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おとぎばなし ― ことのおこり ―  作者: ぽすしち
まずは、

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21/52

門をくぐる



 坊主がぬいだ衣で父親の骸をおおい、再度背に負う。

 そこからは、だれも口を利くような余裕もなく、三人でただ黙々と先を目指した。


 二人のばかでかい大人に遅れをとらないよう、子どもは必死で足を運び、セイテツに何度か、あしは平気か?とたずねられたると、平気です、としっかりこたえた。

 

 三日目の陽がすっかり昇るころ、めざした場所の入り口に着いた。

 

 

 「わ・・・」

 

 三日ぶりに子どもが感情を表す。

 

「驚いたか?まあ、そうだよなあ。―― よくがんばったな。いくら坊主の着物をかけていても、やはり親父殿をはやく眠らせてやりたかったから、おれたちの速さで進んだけど、おまえ、よくついてきたなあ」


 セイテツはこどもをかかえあげた。


 こどもは「そ、そんな、あの」ともがいて降りようとする。


「この階段、その足じゃ登れないだろう?」


 見上げた子どもが声をもらしたのも無理からぬほどの、『果てが見えぬ』階段だ。


 ただ、仕掛けはある。実際は、下からみあげたほどの長さはないのだ。


 雲を突っ切る階段などと、下界ではいわれているが、冗談ではないと下界とここを行き来する絵師などはいつも思う。


 

 やたらと人間が来ないようにそんな仕掛けをしてあるのだが、その幻を操っているのが、この宮の門番をしている二頭の《イヌ》だった。



「ほお」

「これはまた」


 門の左右で普段は石の置物になりすましているそれがしゃべると、子どもがまた声をあげた。


「めずらしいものを」

「おもしろいものを」


うんだ。イヌのようだが、下界の犬と同じに扱うと、すごく怒るから」


 セイテツが紹介してやると、抱えたこどもが「シュンカです」と頭をさげて名乗る。


 二頭はめずらしく、シュンカまた会おうぞ、と人間の名をよばわった。





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