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第19話:占い師マルガリータ

連れて来られたのは、三階にあるフリースペースの一角


そこには黒のテーブルとそれを挟むように椅子が2つあった


他にも、色んな人々がアクセサリーや小物などの露店を広げてる


「ここって……」


「着岸するまで長いやろ?そんなわけでこの船でフリマみたいな事やってるんや。うまくいけば船代もこれでチャラに出来るしな」


「それは知ってるわよ。てか南海道民舐めんな」


「まあ、ここまで来たら私の言いたい事解るやろ?」


そう言って対面に座るマルガリータ


「つまり、占ってやるって事でしょ?」


私もそう言って座る


机の上をよく見るとカードの束があるのが確認できた


「タロット占い?」


「似ているようで違うんやなー。これは【呪詛返し】と呼ばれた特殊な占いや」


そう言って彼女はカードを数枚見せる


蟲や血、毒薬など負の要素が含まれた絵が精巧に描かれている


「これは……悪趣味なカードね」


「うちの家系は黒魔術師や。その黒魔術師が使っていたカードがこの呪詛返しやねん」


「え?まじ?マジな話?」


「せやで。超能力が認められん時代に、うちらは魔術師と呼ばれとったんや。話を戻すとこの呪詛返しの絵にはちゃんと意味がある。気味の悪い物、忌み嫌われる物には邪悪な気が移り易いんや。つまり、人間に付いている邪悪な気をこのカードに移して悩みを解決するわけ。もちろん、このカード1枚1枚に意味があるからそれを踏まえて占っていくで」


そう言って、彼女はカードをシャッフルしていき、再び束にして纏めると、慎重にカードを3枚、私の前に並べた


「さて、先に占い料五千円頂こうか?」


「金取るの?てか地味に高いわね……」


「呪詛返しは邪気の一部をこっちも浴びるからな。ある意味命懸けなんや」


「なるほどね。はいこれ」


そう言って私は五千円札を渡す


「まいど!ほなめくっていくで」


そしてめくられた1枚目


それは血塗られたナイフであった


「……ふむ。ナイフは死期が近いという意味やけど、逆位置だから……あんさん、何か大きな変化があったやろ?人生が180度変わるぐらい。しかもやばい感じに」


当たってる!?


「ま、まあそうね……」


「2枚目は火炙りか。ここで薄汚れた金貨が出ないという事は金絡みではなく、1枚目の組み合わせから外見による変化で葛藤があるが、それでも何とかして前向きに進んでいこうとする意志があるな」


「そうなの?」


「ああ、嫌だと思っていても、心の奥では挑戦に燃えているって感じやな。てか自分、今回のレースいやいや参加したかと見えるが果たして本当にそうか?過去に起きた事が大きすぎて今の目標が小さく見えとる。そうカードが告げてるで」


確かに、半翼人になった事の方が驚きが大きい

レイナ達の前では強がってはいたけど、あれから翼人化についてフィオナさんから詳しく聞けば聞くほど症状は思ったよりも深刻だ

今思うと、このレースと比べたら些細な事じゃないか


「さて、未来を表す最後のカードや。3枚目は剣に貫かれた骸。……逆位置やから第三者からの過度な妨害。そして最後の試練って意味や。つまり、この先あんたは異変に巻き込まれる可能性が高いからその覚悟をしておけって事やな」


「異変って何よ?」


「災害ではなく、大きな事件に巻き込まれるってことやな。それも絶望的な。だけど安心せい。悪い結果にはならん。バッドエンドは回避出来るって事や」


そう言って、マルガリータはカードを山札に戻した


「結論から言わしてもらうで。あんたにこれから大きな試練が待っとる。まずはそれに備えろ。そしてそれを乗り越えた際に、幸せが待っとる。だから今は悩まず、自然体に過ごせ」


いつの間にか、消極的思考と気怠さは消えていた


そうだ。今はこんな事で悩んでる場合じゃない

このレースは翼人化した事に比べると些細な事じゃないか


私にはレイナと幸せになる目標がある

御影賞はほんの前菜に過ぎない


「何や、悩みが吹き飛んだ顔になったな」


「ええ、お陰様でね。ありがとうマルガリータ。ところで何で私に優しくしたの?私は貴方の敵よ」


ルミナスにかなりお熱だったからね


「ああ、あん時はな。やる気もない、欲もない中途半端な飛行少女がルミナスの一族になるのが気にくわなくてな。でも今は違う。飛翔不能後、映像のレースであんたの飛行技術と負けたくない熱意を見てな。誤解しとったんや。あん時はすまんかった」


そう言ってマルガリータは頭を下げたであった



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