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第7話:最後尾からの景色

『さあ、一斉にスタートしました。4番のシーブリーズが抜きんでてレースを作っていきます』


飛行態勢:先頭のシーブリーズが勢いよく飛ばしていく。速度は時速80キロと見た


『列がどんどんと作られる。9番人気のホープが殿となり進んでいきます』


私は時速65キロを保ち、列から離れずじっくりと前を観察する


レース場中心にある人工島と囲っている壁の間は上下左右、自由に行き来できるが無理な進路変更は大きくスタミナを消耗させる


空繰遊戯は知力と体力を半端なく使用する

さらに常に色々なパターンを想定しながら飛行するため、少しの油断が敗北に繋がる


幸いなことに、レースでの死亡事故はまずない


私達超能力者、特に飛行型の能力者は全細胞の周りを謎のバリアの様な物で包まれている為、衝撃にある程度耐えられる


しかし、そのバリアの様な物の仕組みは残念ながらタウリンによって増幅する以外今の所解明されていない


バリアのあるお陰か、接触しても基本的に故意でなければペナルティにならない

逆に言えば、妨害するためぶつかってくる可能性もあるということだ


マークしているコスモポリタンは中団の位置

この風の抵抗が生まれる中で彼女は呑気に鼻歌を歌っている

過去のレース映像からはこいつは第二の直線から仕掛けているが、今回もそうなのか?


『さあ、第二コーナーの直前で……何と!コスモポリタンが仕掛けた!一気に前に!前に!前に!』


「フォォォォォォォォォォォ!」


良く響き渡る雄叫びと共に、コスモポリタンが中団を抜け、一気に先頭にいるシーブリーズと並んだ


意外な展開に、後続の飛行少女達に動揺が走ったみたいだ


『今日も酔っているのか?いやいつもの事か!?』

『興奮状態とはいえ、スタミナが持ちますかね?』


あの行為は挑発か?それにしては無謀過ぎる


『ああっと!それに釣られるように、何人かの飛行少女が前に行こうとしているぞ!』


冷静さを欠いたのか、レース慣れしているはずの奴らが余計にスピードを上げる

あの4人は終わったな


『シーブリーズとコスモポリタン、西海道の鬼神コンビは今日もワンツーフィニッシュで終わるのか!そして殿のホープ、未だ速度が変わってません!!そのまま第三コーナーに入ろうとする!3番手のロコモコよりその差何と5メートル!これは凄い!凄いぞ!』


溢れんばかりの歓声が響き渡る


まだだ!まだ耐えろ私!


付け焼刃の脳内シュミレーターだが、ある程度のパターンは想定してきた


安定さを欠いた4人に私が追いつく


そのまま、私達も第三コーナーに入る


「ギア……チェンジ」


私はそう呟き、速度を60から70に上げる


ほぼ団子状となった飛行少女達のすぐ横に着き移動し第三コーナーを飛行し続ける


『さあ、早くも!早くも西海道の2人だけが最後の直線に入った!!そして何と残りの選手が仲良く団子状に飛んでいる!これは3着目が荒れるぞ!荒れるぞ!』


『これは飛連・飛単を買った人の勝ちですね。私だったらこのレースは怖くて3連複なんて買えませんもの』


そして団子状のまま私達は……最後の直線に入った


まだ前の二人は肉眼でもはっきりと見える


今だ……特訓の成果を見せてやれ……


これが……私の本気


「ファイナルブースト……起動」


その言葉と同時に、私の身体は大きく……前進した


『おっと!団子状から誰か抜け出してきたぞ。ん?このピンクの服は……何とホープだ!ホープが抜け出した!凄いスピードで二人に迫る迫る迫る!』


「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」


景色が線となって凄い勢いで流れる


身体に掛かる空気抵抗が重く感じ、呼吸もままならない


だが、何故か、無意識か、前に進める


左腹部の痛みが激しい、だが同時に圧倒的解放感が得られる


『凄いぞ!凄いぞ!あっという間に二人を抜いた!負けじと西海道(旧九州)の二人も抜こうと飛翔!だが追いつけない!追いつけない!』


『これは思わぬ伏兵!90キロか!100キロか!110キロか!これは大波乱!荒れた荒れた!ホープ!そのままゴォォォォォォォォォル!』


どよめきと大歓声が混じる中、私はそのまま力が抜け、約3年振りに湖に落ちたのであった








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