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おとぎばなし ― ことのおこり ―  作者: ぽすしち
そうして、

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42/52

おれの従者だ


 確かに、二人ともそろって見場は良い。が、つながりを見つけるのは難しい。

 坊主は、よくみれば、目元涼しく口元締まった、いい男だが、不機嫌な面がまえで眼光鋭く、色黒く、ごつくてでかいうえに無愛想。一方、姉である女は、少し目じりの下がった目鼻立ちあでやかな、色の白い、何をしても華のある、社交的な女だ。


「五年、いや、六年ぶりか?」

 サモンが指を立てて考える。



「ほんと、よかったな?」

 セイテツが、子どもに礼も言わない坊主をつついた。

「・・・そうか・・」

 太い腕を組んだ坊主が、なにやら思いついたようにつぶやく。


「『よろしく―』、というのは、・・シュンカのことも、なのか・・?」


 ・・・なんというか・・。セイテツは己の頭よりも、この坊主の頭の中をかきむしってやりたくなる。



「セイテツ、あきらめろ。何度も言うが、馬鹿なのだ」

 断言したのはやはり、姉である女だった。



 今頃になってなにかを納得した坊主は、そんな周りの様子などかまわぬように、子どもに歩み寄る。

「それならば、おれと姉上は、シュンカに借りができた。借りをつくったままなのは好きじゃねえし、お袋殿に返事をしちまったのもある。おい、シュンカ」

「はい」


「その赤い石はおまえが持ってろ。その石ごと、おれが責任もってやる。今からおまえは、おれの従者だ」

「・・・は、はいっ!」


 返事をした子は、驚いた顔のままセイテツをふりかえった。



「―まったく、おそいんだよ、おまえは・・」

 セイテツが皆の代弁をし、とにかく、ひと安心となったとき、コウセンに抱えられたままの子どもが、大人たちからの視線にこたえるように、微笑んだ。



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