、見られてはほしくないものが映らぬように。



「だが、声だけが助けを求めたらしい」

「水の中からか?」



 邪魔が入っても、ヒョウセツが張った水に気付いた、というからには、助けを求めた者は、それなりの『力』がある者だ。



「何かに襲われているみたいだと」

「そりゃ、いそがないと」


 最初から言ってくれればよいものを、と絵師も本気で足をはやめた。





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