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おとぎばなし ― ことのおこり ―  作者: ぽすしち
まずは、

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23/52

いいかげんにしろ


 コウセンは気付かないふりで、どうしてだ?と聞いた。


「・・かあさ、母が、里で待ってるから・・」


「・・そうか」


「はい・・父が亡くなったのも、早く、知らせないと・・・」




   「いねえよ」



「スザク!」

 子どもを抱えて強張った顔をしていた絵師が止めるが、遅かった。



「おまえのお袋殿も、もう、この世にはいねえ」


「・・え、なんで・・」


「おまえのいた里は、焼かれてる」


「そ、それは知っています、が、おれと父さんは、あいつらをひきはなすように、すぐに山のほうに逃げ込んで」


「せっかくだが、それでも里は丸焼けだ。人間までな」


「スザク、いいかげんにしろ!」

 絵師が怒鳴ったとき、坊主が懐から何かをだした。



「これを、持っていた女を知っているか?」

「   そ  」


「黒く焦げた里人と一緒に埋めるつも―」

     


        いやああああああああああああああああ!

 


 セイテツの腕のなか、子どもが取り乱して叫び暴れ、坊主は無精ひげの男に殴り飛ばされた。




「 ―― いいかげんにしろクソ坊主。子どもいじめてどうするよ?」


 ふるった拳を振って開いた男は、今度は子どもへ、その手をのばし頭をつかんだ。


 こどもはぐたりと気をうしなう。



「・・・この子はしばらく眠らせておけ。事の説明にはセイテツをよこせ。今おまえを見たら、また殴りたくなっちまう」


石畳のむこうで身を起こした坊主に指をつきつけ、シャムショの責任者は横たえられた骸へ寄っていった。





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