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おとぎばなし ― ことのおこり ―  作者: ぽすしち
そうして、

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31/52

やめないよ



今日もまた、朝陽も昇らぬうちから、役神どもがさわがしい。


 うたえ、とか、わらえ、だとか命じているのを耳にして、坊主は舌打ちとともに身を起こす。



 伍の宮の中、扉をあけた廊下に怒声が響き渡った。




「 っめえらあ!いいかげんにしねえと 塩漬けにして化け猫に食わせんぞおっ! 」



 

 きゃあーと高い声をあげた小さな役神えきがみたちが逃げる。


 転んで泣き出すものを、拾った子どもが助け起こして坊主を振り返る。


「スザクさま、すみません、おれが」

「そうだ。てめえが甘い顔してるから、そいつらが調子にのんだ」

「・・・はい・・」


 うなだれる子どもの手からとびおりた役神が、たたた、と坊主の足元に走った。


「・・・おい。いてえぞ・・・」

「わああ!す、すみません!」


 男の脛に食いついたそれを、駆け寄った子どもが慌てて取り、何度も頭を下げるのを、大きな息を吐いて坊主は止めた。


「―もういい。こいつらのまとめは神官どもだ。セイテツに話に行かせる」


 いいおいた坊主の背が扉のむこうに消え、子どもはそっと役神を下へおろす。


 小さな人形のような役神が、心配そうにみあげてきいた。


『クソ坊主、嫌?シュンカ、やめる?』


「やめないよ。せっかく認めてもらえたんだから」




 そうなのだ。


 坊主と絵師に会ってここに来たのがもう三月ほど前。



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