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ヴァクトル  作者: 皐月/やしろみよと
2章 女神のレイライン

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35話 独りよがりの戦い

 「そろそろ着くはずだ」


 ヤスィの案内でフルを除いたエフタルたち一同はウルル遺跡へと避難していた。


 「フル、無事だといいけど」


 エリオットが呟く。


「大丈夫。きっと無事よ」


 エリオットを元気づけるようにサーシャが背中をさする。


「そんな無責任なこと教師が言ってもええんか?」


 優しい言葉をかけるサーシャにジャルカラが口を挟む。


「教師なら現実を言うべきなんとちゃうんか。死んでるかもしれんってな」


「そんなことない! きっとフルは生きてるよ!」


ジャルカラの言葉を頭から否定するようにエリオットは怒鳴り声をあげた。


「わかっとるわ。そういう可能性もあるってわいは言いたかっただけや」


エリオットが怒鳴ることに面食らったのかジャルカラは少し大人しくなる。


「わいだって別にあいつが死んだらええと思っとるわけとちゃう。せやけど状況は良くないんとちゃうか」


「それくらい分かってるよ! でも僕は何もできなんだよ!」


 エリオットの目が涙で潤ってくる。


「僕には祈るくらいしかもう…」


目から大粒の涙を流すエリオットをジャルカラは無言で見つめた。


「お前は何もできんかもしれんけどわいは違う」


エリオットの涙が乾ききる前に一言告げるとエリオットの前をジャルカラは去った。


遺跡での荷ほどきを終え、各自休息を取っていたときだった。


「敵襲です!」


見張りに出てていたオドアケル人の一人が走って遺跡へと入って来る。


「武装した一団がこの遺跡へ向かってきています! 我々が潜伏していることは知らないはずなので無差別の遺跡破壊者かもしれません!」


「それは本当か」


ヤスィが反応するより早くエフタルが返答する。


「数はどのくらいなのだ」


「はい。数は200以上です!」


「200か」


「私の護衛団を使う! オドアケルの戦士たちは先の戦いで疲れもあるだろう。ここは私に任せてもらってもよろしいかな、ヤスィ殿」


エフタルはオドアケルたちの長であるヤスィに確認を取る。


「それは構いませんが陛下…」


ヤスィは言いづらいことを隠すように言葉を濁らせた。


「案ずるな。見ればわかる。では行くぞ! お前たち!」


エフタルが颯爽と遺跡を出るとそれに続くように20人ほどの護衛が遺跡を出た。


フルが攫われてから数時間、エフタルは自らの護衛と私兵を使い遺跡への侵略者と対峙していた。

命のやり取りが行われる戦場では敵と味方の区別すら付けるのも一苦労するほどだ。そんな戦場で兵士たちはエフタルの指揮を頼りに果敢に攻め続けている。


「今だ! この好機を逃すな!」


敵が後ろへ後退したとみるとそれを見逃さずエフタルが追撃の合図を送る。敵は武装した集団ではあるがただのならず者の集まりだとエフタルは評価していた。指揮系統が機能しておらず策を講じているとはとても思えなかった。その証拠にエフタルの軍が一歩、また一歩と敵を遺跡外部へと追いやっていた。

武器を持った者であろうと素人と正規の軍人では全くの違いがある。第一に鍛え方が血違う。エフタルの兵士は日々の訓練で身体はもちろん精神も鍛えられている。素人では3人がかりでも足止めにすらならない。

第二に挙げるべきこととしてはエフタルの兵は場慣れしている。数多の戦場を駆けておりくぐった死線の数も多い。そのため一人一人が的確な判断を下すことができ、戦場の動向を読み最善の手を打つことができる。しかし、今回の武装した一団は戦い慣れておらず困惑している者もいるほどだ。

第三に指揮官の有無だ。エフタル率いる救出軍には小隊ごとに隊長がおり戦況を見て柔軟に指示を出し有利にことを運んでいる。しかし指揮官が不在の敵の集団は個々が全体を考えず好き勝手に動いている。そのためエフタル軍の何倍もあったはずの敵の数はものの数分で半分以下になっていた。


 「このまま中央を突破する!」


エフタルたちはそのまま前進していく。敵が息を切らし、その顔に疲れの色が出ている一方でエフタルたちからは微塵も疲労を感じられなかった。


「すげぇ。ここまで圧倒的やと敵さんに同情してまうな」


「ジャルカラ、あなた本気で行くつもりなんですか?」


 遺跡の中からジャルカラとスタルの二人はエフタルたちが敵へと突入する様子を見ていた。


「本気も本気や! あいつには借りがあるからな。やられっぱなしはわいの性に合わんのや!」


 ジャルカラはフルが攫われたと知って当初エフタル率いる救出班に志願したが学生だからと断られた。しかし、フルの救出を何としても手助けしたかったジャルカラはエフタルに黙って遺跡から別の出口が無いか探すつもりであった。

 ここにエフタルが居ると敵に知られた以上はいつ襲われてもおかしくはない。そうなればこちらは籠城するしかなく物資も乏しいため先に倒れるのはジャルカラたちであることは明らかであった。


「そんなことより、なんでついてきたんや! お前は別にあいつに借りは無いやろ!」


「それはあなたを好き放題にしとけば面倒ごとが起きるからですよ! これ以上遺跡調査の邪魔されたくないですから!」


 スタルにきつい一言を言われてもジャルカラはふん、と鼻を鳴らすだけで何も言わなかった。

 二人がじっとしているうちに入口付近にいたエフタル軍は遺跡から離れている敵を討ちに向かったようだった。


「わいは行く。着いてくるなら勝手にしたらええ。そやけど、わいはお前が死んでも責任は取らんぞ」


 ジャルカラはスタルの目を真っ直ぐに見つめる。


「危なくなったらあなたを置いてすぐ逃げますからご心配なく。言っておきますけどあなたのために命なんてかけてられないですから」


「言うてくれるやんけ」


ジャルカラはスタルの返事を聞くと遺跡の入口から外へと足を進めた。

 先ほどまで戦闘が起きていたとは思えないほど静まりかえっていた。下を見ると死体がごろごろと転がっているがエフタルの兵の死体は一つも見当たらなかった。


「なんで外に出るのんですか。死にたいんですか?」


「死にたいわけとちゃうわ。けどこれから死ぬような目に合うかもしれんからな」


 ジャルカラは空を見上げた。雲が覆っていて薄暗く、エフタルたちは一瞬で遥か遠くに行っていた。


「エフタル殿下の兵はさすがやったな。誰も死なずに倍以上ある敵を蹴散らしてもうた」


ジャルカラはスタルの問に答えずに現状の感想を述べた。


「話のそらし方が下手すぎません? まぁ、それだけ国の正規軍は強いってことですね。もしあなたが殿下の軍に同行してたらここに転がってるのはあなたの死体ですね」


 ジャルカラはスタルに言われたことを想像して背中に悪寒が走る。


「じゃかましい! わいが弱いことくらい、わいが一番分かっとるわ! 黙っとけ!」


「はいはい」


 ジャルカラはスタルを怒鳴りつけると死体の服を漁りはじめた。


「まさか、フルさんを助けたいってのは噓で死体を漁る目的でここまで来たんじゃないでしょうね? もしそうなら本当に軽蔑します。もうしてますけど」


 ジャルカラはスタルに指摘されても顔色ひとつ変えない。


「違うわ。わいは弱いってさっき言ったやろ。武器くらい持ってないと生き残ることさえできひんかもしれん。わいは死にに来たんと違うんじゃ」


「持ってても死ぬんじゃないですか?」


「持ってるんと、持ってないのとは大きな違いやと言ってるんじゃ!」


 ジャルカラは死体から2丁の拳銃を拝借する。


「弾はまだあるな。ほれ、お前にもやるわ。持っとけ」


スタルは小さくありがとうと言ってジャルカラが見つけた銃の一丁を受け取る。


「ほな、行くか」


銃を大事そうに胸の内ポケットにしまうとジャルカラは遺跡へと戻って行った。


ジャルカラが遺跡へ戻ると遺跡の奥へと進んで行く。その後を追うようにスタルが進む。

突き当りの部屋まで着くとジャルカラは周囲を見渡して気になったところを調べていた。壁の岩一つ一つ触ってみたり床の模様をなぞってみたりと細かいところまで調べていた。


「着いてくるんなら見てるだけやなくてお前も手伝えや!」


ジャルカラに名指しされたスタルはジャルカラの奇行とも言うべき調査を黙って眺めているだけだった。


「私はあなたが変なことしないか見張りに来ただけですから」


「お前はこんなウルル遺跡で足止めくらったままでええんか!」


ジャルカラの鬼気迫る言葉にスタルは少したじろぐ。


「そりゃ、ずっとこのままでいいとは思ってないですけど…」


「そんなら手伝えや!」


「はいはい、やればいいんでしょう」


めんどくさいという思いを隠しもせずにスタルはとぼとぼとジャルカラと反対方向の壁へ歩いていく。


「何か見つけたら些細なことでもわいに絶対言えよ! わかったか!」


「めんどくさ…」


「今なんか言ったか!」



「言ってないですよー。私は調査にヘリアンカの調査に来たのであってこんな遺跡を調べにきたんじゃないんですけど」


 愚痴をこぼしながらもスタルは黙々と作業を続ける。ジャルカラとスタルがあちこち探し回って10分が経過した頃ジャルカラが不意に大きな声を上げた。


「おい! こっち来い!」


 スタルがとぼとぼとジャルカラの方へゆっくり行くとそこには無色透明な丸い玉が壁に埋まっていた。


「わいは魔結晶やと思うんやがお前はどう思う?」


スタルは壁にめり込むように埋められている透明の玉を見て言った。


「こんな辺鄙な遺跡に魔結晶があるわけない…と言いたいところですけど実物を見たことがないからなんとも」


「とりあえず出してみるか」


「止めておいたほうがいいと思います。下手に動かして変なことになったらどう責任取るつもりなんです?」


スタルは強引に抜き取ることを提案するジャルカラを引き留めようとする。


「責任なんていう次元の話ちゃうやろ! 責任って言うんやったら、わいらが今襲われてるんは誰の責任やねん」


ジャルカラの言葉に反論しようと頭の中で言うべきことを探すがスタルが見つけ終えるより先にジャルカラが口を開いた。


「わいはお前が止めてもこれを取り出す。これが何なのかは取り出してから考える」


後先を考えないジャルカラに危機感を覚えたスタルはジャルカラの腕をとっさに掴んだ。


「もし、それでこの遺跡が崩れるようなことになったらどうするんです! 絶対そんなことさせない。これを取り出すとしても殿下たちが戻ってきてからにすべきです!」


ジャルカラはスタルに捕まれた腕を上にはらいあげた。


「ちょっと、抵抗しないで!」


ジャルカラの腕を再び拘束しようとスタルがジャルカラに距離を詰めた。


「邪魔すんなや」


 その一言と共にジャルカラはスタルの頬を平手で打った。何が起きたのか呆然としているスタルはやっと殴られたことを理解したのかジャルカラに向かっていく。


「何するんですか!」


 ジャルカラに殴られたことがよっぽど不快だったのか、または怒りからなのかはそれとも殴られて腫れてきているのかスタル自身にも分からなかったがスタルの白い頬は真っ赤になっていた。


「状況分かってますか! こんな時に自分の思い通りにならないからって手を出して! 知ってましたけどあなた本当に最低最悪のクズですね!」


「状況を分かってへんのはどっちや」


ジャルカラは今にも殴りかかりそうな勢いでスタルに掴みかかった。


「え?」


「今は一刻を争うときなんや! それをお前のわがままで殿下たちを待ってるわけにはいかんのや!」


 ジャルカラはスタルの襟を掴むと大声で思いの丈をぶつける。


 「ああ! お前が言う通り殿下を待つのも手かもしれんなぁ! けどなぁ! 待ってる間にアイツが死んだらどうすんのじゃ!」


スタルは何が起きているのか分からず目を大きく見開いて抵抗ひとつせずジャルカラに気圧されている。


「もしかしたらフルの奴は殺されそうになってるかもしれん! お前がわいの邪魔してる間にもアイツは辛い思いしとるかもしれんのじゃ!」


スタルの目の奥から熱い何かがこみあげてきていた。


「お前が邪魔したせいでアイツが死んだらわいはお前を殺すからなァ!」


ジャルカラが言い終えるとスタルはその場にへたりこんでしまう。そしてスタルのむせび泣く声が部屋いっぱいに響いた。

ジャルカラは部屋で泣くスタルをよそに透明の玉を取り出す作業に入った。長期戦になるかと思えたが玉は意外にもあっさりと抜けた。


「えらい簡単に抜けたな」


その瞬間、玉が入っていた壁が下がっていく。驚きのあまりジャルカラはスタルのほうを確認したが、スタルは未だ泣き止んでいなかった。


「ッチ。あの女いつまで泣いとんのや…」


 いつまでも泣き止まないスタルに舌打ちするジャルカラの前には下がった壁の向こうに隠されていた部屋が広がっていた。

ジャルカラたちが居る部屋の2分の1ほどの大きさの部屋で10人くらいなら横になることができそうだ。しかし、その部屋の中央には機械を模した像が鎮座していた。大きさは3メートルを超える巨大さでジャルカラ一人では皆がいる場所まで運べそうになかった。


「なんやこれ…」


 ジャルカラが石像を調べようと触ったとたん、像が動き始めた。その機械像は左腕を急にジャルカラの方へ向ける。

ジャルカラは機械像の腕がジャルカラに向けきる前にしっかりとその手を見ていた。その機械像の手の中央には何かを発射するといわんばかりの穴が空いていたのだ。

直感で危機を察知したジャルカラは全ての神経を集中させてその場から飛びのいた。すると次の瞬間にはジャルカラが元居た場所が黒く焼け焦げた。機械像が左手からレーザーを放ったのだった。


「あんなのと闘えるわけあらへん」


ジャルカラはすぐに緊急事態に陥っていることを理解した。屋内で逃げ回るのは不利だと考えひとまず外にでようと走り出した。

走り始めてからスタルのことを思い出し、スタルを確認するが像は幸いにもレーザーを撃った反動なのか動きを止めていた。

完全に止まったのかと思いジャルカラは後ろの機械像を確認する。座り込み俯いているスタルをスルーし、像はちゃくちゃくとジャルカラだけを狙ってきていた。


「触ったやつだけを狙うっちゅう訳か」


スタルが安心だと分かりほっと一息ついたのも束の間、機械像が左手を前に出し次の一撃の準備に入っていた。

ジャルカラは倒れ込むようにそのレーザーを避ける。避けた先、そのレーザーは遺跡の壁を破壊し、外の空気をジャルカラは感じていた。


「一旦この穴から外に逃げたほうが良さそうやな」


ジャルカラは機械像が反動で止まっている隙に素早く立ち上がり穴から外へ飛び出す。ジャルカラが外へ出たときには機械像は動きだしていた。


「こいつは危険すぎる。わいの手に負えん。どうするか」


ジャルカラは機械像から逃げながら必死に考えた。そのときジャルカラの目の端に茶色がちらついた。


「馬や!」


ジャルカラは目の前の馬に飛び乗った。この馬はオドアケルの集落で飼われていたうちの一頭で、ヤスィに知られたら怒られることはまず間違いなかった。


「緊急事態なんや、馬くらいええやろ」


 馬の足はジャルカラが走るより断然早かった。機械像と一気に距離を離すことには成功したが、エフタルたちが向かっていた方角とは反対の方へと駆けてしまっていた。


「殿下たちに何とかしてもらおうと思ってたが失敗してもうた。あっ!」


 ジャルカラは馬に乗りながら次の策を考えようとしたが、宙に浮く感覚を覚えた。ジャルカラは馬から投げ出されるかたちで吹っ飛んでいた。

 普段から馬に乗っていないジャルカラが馬に跨れたこと自体が奇跡だったのだ。それなのに馬で走り出すなんてことできるわけがなかった。

 ジャルカラは馬から落ち、地面の上を転がる。泥だらけになりながらジャルカラは自分が乗ってきた馬が遠くへ離れて行くのが見えた。

しかしジャルカラには脅威が差し迫っている。馬のことなど気にしている暇はない。今は機械像のことで頭がいっぱいだった。


「あのレーザーの威力や。もしあれをあの機械自身にくらわせることができたら…」


 ジャルカラは考えを巡らすのに夢中で自分が乗っていた馬以外の馬音に気付かなかった。ジャルカラが我に返ったときには目の前に武装した男が乗った馬が近づいてきていた。


「うわぁ!」


 その男は剣を鞘から抜く。このままでは危ないとジャルカラは感じていた。


「後ろからは機械が、前には剣を持った男。わいはここまでなんか」


 その時ポケットに固い感触を感じるのにジャルカラは気づいた。銃だった。剣の男を見るとその眼には地面に転がるジャルカラの姿はもはや無く、その視線の先は機械像を捕えていた。無様にも地に伏すジャルカラよりも機械像のほうが危険だと察したのかもしれなかった。

 チャンスだと咄嗟にジャルカラは感じた。そして自分でも無意識にジャルカラは銃口をその男に向けていた。


「ッ!」


 ジャルカラは引き金を引いた。しかし運が悪いことに男はジャルカラが引き金を引く少し前にジャルカラの動作に気づいてしまった。そしてとっさにしゃがみこんだ。

 ジャルカラが放った弾丸は空を切るだけに終わった。


「やってもうた」


 ジャルカラは自分の死を悟り構えていた銃を地につけた。それを見た男はジャルカラよりも背後に迫り来る機械をより危険視したのか機械像の方を向いた。

 そして腰から銃を抜くと男は機械像へ向けて銃を放った。銃弾は機械像を貫くことなく表面で弾かれて落ちた。

 その瞬間にジャルカラには機械像の標的がジャルカラから男へと変わったことを直感で理解していた。


「今のうちや!」


ジャルカラは走って遺跡の方へと戻ることにした。男は銃で倒せなかったとみるとジャルカラに背を向け馬で逃げようとする。そこへ男以外の馬の足音がした。エフタルであった。


「銃声を聞いてかけつけたがこれは何事だ」


エフタルは馬で逃げていく男を見るとすぐに号令をかける。


「まだ残党がいたか。全員、進め! 一人も逃さず捕えろ!」


エフタルの部隊が男を追う。


「何が起きていたのか帰ったら詳しく聞かせてもらうぞ」


エフタルはジャルカラへ近づいて一言告げた。ジャルカラがそれに頷くのを見るとエフタルは仲間の後を追っていった。

エフタルの背中が小さくなっていくのを見ながらジャルカラは遺跡へと歩いていった。ジャルカラの目には悔しさが滲んでいた。



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