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おとぎばなし ― ことのおこり ―  作者: ぽすしち
まずは、

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29/52

後悔するなよ



「ふざけてやがる」


 坊主が前に進み出た。


「てめえはいっつもそうだ。冗談じゃねえ。これ以上、好きにさせるかよ。-― このシュンカは、伍の宮で預かる」



「ほお。おまえが?だが、それはどうかの。おまえ、そのいい色の頬は、昨日コウセンに殴られたのだろう?」


 白く長い尾をくるりとさせる。


「わしはミカドだぞ。それよりも、そこなクソ坊主を選ぶか? まあ、人間の気持ちから離れてるといえば、わしもその男もあまり変わらんがなあ」


 眠たげにあくびをした猫を、子どもは、ミカド様、とはっきりおだやかに呼んだ。



「 スザク様は、『クソ坊主』などではありません。 おれは、― スザク様の従者になります」


「・・・・ものずきな・・・」


「そして、スザク様にお願い申し上げます。おれの里に、一度、弔いに行っていただけますか?」


「・・・なるほどな。それで、下界にもどるか」

 にゃあ、と猫が笑い、ゆらりとまた子どもになった。


「よかろう。シュンカ、伍の宮に入れ。そして今からおまえは坊主の従者だ。・・・後悔するなよ?」


 にやりと子どもが笑い、ゆらりとゆがむと、玉座には何も残らなかった。




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