表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おとぎばなし ― ことのおこり ―  作者: ぽすしち
まずは、

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/52

いっきに 落とす



 震える男の指先が、数度ひどくふるえ、かくんと力をなくすと、こどもの近くにいた若者が突然消え、代わりに、飴色の石が転がった。


「・・・そうか。親父さんんがしたてた役神えきがみか」しゃがんだ絵師が石を拾い上げる。




「―― 父親は死んだか」

 ホムラが忌々しげに舌を打った。





 子どもは目にしていることが受け入れられないのか、ぶらりと手を下げた父親を、固まったように見つめたままだ。


 坊主が「ゆくぞ」と背負いなおし、セイテツに目をながした。

 


 生き残った兵たちが動こうとするのをなぜか黒い男は指先で止めた。



 絵師は、固まったままの子どもの肩に手をやり、その背をそっと押すと、ホムラをみることもなく断言した。




「この子は連れてゆく」



 声はどうにか平静を保てたが、腹のなかは沸き立っている。 





  社をまわったところで、その溜めていたものを一気に落とすことにした。

 




       ど  ずん





 重いものが落ちる音と少しの悲鳴がまじった。

 先をゆく坊主がくっと笑い、いい『土産』だなとめずらしく褒めるが、褒められた絵師の男は、子どものようすが気になって、何もこたえられなかった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ