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あいつらが
「―― 生き返らせるなんてできません。それは、―たとえ出来たとしても、やっちゃいけないって・・・」
きれいになった父親の顔を、着物の袖で拭って子どもは事のしだいを語りだした。
「・・・気付いたら、おれにはそういう『力』があって、役に立ちたかったから、誰にでもしてあげました。でも、・・・父は反対だったみたいです。あんまり、嬉しそうじゃなかったし・・」
「噂は、広まるのが早いからな」
絵師に、はい、と子どもはうなずく。
「近くの里人までだって、父が決めていて。話もこれ以上広まったら、もうやらないと言っていたら、あいつらが来たんです」
黒い着物の男が。
「最初は、父だけとなにか話して、帰っていきました。父はおれには教えてくれなくて、すぐに里長のところになにか相談しに行きました。そうしたら、きのう・・・」
大勢の兵を引き連れて、再度男はやってきた。将軍がお待ちだと言って。




