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おとぎばなし ― ことのおこり ―  作者: ぽすしち
まずは、

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30/52

なんだ?



 子どもはほうと息をつき、黙ったままの坊主を見上げた。


「・・すみません・・・勝手な願いを、いたしました・・・」



 眉を寄せて子どもを見下ろす男は何も言わない。


 見かねた絵師が、おいスザク、といらついた声をかける。

「シュンカはおまえを選んだんだぞ。なんつうか、―― しかたなくでもあるけど・・」


「し、しかたなくでは、ありません」

 焦ったような声で否定した。


「本当に、スザク様の従者になら、なりたかったのです。でも、その、・・・おれみたいな子どもが、勝手に、スザク様に聞きもしないで、ミカドに、・・その、スザク様、・・怒ってらっしゃるのでは・・・?」


 最後は小さな声になり、自信もなく坊主に問う。



 

 目が合った男は、まだ眉根を寄せたままだが、ようやく何かに気付いたようにこう言った。



  「 ・・・なあ、『従者』ってなんだ?」


 



 六年以上、一人で坊主業をこなしてきた男が、そういう存在を知るのは、これからのことだった。






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