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人間は変わってく




 そりゃあ、昔は《下界》の人間が、なんでも供してくれたから、金など必要なかったさ、と四の宮の大臣、コウセンはふだを投げてわらう。



 この男は、天宮の出入りと、大事な『シャムショ』をしきる責任者でもある。

 四十をすぎた身なりを気にしない、無精ひげが顔の一部の男だ。

 酒が好きでセイテツはよく飲みに誘われるのだが、飲むのは天宮の草原くさはらだ。



「人間は、だんだん変わってゆく」

 コウセンは顎先をかきながら、札をよむ。

 変わってゆくことが良いのか悪いのかは、口にせず、ただ、静かに笑って札を出した。


 床に車座になって遊びは進む。


「うむ。昔は東西南北、どこの将軍も、仲が良かった」

 言って、これでどうだ?と札を出した壱の宮の大臣サモンは、人間だった頃、北の将軍の息子だった。


「西の将軍が変わってから、うまくないな。会ったことがあるが、ありゃあ、ひどいようだ」

 セイテツは、坊主と仕事の帰りに出会った一群を思い起こした。




 狩猟の帰りらしく、猪や狐などの骸を積んだ車を引いたその黒い集団は、昇り旗を誇らしげに掲げ、馬に乗った将軍を真ん中に、我が物顔で狭い道を後ろから進んできた。


 もちろん坊主と絵師は、それを避けようとも思わなかった。

 こちらが先にそこにいたのだ。

 勝手に追い越せばよかろうと考えていたのに、「きさまら」と声をかけられた。



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