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第17話:大先輩

「げっ!酔いどれ女、とブロッサムじゃない」


朱雀賞で競い合った西海道の鬼人コスモポリタンと、越前の金糸雀と呼ばれた少女ブロッサム


はっきり言って珍し過ぎる組み合わせだ


「遠路はるばるご苦労ね。出走登録してないのに南海道に来るなんてどうしたの?」


「ホープちゃんに会いたくてねー。駄目だったかしら?」


そう言いながらも、コスモは私の横に腰かける


その時、レイナの目が鋭くなったのを私は見逃さなかった


「あの……ええっと……」


「ブロちゃんも立ってないで座ったら?ほらほらー」


そう言ってコスモが促すと、ブロッサムは遠慮がちに、レイナの横に座った


「ひ、久しぶりだねホープちゃん、レイナちゃん」


13歳の飛行少女ブロッサム。緑髪の臆病な性格で、度胸試しの為どのレース場にも表れては、苦手を克服しようとしている。


何度か私と戦った事もあるが、全て私に敗れている


実力はまだまだで戦績は前途多難である


「こんにちはブロちゃん!でもコスモはこんにちはしない!」


そう言って不機嫌になるレイナ


「あらあら―嫌われたものねー」


「そりゃあ、あんだけ私を試合前に煽っていたらね」


私は気にしてないが、恋人を馬鹿にされたのだろう台詞を聞いていたのだから機嫌が悪い


「でもねレイナ、私は人によって態度を変えるのはよくないと思うの。例えそれが嫌な相手でもね」


「ホープがそういうのなら……こんにちはコスモ」


「はい、良く出来ました」


「ふーん。まあいいわ」


「それで、わざわざ私に会いに来てくれただけなの?」


「そうつんけんしないでー。今日は貴方に懐かしい人に会わせてあげたくてね」


「懐かしい人って……あんたと私は朱雀賞で会ったばかりでしょう」


「気にしない!気にしない!ほらブロちゃん」


「は、はい……」


そういうとブロッサムは薄型のノートパソコンを開き操作をすると液晶をこちらに向けてきた


『1年振り、いや2年振りねホープ』


そこには縁無しの眼鏡を掛けた、美しい黒髪の美少女が笑顔で映っていた


「ミラクルチャージ先輩!?」


飛行少女の中でも1位2位を争う賞金稼ぎであり、私達の大先輩である


20歳の時に飛行能力が落ち、惜しくも半引退状態


現在は故郷である神戸連合郡(旧兵庫)に戻っているらしい


「ひ、久しぶりですね!」


よく見ると、コスモがにやついて私を見ている


こいつ、私と先輩の関係を知ってるな


『何を脅えてるのかしら?あとミーちゃんって呼んでもいいのに』


「そ、そんな!偉大なる先輩に向かって気軽に言えませんよ!」


まだ私がやんちゃだった頃、調子に乗って野良試合を仕掛けた事があった


その時の私は全戦全勝。負けなしの非正規賞金稼ぎで、飛行少女を見かけては賭け試合を挑むという事をしていたのだ


そしてこの日、私は初めて野良試合に負けた


完膚なきまでに距離を離された上に、この先輩は乱れぬ呼吸でこう言った


「ありがとう。いい準備運動になったよ」と……


その時、私は初めて世界の怖さを知った。同時に私は井の中の蛙であった事を思い知らされたのだ


さらには先輩から腕を見込まれ、飛行少女の推薦状を直々に書いて貰った身なので頭が上がらないのだ


『最近のホープを見てると頑張ってるなぁ、昔の闘志が見えたなぁと思ってね』


「そ、それはありがとうございます」


私の目標、賞金を無理しない程度で稼ぐだけ稼いで早期引退したい


この言葉に、先輩は笑って何も言わなかった


だからこそ会うのは避けたかったが、まさかこんな形で会うなんて思わなかった


『そこでね。ホープに頼みがあるんだけど、今度私が主催するレースに出てくれないかしら?』


その言葉に、私のテンションが一気に下がったのであった











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